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ストーカー規制法の改正とは?AirTagやGPSは違法?2026年3月全面施行後の注意点

紛失防止タグを仕込もうとしている女性

ストーカー規制法は、2025年末から2026年3月にかけて改正内容が順次施行され、AirTagなどの紛失防止タグを使った無断追跡や位置情報の取得にも目が向けられるようになりました。

パートナーの浮気を疑ってAirTagやGPSを使おうとしている方の中には、見守りや確認のつもりでも、気づかないうちに違法行為へ踏み込んでしまう人もいます。

この記事では、今回の改正で何が変わったのかを整理し、AirTagやGPSを使った危険な行為2026年3月全面施行後に注意すべき点について解説します。

ストーカー規制法はなぜ改正された?

スマートトラッカー

今回の改正理由は、従来のストーカー規制法では対応しきれない場面が出てきたためです。

これまでAirTagなどの紛失防止タグを使った追跡は、規制対象外とされていました。

紛失防止タグが規制の対象外だった

実は、改正前からGPS機器等を使って相手の位置情報を無断で取得したり、機器を取り付けたりする行為には規制がありました。

ポイント

しかし、紛失防止タグについては、もともと持ち物を探す目的で作られた機器であることなどから、相手の所在把握に使われていても、法律上は明確に規制対象に入っていなかったのです。

実際にも、バッグにこっそり入れる、車に忍ばせる、持ち物に紛れ込ませるといった行為が問題化していても、紛失防止タグだから大丈夫だと考える方は多かったでしょう。

今回の改正では、紛失防止タグを用いた位置情報の無承諾取得や、タグを取り付ける行為などが新たに規制対象へと加えられました。

AirTagなどを悪用した相談等の増加

道を歩く女性の背後に男性の影

改正の背景には、実際の相談や事案の増加も関係しています。

check!

警察庁の資料によると、紛失防止タグ等が用いられたストーカー事案の相談等件数の増加が示されています。

警察は、こうした行為がGPS機器等を使った場合と同様に、行為のエスカレートや被害者への強い不安につながるおそれがあるとも示しています。

つまり、今回の改正は単に新しい機器が出てきたからルールを増やしたという話ではありません。

浮気調査や見守りのつもりであっても、

相手の承諾なく位置情報を取り続ける行為は、重大な被害につながり得る

という認識のもと見直しが進められたのです。

2026年3月までに施行された改正内容

今回の改正は、2025年12月30日施行分と、2026年3月10日施行分に分かれています。

ここでは、これまでに施行された改正内容をご紹介します。

2025年12月30日から規制された行為

2025年12月30日からは、紛失防止タグの悪用に関する規制などが始まりました。

警察庁では、主に次の内容を案内しています。

  • 紛失防止タグを用いた位置情報の無承諾取得等を規制対象行為に追加
  • 職権での警告を創設
  • ストーカー行為等の相手方を雇用する者や当該相手方が就学する学校の長をストーカー行為等の相手方に対する援助に係る努力義務の主体に追加
  • ストーカー行為等の相手方の当該違反行為が行われた時における住居の所在地を管轄する都道府県公安委員会等を禁止命令等の主体に追加

(引用:警察庁|ストーカー規制法が改正されました!

2026年3月10日から始まった新ルール

2026年3月10日からは、被害者に関する情報が加害のおそれのある相手へ渡るのを防ぐ仕組みが強化されました。

具体的には次の内容になります。

  • 警察本部長等は、ストーカー行為等の相手方に係る情報を提供するおそれがある者に対し、情報提供先がストーカー行為等をするおそれがある者であることを通知して、情報提供を行わないよう求めることができる

(引用:警察庁|ストーカー規制法が改正されました!<同上>)

つまり、住所や連絡先、SNSアカウントなどの情報が相手に渡る前の段階で、警察が止めるために動きやすくなったといえます。

AirTagやGPSを使った浮気調査はどこから違法?

家事をしながら男性を疑う女性

違法かどうかを見分けるポイントは、機器の名前よりも、

  • 相手の承諾なく位置情報を取っているか
  • 相手の持ち物や車に勝手に取り付けているか

にあります。

例えば、鞄にひそかに紛失防止タグを入れる行為や、自動車にひそかに取り付ける行為が該当します。

相手の持ち物や車にAirTagやGPSを仕掛ける行為

バッグにAirTagを入れる、車にGPSを取り付けるといった行為は、相手の承諾がないまま位置情報を把握するための準備行為そのものとして問題になります。

実際には、自覚のないまま加害行為に踏み込んでしまう人は少なくありません。

memo

例えば、

  • 帰宅時間が急に遅くなった
  • 休日の予定を教えてくれなくなった
  • スマートフォンを見せなくなった

といった変化から、浮気を疑って居場所を確認したくなることがあります。

少し行動を確かめたい、夫婦なのだから現在地を把握しても大丈夫と、バッグにAirTagを入れたり、車にGPSを仕掛けたりする行為は、違法と判断されるおそれがあるでしょう。

アプリで相手の現在地を確認し続ける行為

スマホを操作するエプロン姿の女性

機器を取り付けるだけでなく、アプリで位置情報を見続ける行為も違法のおそれがあります。

ストーカー規制法では、特定の感情を満たす目的で、GPS機器等や紛失防止タグの位置情報を承諾なく取得する行為等を、位置情報無承諾取得等として新たに規定しています。

また警視庁では、同一の者に対して「つきまとい等又は位置情報無承諾取得等」を反復して行うことを「ストーカー行為」と説明しています。

つまり、浮気を確かめたい、どこにいるか把握したいという理由で、アプリを使って相手の現在地を継続的に確認する行為も、状況次第では違法となるおそれがあるでしょう。

また、相手の行動を把握したいという気持ちが強くなると、位置情報の確認だけでなく、SNSの投稿を執ように追うなど、ネット上の監視や接触へ発展することもあります。

ネットを使った違法行為や対処法については、こちらの記事もあわせてご覧ください。

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AirTagやGPSを使う前に知っておきたい注意点

玄関で夫を送り出す妻

AirTagやGPSは、使い方によっては相手を安心して見守るための道具ではなく、相手に強い不安を与える手段になってしまいます。

Point

問題になるかどうかは、夫婦や家族であること、自分名義の持ち物であることだけで決まるわけではありません。

大切なのは、相手の承諾があるか、自分本位な使い方になっていないかという点です。

心配や見守りのつもりでも無断で位置情報を取らない

帰宅が遅い、連絡がつかない、体調が心配といった事情があると、相手の居場所を確認したくなることもあるでしょう。

しかし、心配しているつもりでも、相手の承諾なく位置情報を取れば、相手にとっては監視されているのと変わりません。

相手との関係性や理由にかかわらず、まず優先すべきなのは承諾の有無です。

見守りのつもりであっても、自分の判断だけで位置情報を取得しないよう注意しましょう。

家族間や共有物でも自由に使ってよいとは限らない

自分名義の車だから、家族で共有している持ち物だからという理由だけで、自由にAirTagやGPSを使ってよいとはいえません。

形式上は自分の物であっても、実際には相手が日常的に使っている車やバッグに機器を入れれば、相手の行動を把握できる状態になってしまいます。

特に、家族間や同居中は、相手の生活圏や行動パターンを把握しやすいため、本人に確認しないまま機器を使うとトラブルになりやすいです。

共有物であっても、相手の行動確認のために無断で使うのは避けましょう。

安心したい気持ちから確認を続けすぎない

頬杖をついて悩む女性

最初は一度だけ確認するつもりでも、相手が今どこにいるのかを見始めると、何度も確認したくなることがあります。

check!

しかし、その行動が続けば、見守りや確認ではなく追跡に近づいてしまいます

少しでも不安があるときは、自分で機器を使って確認を重ねるのではなく、まずは別の方法で状況を確認できないかを考えることが大切です。

必要がある場合でも、自分の判断だけで追跡するのではなく、相手の明確な承諾がある連絡方法にとどめましょう。

なお、ストーカー行為による逮捕や刑罰について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

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ストーカー規制法の改正を軽く見ないことが大切

今回の改正によって、AirTagなどの紛失防止タグを使った無断追跡や位置情報の取得は、これまで以上に問題になりやすくなりました。

浮気調査や見守りのつもりでも、相手の承諾がないまま位置情報を追えば、ストーカー規制法の問題に発展するおそれがあります。

すでにAirTagやGPSを仕掛けてしまった、相手から警告を受けた、警察沙汰になる前に対応を考えたいという場合は、できるだけ早く弁護士への相談を検討してください。

早い段階で弁護士に相談すれば、何が違法になり得るのか、今後どのように対応すべきか等、的確なアドバイスがもらえるでしょう。

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