釈放・保釈

川越で逮捕~起訴されたら?必要な対応と保釈請求について

2018年10月19日

川越で逮捕されて警察署に連行されてしまった…。誰しもそんな事態には陥りたくないものです。

しかし過失で重大な交通事故を起こしてしまったり、ついかっとなって相手に怪我をさせてしまったりなど、予想もしなかった事件を自ら引き起こしてしまう可能性はゼロではありません。

あるいは、大切な家族が事件を起こしてしまい、川越警察署から連絡が来るという可能性もあります。

そんなとき、自分や家族の状況を不利にしないために、逮捕後のプロセスや被疑者の権利について知っておき、必要に応じて弁護士による保釈請求などの対応をとる必要があります。

川越での逮捕後のプロセスと弁護士への連絡・保釈について

自分や家族が逮捕されて川越警察署に連行された場合、警察はまず簡単な取調べによって、留置の必要があるかどうかを判断します。

「留置」とは犯罪をした疑いのある者(被疑者)の取調べのために、一時的に警察署内に収容することいいます。

その期間は、以下のように刑事訴訟法によって48時間以内と決められており、警察はその間に、被疑者の犯罪を立証する証拠とともに検察に送検しなければなりません。

刑事訴訟法203条:(警察は)~中略~留置の必要があると思料するときは被疑者が身体を拘束された時から四十八時間以内に書類及び証拠物とともにこれを検察官に送致する手続をしなければならない。

その後、刑事事件のプロセスにしたがって検察の捜査、勾留、起訴…と進んでいきますが、段階が進むごとに被疑者は不利になってしまいます

そのため、逮捕されたら早めに弁護士に連絡して来てもらうのがベストです。

ただし、起訴されたとしても保釈請求により身柄を開放できる可能性もあります。保釈と保釈請求については後述します。

48時間を超えると釈放しなければならない

警察は被疑者を逮捕した場合に取調べを行うための時間が限られています。

もしその期間を超えてしまった場合には、たとえ捜査の途中でも被疑者を釈放しなければならないと決められています。

ドキュメンタリー番組などで、被疑者を逮捕した際に警察官が時刻を言うシーンを見たことのある人も多いでしょう。あれは48時間の基点になる時刻を明言しているわけです。

ただし、上述の刑事訴訟法の203条に『留置の必要があると思料するときは』とあるように、留置の必要なしと判断された場合は、最長でも48時間以内に釈放されることになります。

「思料」とは難しい表現ですが、要は警察が「留置の必要がないと判断した場合は」ということです。

すぐに釈放されるケースは?

長時間留置されることなく釈放されるケースとしては、万引きや軽い傷害などで、被疑者が素直に罪を認めている場合が挙げられます。

これを微罪処分といい、本人が罪を自供していて、逃亡をはかったり犯罪の証拠を隠滅する可能性が低いと判断された場合に適用されます。

つまり、それ以上捜査の必要がなく罪の程度も軽い場合には、留置の必要なしと判断されて帰宅が許されるわけです。

たとえば泥酔状態で喧嘩をして逮捕された人が「警察でお説教されて帰ってきた」という話を聞くことがありますが、あれは微罪処分を受けたということです。

逆に犯罪の程度が重い場合や、証拠隠滅のおそれがあると判断された場合は、犯罪を立証する書類や証拠とともに検察に送検され、その後の捜査は検察官の手に渡ります。

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勾留から起訴・保釈と弁護士への連絡

警察から送検を受けた検察は、24時間以内に取調べを終了させる必要があるとされています。

その間に検察官は、被疑者が本当に罪を犯して処罰する必要があるのか、起訴して有罪とすべきかを決め、最終的に被疑者を起訴するのか、それとも不起訴で釈放するのかを判断します。

ただし、多くの場合、検察の捜査が24時間で終了することはなく、検察官は以下のように刑事訴訟法205条に基づいて裁判所に被疑者の勾留を請求することになります。

刑事訴訟法205条1項:検察官は~留置の必要があると思料するときは被疑者を受け取った時から二十四時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求しなければならない。

勾留とは?

「勾留」とは取調べのために被疑者を刑事施設に収監することをいい、実際に被疑者を勾留するには、検察官は裁判官に対し請求を行って許可を受ける必要があります。

つまり、警察による逮捕後48時間以内に送検され、さらに検察によって24時間以内に勾留の請求がされるため、合計で72時間以内に被疑者の大方の処遇が決まることになるわけです。

この期間に検察官が起訴する必要なしと判断するか、勾留の必要がないと判断し略式起訴処分となれば、被疑者はそれ以上拘束されることなく開放されます。

逆に裁判所に勾留が妥当だと判断されれば、最長で20日もの間、刑事施設に身柄を拘束されることになります。

勾留期間は最長で20日間

検察が勾留を請求し裁判所がそれを許可すれば、被疑者は原則として10日間、刑事施設に収監されてしまいます。

それどころか、取調べや捜査が長引いた場合は、さらに10日間の勾留延長が可能になっています。つまり最長で20日間もの間、身柄を拘束されることになるわけです。

勾留自体は刑罰ではなく、あくまでも身柄を釈放した際に逃亡や犯罪の証拠隠滅をはかるおそれがあるため、それを防止する処置という位置付けです。

しかし、被疑者にとっては長期間拘束されることに変わりはなく、社会的なダメージは決して小さくありません。

特に会社勤めをしている人の場合などは、それが原因で職場を解雇されてしまう可能性も十分考えられます。

起訴されるとどうなるか?

さらに検察によって起訴された場合、被疑者は被告人と呼ばれるようになり、最終的には刑事裁判を受けることになります。

基本的に刑事裁判は2ヶ月以上もの長い時間がかかり、起訴後にさらに勾留された場合(起訴勾留)、被告人は裁判の判決が終わるまで身体の拘束が続くことになります。

そのうえ、懲役の実刑判決を受けた場合は、そのまま社会に戻ることなく刑務所で過ごさなければなりません。

そうなると何年にもわたって社会に戻れず、釈放後も社会復帰が難しくなってしまいます。これは被告人にとっても、その家族にとっても何としても避けたいことでしょう。

そういった事態を回避するための制度として保釈があり、起訴された後でも身柄の拘束を解ける場合があります

しかし絶対に保釈が許されるとは限りませんから、以下で説明するように、まず弁護士と相談して然るべき対応をする必要があります。

川越の弁護士に取調べの対応や保釈について相談する

逮捕されてしまったときに最も重要なのは、できるだけ早い時点で弁護士に連絡をして来てもらうことです

これが被疑者やその家族にとって唯一の正しい対応といえます。

弁護士は被疑者から事件の状況を聞いたうえで、法律に基づいた被疑者の正当な権利を主張してくれます。

万引きなどの微罪処分の場合でも、相手方と示談するなどの適切な対応をとってくれますから、何か事件に巻き込まれたら早い段階で弁護士に相談するのがベストです。

特に川越で逮捕されてしまった場合、そのほとんどは川越警察署で取調べが行われるため、川越警察署にすぐ来てくれる弁護士事務所の連絡先を知っておきましょう。

弁護士だけは被疑者に面会ができる

弁護士は逮捕されて精神的に追い詰められている被疑者の強い味方になってくれます。

本来、被疑者は起訴されて判決が確定するまでは無罪として扱われる「推定無罪」が原則です。

しかし、実際の警察の取調べは推定無罪というよりも、むしろ被疑者が有罪であることを前提に行われているのが実態です。

そのため時間を掛けて取調べを行い、被疑者が根負けして自白するように促すことが多く、社会的に問題となるケースがしばしばあります。

そういった被疑者にとって著しく不利な状態を助けてくれるのが弁護士で、家族が面会できない逮捕後72時間の間でも、弁護士ならば被疑者に面会して話を聞くことができます。

これによって、被疑者を精神的に安定させることができ、被疑者に不利な態度をとらないように促したり、適切な主張をできるようにアドバイスしてくれます。

さらに後述しますが、起訴されてしまった場合でも弁護士のアドバイスのもとで保釈請求をすることも可能です。

勾留を回避できる可能性も

また、弁護士にしっかり相談すれば、裁判所の勾留許可に対して不服を申し立てたり、勾留自体の取り消しを求めることもできます。

つまり「○○の理由で、この被疑者は勾留する必要はない」という主張を法的な根拠に基づいて整然としてくれるわけです。

このあたりは法律の知識がなければ事実上不可能で、被疑者本人が行っても無駄に終わってしまうことが多いですから、担当の弁護士とよく相談して適切な対応をとるようにしましょう。

勾留を回避するためには素早く適切な対応が必要です。万が一のために、すぐ弁護士に連絡できる体制にしておきましょう。

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起訴されても弁護士の協力で保釈請求ができる

上述のように、残念ながら起訴されてしまった場合でも、被告人は生活上の不利益を回避するためにできることがあります。それが保釈請求です。

起訴後に第一審の判決が出るまで被告人の身柄を開放することを「保釈」といい、裁判終了後に戻ってくる保釈金を支払うことで、長期間の身体的拘束を回避できます

刑事裁判は数ヶ月~1年以上も続くことがあるため、その間ずっと刑事施設に拘束された状態では、当然、被告人への社会的ダメージは大きくなります。

裁判の結果、たとえ実刑を免れたとしても、その期間の影響によって社会復帰が難しくなる場合は少なくないのです。

そういった状況を避けるために設けられているのが保釈制度で、刑事訴訟法には、被告人が長期間の拘束によって被る不利益を考慮し、裁判所は保釈を許すかどうか決めると定められています。

刑事訴訟法90条:裁判所は、保釈された場合に被告人が逃亡し又は罪証を隠滅するおそれの程度のほか、身体の拘束の継続により被告人が受ける~中略~不利益の程度その他の事情を考慮し、適当と認めるときは、職権で保釈を許すことができる。

弁護士なら保釈請求もサポートしてくれる

基本的に、刑事事件の手続きの多くは被疑者(被告人)本人にも可能であり、保釈請求もその例外ではありません。

しかし、その申請には特別な手続きが必要となるため、被告人本人やその家族では対応が難しかったり、そもそも方法がわからないというケースは少なくありません

弁護士はそういった一般の人には難しい保釈手続きのサポートをしてくれる存在でもあり、裁判所に受け入れられやすい請求書の書き方や保釈金の集め方などもアドバイスしてくれます。

これによって、被告人の身柄を刑事施設から開放できる可能性が上がります。

ほとんどの人は保釈手続きに必要な書類や書き方についてわかりませんから、無理に自分達で請求しようとせずに、まずは弁護士に相談するようにしましょう。

保釈金の相場は?

保釈金の額は被告人の経済状況によって裁判所が決定するため、具体的な金額を予測することは簡単ではありませんが、大体の相場は150万円~200万円程度といわれています。

保釈金は被告人が裁判から逃亡しないための保証金のような位置づけですから、被告人が「戻ってこなければ困ってしまう」程度の金額に設定されます。

そのため、人によっては保釈金を準備するのが困難なケースがあり、被告人本人が勾留されている状態で集めることが難しいケースは少なくありません。

弁護士はそういった保釈金集めの相談にも乗ってくれるので、被告人自身が手探りで保釈請求をするよりも、まず弁護士に相談してみる方がよい結果につながりやすくなります。

保釈で得られるメリットは

保釈を受けるメリットとしては、長期間の勾留を避けて職場への社会復帰をはかりやすくなる点や、被害者との示談などに必要な準備ができる点が挙げられます。

特に被告人の精神が安定するメリットは大きく、長期間刑事施設で過ごす状態に比べて、今後について考える余裕が生まれるため、人生のモチベーションにもつながります。

何より自宅でこれまで通り過ごせるというのは、精神面で大きな支えとなることは間違いありません。

保釈によってそれまでの仕事を続けられるケースもあるため、社会と隔絶されずに過ごせる場合もあります。

また、その後に控える裁判の準備を入念にできる点も大きいです。

被害者にしっかり弁償ができていれば、その後の裁判で有利に働くケースは少なくありません。そのあたりも弁護士と相談してしっかりと対策を練ることが重要です。

逮捕後の対応や保釈請求は川越の弁護士に相談しよう

このように、逮捕された被疑者が不利な扱いを受けないようにするには、いずれのプロセスにおいても弁護士に協力してもらうことが重要となります。

特に逮捕されて取調べを受けている間は、たとえ家族であっても被疑者と面会することはほとんど不可能ですから、すぐに対応してくれる弁護士に連絡をとりましょう。

また、たとえ起訴にまで至ってしまった場合でも、正しい手続きで保釈請求を行えば長期間の拘束を回避できる可能性もあります。

大切な人が不当な扱いを受けないように、素早く弁護士にコンタクトをとるようにしてください。

川越市の場合は、川越警察署にすぐに出向いてくれる弁護士事務所を押さえておくとよいでしょう。

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