好きな漫画やアニメのキャラクターを、フィギュアやアクリルスタンドにして楽しみたいと感じる方は多いでしょう。
3Dプリンタを使えば立体物も作れますが、「自分用なら問題ない?」「写真をSNSに載せてもいい?」と迷う場面もあります。
実は、二次創作グッズの著作権上の扱いは、自宅で使うのか、他人に配るのか、販売するのかによって変わってくるのです。
この記事では、自作・SNS投稿・無料配布・販売の違いを、法律上のルールや公式ガイドラインに沿って解説します。
作品の同人誌・ファンアート作成時の注意点については、こちらを参考にしてください。
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二次創作の同人誌はどこまでOK?著作権侵害になるケースと注意点
好きな漫画やアニメのキャラクターを描いた同人誌を作りたいと思っても、「著作権侵害にならないだろうか」と不安になってしまうものです。 原作の絵をそのまま使わなければ問題ないのか、パロディなら許されるのか ...
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二次創作グッズを自作すると著作権侵害になる?

キャラクターグッズを自分で作る場合も、原作の表現を利用していれば著作権が関係します。
ただし、個人的に楽しむための制作には、法律上の例外が認められることもあります。
キャラクターを立体化すると著作権が問題になる
漫画やアニメのイラストなど、人の考えや気持ちを創作的に表したものは著作物として保護されるのが原則です。
キャラクターの抽象的な設定そのものとは異なり、具体的な姿やデザインの表現は保護の対象になり得ます。
例えば、原作の絵をそのまま印刷してアクリルスタンド(アクスタ)を作れば複製権が問題になります。
複製権とは
著作物をコピーしたり印刷したりする行為を、権利者が認めるかどうか決められる権利
著作権法第21条では、次のように定めています。
著作権法第21条
著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。
(引用:著作権法|e-Gov法令検索)
また、例えば『ちいかわ』などの既存キャラクターを3Dプリンタでフィギュアにする場合は翻案権も関係します。
翻案権とは
原作の創作的な特徴を残しながら、別の表現を加えて新たな作品に作り変えることを認めるか決められる権利
原作との共通点や制作方法によって、複製や翻案に当たるかが判断されます。
自分用に作る場合は私的使用として認められることがある
著作権法第30条では、個人的または家庭内などの限られた範囲で楽しむ目的の複製について、一定の例外を認めています。これを「私的使用のための複製」といいます。
著作権法第30条第1項(抜粋)著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。
(引用:著作権法|e-Gov法令検索)
例えば、自宅で飾るためにキャラクターのフィギュアを1個作る行為は、この例外に該当する可能性が高いです。
ただし、同条には例外の対象外となるケースも定められています。
また、後から配布・販売する目的で大量に作る場合まで「自分用」とは扱えません。
二次創作グッズのSNS投稿・配布・販売はどこまでOK?

自分用に作ったグッズでも、その後の使い方が自由になるわけではありません。
写真の投稿、無料での受け渡し、販売では、それぞれ確認すべき点が異なります。
自作グッズの写真をSNSに投稿する場合
自分で作ったフィギュアやアクスタの写真でも、SNSへの投稿は私的使用とは別に考える必要があります。
写真の中心に原作の創作的なデザインが再現されていれば、その公開について著作権が問題になる場合があるため、注意しなければなりません。
特に、著作権法第23条の公衆送信権には注意が必要です。
公衆送信権とは
著作物をインターネットなどで不特定または多数の人に向けて公開することを認めるかどうか決める権利
著作権法第23条第1項
著作者は、その著作物について、公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行う権利を専有する。
(引用:著作権法|e-Gov法令検索)
一方、写真の背景に小さく写り込んだだけなら、著作権法第30条の2によって認められる場合もあります。
グッズ自体を主役として撮影・投稿するケースとは区別が必要です。
友人へのプレゼントやイベントで無料配布する場合
親しい友人に一つ贈る場合と、イベントで不特定多数に何十個も配る場合では、利用の範囲が異なります。
特に後者は、無料であっても私的使用として認められるとは限りません。
また、著作権法第26条の2には譲渡権が定められています。
譲渡権とは
著作物の複製物などを販売・無償配布によって公衆に渡す行為を、権利者がコントロールできる権利
イベントで自作アクスタを来場者に配る場合は、制作時の複製権などに加えて譲渡権も問題になり得ます。
よって、友人へのプレゼントも必ず適法とは言い切れず、制作の目的や受け渡す相手との関係などで判断が変わります。
配布数が少なければ自由、無料なら問題ないという基準はありません。
イベントやフリマアプリなどで販売する場合
販売用のアクスタやフィギュアを制作する行為は、通常、私的使用のための複製には当たりません。
原作の保護された表現を利用していれば、原則として権利者の許諾が必要です。
例えば、キャラクターの姿を再現したグッズを複数作って通販サイトに出品する場合は、制作だけでなく、公衆への譲渡についても確認しなければなりません。
材料費だけを受け取る場合や、利益が出ていない場合でも同様です。
ただし、権利者がガイドラインで一定の同人活動を認めていることもあります。
販売価格や個数だけで判断せず、対象となるグッズの種類や販売条件を確認しましょう。
二次創作グッズを制作・公開する際の注意点

トラブルを避けるには、完成品だけでなく制作データの扱いも確認する必要があります。
公式ガイドラインや著作権以外の権利も、あわせて確認しましょう。
3Dプリンタ用のデータを公開・共有する場合も注意する
3Dプリンタで使う立体の設計情報は3Dモデルデータと呼ばれます。
元のキャラクターの創作的な形状を再現したデータを作成すれば、完成品を印刷する前でも複製権や翻案権が問題になる可能性があります。
また、データをダウンロードできる状態でネット公開すれば、公衆送信権などが問題になる点にも注意しなければなりません。
「物は販売せずデータだけ無料配布する」という方法でも、権利者の許可が不要になるわけではありません。
公式の二次創作ガイドラインを確認する
一方、作品によっては、権利者が二次創作グッズの制作・頒布を認める条件を示しています。
また、同人誌は認めてもフィギュアなどの立体物には別のルールを設けている場合もあるため、その都度確認が必要です。
例えば、『Fate/Grand Order』の公式ガイドラインでは、同人グッズについて商業目的など一定の制作・頒布を禁止しています。
さらに、ゲームの画像をもとにキャラクターなどをフィギュアとして制作し、頒布する行為は原則禁止とされています。
これは同作品に関するルールです。
別の作品でも同様に認められる、あるいは禁止されるとは限りません。
必ず対象作品の公式情報を確認してください。
著作権だけでなく商標権などが問題になる場合もある
グッズを販売する際は、著作権以外の権利(商標権・意匠権)にも目を向けましょう。
商標権とは
登録された名称やロゴなどを商品・サービスの目印として一定の範囲で独占的に使用できる権利
意匠権とは
登録された商品の形状などのデザインを保護する権利
例えば、公式のロゴを使ったパッケージで非公式グッズを販売すると、使い方によっては商標権侵害が問題になります。
商品の形状などが登録意匠と同一・類似する場合には、意匠権にも注意が必要です。
ただし、キャラクター名やロゴを使えば必ず商標権侵害になるわけではありません。
どのような商品に、どのような形で表示したかなどによって最終的に判断されます。
二次創作グッズは利用目的や公開範囲を確認しよう
二次創作グッズは、自宅で楽しむための制作であれば、私的使用として認められる場合があります。
しかし、SNSへの投稿やイベントでの無料配布、販売、3Dモデルデータの公開は、同じ扱いになるとは限りません。
特に、無料なら自由に配れる、グッズの写真だけなら公開してよいと考えるのは避けましょう。
制作前に公式ガイドラインを確認し、対象となるグッズや頒布の条件を把握しておくことが大切です。
もし、権利者から削除や販売中止を求められた場合、あるいは自作グッズが著作権や商標権の侵害に当たるか判断できない場合は、弁護士に相談する方法があります。
制作内容や利用状況を整理し、適切な対応を検討しましょう。
