相続・贈与

死後事務の範囲まとめ!死亡からの流れはこうなる

メガネとエンディングノート

人が亡くなると、多くの手続きが発生します。

葬儀を行い、火葬して埋葬し、年金の受給資格の喪失届を提出し、遺品を処理し、家を借りていた場合は綺麗にして返さなければいけません。

このような、相続以外で死後に発生する諸手続きのことを「死後の事務」といい、死後の事務を生前に第三者にまかせる契約のことを「死後事務委任契約」といいます。

こうした対策をしないままに亡くなってしまうと、入るべきお墓があるのに無縁仏になってしまったり、財産を残したい身内がいるのに国庫に納められてしまったり、関係者に迷惑がかかることにもなりかねません。

しかし実際は、

  • 亡くなったらどのような事務が生じるのか
  • 死後事務の範囲はどこまでなのか
  • 契約はどうしたらいいのか

…など、具体的なイメージがつかないという方は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、死後事務の内容はなにか、どのような流れで発生するのかを、時系列に沿ってご紹介したいと思います。

死後事務の範囲一覧!死亡からの流れはこうなる

手帳死後事務は、亡くなった時から発生します。

内容によっては、期限があるものもあります。

ここでは、亡くなってからの死後事務の範囲と流れをご紹介します。

死亡届の提出

死亡届は、亡くなった人の戸籍を消すために提出する書類です。

亡くなったことを知ってから7日以内に、故人の本籍地の役所の戸籍課に提出します。

死亡届は、死亡を確認した医師が作成した死亡診断書をもとに記入し、提出します。

しかし、死亡診断書は誰でも発行してもらえるわけではなく、特に法的な家族関係にない方が受領するにはハードルが高くなります。

そこで、死亡診断書を誰かに受領してもらうためには、予め死亡事務委任契約を結び、受任者(死後事務を行う人)が公正証書化した死亡事務委任契約書を用意しておくことをおすすめします。

関連記事
窓辺で書類を書く男性
死後事務委任契約とは?知っておくべき終活の基礎知識

ご家族やご自身に万が一のことがあった場合の手続きに、不安を感じる方は少なくないのではないでしょうか。 実際に、人が亡くなると、多くの手続きが必要になります。 具体的には、葬儀、火葬、医療費の支払い、公 ...

続きを見る

葬儀・埋葬関連の手続

死亡届を提出する際、役所で火葬許可申請書をもらいます。

火葬許可申請書を死亡届と一緒に提出すると火葬許可証が発行され、火葬許可証を葬儀社に渡すことで、火葬や埋葬が可能になります。

埋葬・火葬は、死後24時間を経過した後でなければしてはいけないことが法律で決まっています(墓地、埋葬等に関する法律第3条)。

葬儀だけならば、24時間より前にしてもかまいません。

それ以降は地域や火葬場の状況により多少の違いはありますが、死後3~7日程度で行われるのが通常です。

上記のように、死後事務委任契約を結んでいれば、契約内容として、委任者の希望に沿った方法で葬儀や埋葬を決めることができます。

葬儀場の予約、宗派の選択、精進料理の内容、香典返しの品物など、細かく決めておくことが可能です。

また、埋葬方法も、菩提寺への納骨、樹木葬、海への散骨、墓石の購入、永代供養の手続きなど多岐にわたります。

特に、火葬、納骨以外の埋葬方法を希望する方は、事前に死後事務委任契約の内容として決めておきましょう。

行政への諸届

市役所の建物市区町村役場など、行政各所に必要な届け出をご紹介します。

年金の資格抹消手続き

年金は、死亡の翌日に被保険者としての受給資格を喪失します。

国民年金の場合は、年金の資格喪失届を、死亡した日から14日以内に提出します。

提出先は、各都道府県にある日本年金機構の事務センター又は年金事務所です。

厚生年金の場合は事業主が提出するので、特段の手続きは不要です。

健康保険証の返還

健康保険は、死亡の翌日に資格を喪失します。

国民健康保険に加入している場合は、死亡した日から14日以内に資格喪失届の提出と共に健康保険証を返還します。

返還先は、お住まいの市区町村役場です(死亡届を提出していれば、保険証の返還のみ)。

亡くなった人が会社勤めをしている場合、多くの会社員が全国健康保険協会に加入しているため、事業主が資格喪失届を提出します。

確定申告・納税

亡くなった人に収入があり、翌年所得税が発生する場合、死亡した日から4ヵ月以内に、税務署に確定申告と納税をする必要があります。

また、住民税や固定資産税は、亡くなった年まで支払わなければいけないので、納税手続きをとる必要があります。

公共料金など各種料金の解約

電気・水道・ガスなどのライフライン契約や、新聞の購読、インターネットプロバイダ契約など、生前の契約関係は少なくありません。

公共料金は、契約者が亡くなったからといって自動的に止まるわけではありません。

期限はありませんが、手続きをしなければいつまでも料金が発生し、のちに相続人とトラブルになることもあります。

生前の契約内容と契約先を把握して、死後に解約手続きを取れるようにしておくことが大切です。

関連記事
スマホを見ながらメモを取る人
携帯の解約、本人が死亡したときはどうしたらいい?

携帯電話の契約はMNP導入とともに解約の自由度が増してきました。 しかし、本人が死亡してしまった場合の解約(または名義変更・承継)は家族・相続人が店頭に出向かなくてはならないなど、面倒な手続きが残って ...

続きを見る

生命保険の手続

生前、生命保険(死亡保険)に加入していた場合、死亡保険金を受け取る手続をとる必要があります。

まず、生命保険会社に連絡して、生命保険会社から必要書類の案内と請求書の送付を受けます。

死亡診断書や本人確認書類などの必要書類を添えて請求書を返送し、生命保険会社の支払可否の判断と支払いを待つことになります。

賃貸借物件・介護施設の解約、引渡しなど

積み上がったダンボール生前に借家で生活していた場合、不動産管理会社や大家さんに連絡をして、賃貸借契約を解除して退去の手続きをとり、引き渡さなければいけません。

介護施設に入居していた場合は、解約して退去手続きをとることになります。

いずれも、未払いの家賃や施設料などがあれば精算をする必要があります。

こちらも、期限があるわけではありませんが、放置しておくといつまでも家賃や利用料が発生するため、迅速な対応が必要です。

家具などの遺品が残っている場合、遺品は相続財産になるので、相続人が優先されます。

相続人の1人を受任者として死後事務委任契約を結んでおけば、他の共同相続人から許可を受けて遺品整理をすることができます。

相続人がいない場合は受任者が行うことができますが、遺品の整理は体力的にも大変な場合が多いため、専門業者に別途依頼しておくのもよいでしょう。

勤務先への諸手続き

亡くなった人が会社勤めをしていた場合、勤務先でも様々な事務が発生します。

しかし、これらは勤務先が行うため、亡くなったことを伝えれば足ります。

退職の手続きについては、社会保険から当然外れることになるため、亡くなっていた人の保険証は返却します。

また未払い賃金や退職金の支払いがあった場合は、遺族が受け取る相続財産となります。

死後事務・届け出や期限別の一覧

内容 届け出先 期限
役所 死亡届の提出 本籍地の役所の戸籍課 死亡を知ってから7日以内
葬儀 葬儀・火葬 本籍地の役所の戸籍課(火葬許可証) 死亡を知ってから7日以内(死亡届と一緒に提出)
行政関係 年金の資格抹消手続 日本年金機構 死亡した日から14日以内
健康保険証の返還 市区町村役場 死亡した日から14日以内
確定申告・納税 税務署 死亡した日から4か月以内
各種料金 公共料金などの解約 各契約先 期限なし(早い方が望ましい)
生命保険 死亡保険金の受取 契約先生命保険会社 期限なし(早い方が望ましい)
住居関係 借家・介護施設の退去 不動産管理会社・大家・入居施設 期限なし(早い方が望ましい)
会社関係 勤務先の手続 勤務先 期限なし(早い方が望ましい)

死後事務を第三者に任せる場合・死後事務委任契約書に書くべき内容

書類を書く手上記のように、死後に行う手続きは多岐にわたります。

おひとりさまで誰に頼めばいいか分からないという方はもちろん、遺した家族に大変な負担をかけたくないという方など、今後の高齢化社会を見据え、近年広がっているのが、上記のような死後の事務の処理を、生前に第三者に依頼しておく「死後事務委任契約」です。

死後事務委任契約は、口頭でも成立しますが、委任する事務の内容を明らかにし、詳細に依頼するために、次のような内容を契約書に盛り込むことが多いです。

①死後事務委任契約の趣旨

委任者(頼む人)と受任者(死後事務を行う人)の名前を記載し、死後事務委任契約を結ぶことを記します。

②死後事務委任契約の効力

通常の契約では、当事者が死亡すると契約関係は終了します。

死後事務委任契約の場合は委任者が死亡しても契約が終了しないこと相続人がいる場合は委任者の権利義務を承継する旨を記しておきます。

③委任事務の範囲

死後事務で頼みたいことを詳細に記載します。具体的には、

  • 葬儀、火葬、埋葬に関する事務
  • 医療費、入院費、介護施設利用料などその他一切の支払
  • 入居一時金などその他一切の債権の受領
  • 家財の処理
  • 行政庁などへの届け出事務
  • 親族や知人など関係者への連絡事務

などを記載します。

④委任事務の詳細

葬儀を行う場所、納骨先、香典返しの品、親族関係者への連絡方法など、より細かい内容があれば記載します。

⑤預託金

死後事務を行うにはお金がかかります。

葬儀代や埋葬料など、かかる費用の概算を出し、あらかじめ受任者に「預託金」として預けます。

その金額などを記載します。

⑥費用負担の取決め

死後事務の手続きに必要なお金は、委任者の負担で行い、預託金を利用することを明記します。

⑦死後事務委任の報酬

死後事務は、内容も多岐にわたり、遂行するのは大変です。

そこで、委任者と受任者で報酬を決め、預託金から支払うことを確認します。

余った場合は相続人に返還することも記されることが多いです。

⑧死後事務委任契約の解除

委任者と受任者が生前に仲たがいした、受任者が病気になったなど、死後事務を任せられない状態になった時に契約を解除できる旨を記します。

⑨契約の変更

埋葬方法や、家財の処分の方法の変更など、途中で希望が変わった場合は契約内容を話し合って変更できる旨を記載しておきます。

⑩報告義務

受任者は、委任者の生前は預託金の管理状況を報告すること、委任者の死後は事務の遂行の状況を、相続人や相続財産管理人に報告することを約束します。

⑪免責

受任者が注意を払って死後事務を行えば、万が一委任者に損害が生じても責任を負わない旨を記載します。

死後事務の内容が不明な場合は弁護士に相談を

弁護士と高齢者以上が、死後事務の全体像となります。

死後事務の範囲が広いこと、期限が短いことに驚いた方もいるかもしれません。

死後事務を事前に考えておかなければ、遺された人は、死後事務の手続きだけではなく、故人が何とどんな契約をしているのか、何を希望しているのかを調べるところから始めなければならず、その負担は一層大きくなります。

それだけに、死後事務委任契約を予め結んでおき、死後に頼みたいことの詳細や、報酬も決めておけば、安心して旅立つ日を迎えられることと思います。

何を誰に頼めばいいか分からない、頼める人がいないという場合は、まずは弁護士にご相談ください。

弁護士であれば、守秘義務があるので、他人に知られたくないことも頼める上、諸手続きに精通しているので、ご自身にあった死後事務委任契約を結び、死後事務の処理を任せることができます。

死後事務の処理や死後事務委任契約でお悩みの方は、弁護士にお気軽にご相談ください。

終活・生前整理のご相談ならお任せください!

    現在のご状況

    このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

    -相続・贈与