病院で病気やケガの治療を受けた際、



など、病院の対応に疑問を感じることがあります。
患者や家族としては医療過誤ではないか、病院にどう確認すればよいのかと不安になるでしょう。
ただし、納得できない点があるからといって、すぐに医療過誤と決めつけるべきではありません。
まずは治療経過などを確認したうえ、病院には冷静に問い合わせることが大切です。
この記事では、医療過誤かもしれないと感じたときに確認すべきポイントや、医療過誤が疑われやすい事例について解説します。
病院へ問い合わせる前に整理しておくこと

病院の対応に納得できないとき、すぐに説明を求めたくなるものです。
しかし、状況が曖昧なまま問い合わせると、聞きたいことが伝わらず、話が噛み合わなくなりがちです。
治療経過や説明内容を落ち着いて振り返り、疑問点を整理することからはじめましょう。
病院側の何に納得できないのかを整理する
最初に確認したいのは、自分や家族がどの点に納得できていないのかです。
疑問点を整理するときは、次のように分けて考えてみましょう。
- 治療や手術の結果に納得できない
- 症状が悪化した理由を知りたい
- 検査結果の説明がなかった
- 薬の内容や量に疑問がある
- 事前にリスクの説明を受けていない
- 病院側の説明が途中で変わった
あらかじめ整理しておくと、病院に対して何を確認したいのかが伝えやすくなります。
治療の流れと結果の背景を確認する
病院の対応に不信感がある場合でも、治療後に悪い結果が生じたというだけで、直ちに医療過誤と判断できるわけではありません。
手術後の合併症や薬の副作用、病気そのものの進行によって症状が悪化することもあるためです。
そのため、まずは治療の流れや結果が生じた背景を確認することが大切です。
たとえば、どのような検査や処置が行われたのか、治療前にどのようなリスク説明を受けたのか、症状が悪化した理由として病院側がどのように説明しているのかを整理しておきましょう。
一方で、必要な検査が行われなかった、検査結果が見落とされた、リスク説明が不十分だったといった事情があれば、医療過誤が問題になる余地もあります。
病院に問い合わせる際は、最初から医療過誤を疑って責任を追及するのではなく、まずは事実関係と治療結果について冷静に説明を求めることが大切です。
病院に問い合わせる際の注意事項

病院に問い合わせるときは、納得できない気持ちをそのままぶつけるのではなく、確認したい内容を整理して伝えることが大切です。
最初から責任追及の姿勢が強くなりすぎると、病院側も防御的になり、必要な説明を受けにくくなるおそれがあります。
感情的に責任追及をするのではなく説明を求める
病院の対応に納得できないと、医療過誤ではないか、責任を取ってほしいと考えてしまうのも無理はありません。しかし、最初の問い合わせ段階では、いきなり過失や損害賠償の話をするよりも、まず事実関係の説明を求めるほうが適切です。
たとえば、次のような聞き方をすると、確認したい内容が伝わりやすくなります。
- 治療後に症状が悪化した理由を知りたい
- 検査結果について、どのように判断されたのか確認したい
- 手術や治療のリスクについて、どのような説明がされていたのか確認したい
- 今後の治療方針や追加対応の必要性を知りたい
問い合わせの目的は、病院側を問い詰めることではなく、判断材料を集めることです。
説明を受けても納得できない場合は、後からカルテ開示や弁護士相談を検討することもできます。
まずは冷静に説明を求めましょう。
担当医や相談窓口など問い合わせ先を確認する
病院へ問い合わせる際は、誰に連絡すべきかを確認しておくことも大切です。
担当医に直接確認できる場合もありますが、病院によっては患者相談窓口や医療安全管理部門などが設けられていることがあります。
いきなり受付や代表電話で詳しい説明を求めても、その場で適切な担当者につながらない場合があります。
問い合わせるときは、患者相談窓口の有無や、診療内容について説明を受けられる担当部署を確認しましょう。
病院からの説明内容はメモに残すこと
病院から説明を受けたときは、内容を必ずメモに残しましょう。後から振り返ると、説明の細かい部分が曖昧になったり、聞いた内容と記憶がずれたりすることがあるためです。
メモには、次のような内容を残しておくと役立ちます。
- 説明を受けた日時
- 説明を担当した医師や担当者の名前
- 説明された内容
- こちらから質問した内容
- 病院側の回答
- 今後の対応や再受診の予定
説明の内容に不明点がある場合は、その場で確認しておくことも大切です。
分からないまま終わらせると、後から再度問い合わせが必要になり、話が複雑になることがあります。
感情的なやり取りを避けるためにも、説明内容はできるだけ具体的に残しておきましょう。
医療過誤が疑われる場合の調査方法や対応について、こちらの記事で解説しています。
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医療過誤が疑われやすい事例

病院の対応に納得できないときは、実際にどのような場面でトラブルが起きやすいのかを知っておくことも大切です。
もっとも、似たような事例があるからといって、直ちに医療過誤と判断できるわけではありません。
ここでは、医療安全情報などで公表されている事例を参考にしながら、患者側が疑問を持ちやすいケースをご紹介します。
検査結果の見落としや伝達漏れが疑われるケース
検査を受けたのに重要な結果が共有されていなかった、画像診断の結果が後から問題になったといったケースでは、検査結果の見落としや伝達漏れを疑うことがあります。
日本医療機能評価機構の医療安全情報で紹介されている事例では、主治医以外の医師が画像診断報告書を開いたことでシステム上は既読となり、主治医が報告書を読んでいないことに気付かず、重要所見への対応が遅れてしまっていました。
過去のCT検査の画像診断報告書に直腸がん疑いと記載があったことに、退院後の外来で気付いたのです。
このような事例を踏まえると、患者側としては、検査を受けたあとに結果がどのように説明されたのか、追加検査や経過観察の必要性について説明があったのかを確認することが大切です。
病院に問い合わせる際は、検査日、検査名、説明を受けた日、説明した医師などを整理しておくと、話を進めやすくなるでしょう。
薬剤の取り違えや投薬ミスが疑われるケース
薬を飲んだ後に体調が悪化した、いつもと違う薬を渡された、処方内容と薬袋の中身が違う気がするという場合は、薬剤の取り違えや投薬ミスが疑われることがあります。
日本医療機能評価機構の医療安全情報では、アンプルや包装の色が似ていたことが一因となり、誤った薬剤を投与した事例が紹介されています。
投与すべき薬剤と異なる薬剤を取り出して投与した事例や、薬袋に本来と異なる薬が入っていたことに後から気付いたのです。
薬剤に関する疑問があるときは、薬の名前、用量、飲み方、処方日などを確認しましょう。
残っている薬や薬袋、処方薬の説明書は、後から重要な証拠になり得ます。
説明不足や同意書をめぐって納得できないケース
手術や治療の結果に納得できないケースでは、治療そのものだけでなく、事前の説明が十分だったかが問題になることがあります。
特に、手術内容や合併症のリスク、代替治療の有無について十分な説明を受けていなかったと感じる場合は、説明内容や同意書の記載を確認すべきです。
日本医療機能評価機構の医療安全情報では、患者が同意した術式と異なる手術が実施された事例が紹介されています。
手術説明書や同意書に記載された術式と、手術申し込みの内容が異なっていたにもかかわらず、確認が不十分なまま手術が行われた事例です。
このような場面では、同意書に何が書かれていたのか、医師からどのような説明を受けていたのかなどを整理することが大切です。
病院に対して、当時どのような説明をしたと記録されているのか、同意書や診療記録にどのような記載があるのかを確認しましょう。
病院の対応に不安がある場合は弁護士へ相談しよう
病院の説明に納得できない場合でも、すぐに医療過誤と決めつけるのは避けましょう。
まずは、何に疑問を感じているのかを整理し、治療経過や検査結果、医師から受けた説明内容などを確認することが大切です。
また、医療過誤が疑われるケースでは、医学的な判断と法的な判断の両方が必要になります。
病院の説明に納得できない、対応に迷っているという場合は、早めに弁護士への相談を検討してください。
弁護士に相談することで、今後確認すべき資料や病院との向き合い方、損害賠償請求が可能かどうかの見通しを確認できるでしょう。
