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川越で迷惑防止条例違反?逮捕されたらすぐ弁護士に相談を!

2019年1月10日

だめマーク

近年、痴漢や客引きなどの迷惑防止条例違反で逮捕されるという事案が増加しており、埼玉県でも問題となっています。

たとえば、2017年2月、川越市の東武東上線川越駅のビルで30代の女性に痴漢行為をしたとして、県迷惑行為防止条例違反容疑で男性消防士長が現行犯逮捕されました。

こういった事件は全国で発生しており、川越市でも同じような事案で逮捕されてしまう人が一定数います。

当然、痴漢行為などの迷惑行為を行ったのであれば、逮捕されて罪を償う必要がありますが、期せずしてこういった事件に巻き込まれないとも限らず、場合によっては冤罪で逮捕されてしまう可能性もゼロではありません。

もし、大切な家族がそのような目に遭ってしまったら…そう不安になる人もいるでしょう。
そこで本記事では、痴漢などの迷惑防止条例違反で逮捕されてしまった際の適切な対応について解説していきます。

迷惑防止条例違反で逮捕されたらどうなるか?

パトカーと手錠

まず、迷惑防止条例違反で逮捕されてしまったらどうなるのでしょうか?

川越で逮捕されてしまった場合、その多くが川越警察署に連れて行かれ、そこで最長48時間にわたる取調べを受けることになります。

この期間は刑事訴訟法で明確に定められているため、警察は何としてもこの間に被疑者から事件に関する重要な情報や自白を引き出そうとするため、時に厳しい取調べが行われるケースも散見されます。

ただ、迷惑防止条例違反の場合、微罪処分として扱われ、警察署で注意を受けてそのまま釈放されるケースもあります。

本来、逮捕された被疑者は警察署で最長48時間の取調べを受けた後、検察庁に身柄を送致されて、さらに24時間の検察官の取調べを受けることになり、その後多くの場合は、検察官の判断で、留置場等への勾留請求がされるか、釈放されるかが決められます。

ただ、微罪処分の場合、被疑者を検察に送致することなく警察の段階で刑事手続きを終わらせることになります。

たとえば喧嘩や万引きなど、比較的罪の度合いが軽い事件をはじめ、騒音行為や駐車場所の占拠などの迷惑防止条例違反の場合でも微罪処分となるケースがあります。

警察署で注意を受けるだけで釈放されるといっても、決して許される行為というわけではなく、検察がより重大な犯罪についてしっかりと取調べを行うための時間を確保するためという意味合いが大きいです。

軽い犯罪でも逐一検察に送致していると、ただでさえ様々な事件の取調べに忙しい検察官が、優先して取り調べるべき重大事件の捜査に割く時間がなくなってしまうからです。

痴漢行為は厳罰化される傾向にある

しかし迷惑行為のなかでも、特に痴漢行為に関しては近年厳罰化の傾向が強く、正規の刑事手続きを経て厳正に処分されるケースが増えており、検察に送致されて起訴される可能性も十分あります。

初犯で反省の色を強く示しており、被害者もそこまで問題視していないといった場合は微罪処分となる可能性もゼロではありませんが、多くの場合、検察の取調べによって勾留請求・起訴される可能性が高いといえます。

勾留とは検察官の24時間の取調べの後、さらに捜査が必要と思われる場合に被疑者を留置場等に拘束することをいい、その期間は原則で10日間、最長で20日間と決められています。

検察官が勾留請求をし、裁判官が認めた場合に勾留決定がなされます。

このあたりの流れは以下の記事で詳しく説明されていますので、ぜひこちらも参考にしてください。

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いずれにしても、取調べ期間の合計72時間に加え、最長で20日もの間、身体的拘束を受けるとなると社会的なダメージは非常に大きくなってしまいます。

そのため、できるだけ不利な状況にならないように、逮捕されてしまったらすぐに弁護士に連絡して適切な対応をとってもらう必要があります。

迷惑防止条例ってどういうもの?

迷惑防止条例で逮捕された場合の適切な対応について知るためには、迷惑防止条例とはどういうもので、どういう罰則が科される可能性があるのかも知っておく必要があります。

迷惑防止条例とは、公衆に著しく迷惑をかける暴力行為や不良行為などを防止するために設けられた条例で、これによって地域住民の平穏な生活を保持する目的があります。

「法律」ではなく「条例」ですから、各都道府県が独自に設定するもので、埼玉県でも以下のように迷惑防止条例が設定されています。

『埼玉県迷惑行為防止条例第1条:この条例は、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等を防止し、もつて県民生活の平穏を保持することを目的とする。』

多くの人にとって身近に起こりうる犯罪ではあるものの、傷害や窃盗、あるいは殺人といった犯罪と違ってあまり知られていないのが現状ですから、この機会に理解しておきましょう。

どういう行為が迷惑行為とされるのか?

どのような行為が「迷惑行為」にあたるかといえば、たとえば電車などの公衆が出入りする場所で他人にいいがかりをつけたり、恫喝したりといった粗暴な行為や、異性の身体に直接あるいは衣服の上から触れるといった痴漢行為が挙げられます。

『埼玉県迷惑行為防止条例第2条1項:何人も~(中略)~公衆が利用することができる乗物において、多数でうろつき、又はたむろして、通行人、入場者、乗客等の公衆に対し、いいがかりをつけ、すごむ等の不安又は迷惑を覚えさせるような言動をしてはならない。』

『埼玉県迷惑行為防止条例第2条4項:何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人に対し、身体に直接若しくは衣服の上から触れ、衣服で隠されている下着等を無断で撮影する等人を著しく羞しゆう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない。』

4項における痴漢や盗撮といった行為は特に社会的問題とされており、川越でも一定数の逮捕者が出ています。

他にも過度な客引きや相手の自宅を訪れて「押し売り」行為を行うなどが迷惑行為として処罰の対象となると規定されています。

迷惑防止条例制定の背景

迷惑防止条例はかつて「ぐれん隊防止条例」と呼称され、当時社会的な問題となっていた愚連隊による粗暴な行為を防止することを目的の中心としていました。

それが後に痴漢行為や盗撮、のぞき、つきまとい、ダフ屋行為や客引き行為といった公衆に迷惑をかける行為に関する条文が追加されるかたちで拡大され、現在の迷惑防止条例となりました。

細かい内容は各都道府県ごとに違っていますが、大筋ではこのような行為を禁止し、地域住民が安全かつ快適に日常生活を送れるようにするためのものであることは間違いありません。

特に痴漢行為に関しては、近年、マスコミなどに注目され社会問題化していることもあって注目されており、事件のニュースなどでも痴漢や盗撮といった異性に迷惑行為を行う事案について報じられることが多くなっています。

事実、電車などの交通機関では、毎年2,000件以上もの痴漢を含む迷惑行為が起こっているといわれており、これまで微罪事件として処理されていたものが、本格的な犯罪行為として刑事手続きを経て厳しく処罰されるようになりました。

迷惑行為の罰則は?

こういった迷惑行為の罰則についても同条例に規定されており、たとえば冒頭の事件のような痴漢行為の場合、罰則は『六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金』となっています。

『埼玉県迷惑行為防止条例第12条2項:次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

一 第二条第四項の規定に違反した者

二 第四条の規定に違反した者』

また、いわゆる「つきまとい」や不当な監視、執拗な電話やメールといった行為も迷惑行為とみなされ、罰則として『一年以下の懲役又は百万円以下の罰金』が科されるほか、痴漢やこれらの行為を常習的に行った場合は、さらに『二年以下(第十二条第二項の場合は一年以下)の懲役又は百万円以下の罰金』とさらに重い罰則が科されるようになります。

このように、一口に「条例違反」といっても、逮捕されて有罪となれば厳しい罰則が用意されていますので、決して軽く考えてはいけません。

迷惑防止条例違反で逮捕された場合の適切な対応は?

考える男性

それでは、万が一、迷惑防止条例違反として逮捕されてしまった際の適切な対応は何でしょうか?

上述のように、まず考えるべきことは弁護士に連絡を取って相談に乗ってもらうことです。これが事件に巻き込まれた際に最も不利にならない対応といえます。

弁護士に相談する最も大きなメリットは、警察や検察による取調べが行われている際にも被疑者と面会して法的なアドバイスができるところです。

勾留前の取調べの間は、たとえ家族であったとしても被疑者に面会して話を聞くことができず、通常は勾留されてからはじめて面会が許されるケースがほとんどです。

しかし事件によっては裁判所から接見禁止命令が出されることがあり、そうなると最長で20日間の勾留期間中も家族は被疑者に会うことができなくなってしまいます。

家族としては、すぐにでも被疑者本人に会って事件の状況について聞いたり、励ましたりしてあげたいものですが、食料の差し入れなどは許されるものの、接見禁止がついた場合は面会が許されないケースが多いです。

しかし、そんな状況でも弁護士だけは、いかなる状況であっても被疑者本人に面会し、話を聞いて適切な対応についてアドバイスができます。

弁護士ならば不当な取調べの抑止もできる

特に痴漢事件などの場合、はじめから男性の被疑者に対し、女性側の一方的な証言だけで厳しく取調べが行われるケースがあります。

事実、厳しい取調べが行われた結果、最終的に冤罪である可能性が濃厚となり、警察の取調べの方針が問題になった事件もあります。

残念ながら、こういった冤罪事件の場合でも、接見禁止命令が付されている場合、家族は取調べが終わるまでは一切面会できないことがほとんどで、非常に歯がゆい思いをすることは少なくありません。

しかし被疑者はいかなる状況であっても任意のタイミングで弁護士を選任する権利が認められています。

『刑事訴訟法第30条:被告人又は被疑者は、何時でも弁護人を選任することができる。』

弁護士ならば取調べが行われている警察署に出向いて弁護活動を行うことができるため、もし不当な取調べが行われているならば、それに抗議することができます。

厳しい取調べが長い時間行われると、被疑者は精神的に追い詰められてしまい、やってもいない犯罪について自白させられる可能性もありますから、逮捕されてしまった場合は、すぐに弁護士に連絡して来てもらうのがベストです。

素早い弁護活動によって不起訴になるケースも

弁護士による弁護活動は、早ければ早いほど効果が大きいです。

被疑者(被告人)としても、逮捕されてすぐに弁護士からアドバイスをもらえるため、その後の取調べに対しても適切な対応ができ、警察官や検察官に誘導されて不利な証言や自白をしてしまうリスクを減らせるほか、全くの孤独な状態に比べて落ち着いて受け答えができるようにもなります。

事実、迷惑防止条例違反で逮捕されたものの、早めの弁護活動によって不起訴を免れたり、裁判で無罪を勝ち取ったケースもあります。

たとえば、川越市でも過度な客引きの疑いで埼玉県警に逮捕された大学生が弁護士による弁護活動のおかげで、最終的に裁判官に「つきまとった距離や執拗性に犯罪の証明がない」と認められて無罪となった事件があります。

出典:無罪判決 客引きの大学生 さいたま簡裁、捜査手法を批判(毎日新聞)

この事件は、客になりすました警察の捜査官に執拗な客引きを行ったとして店員が逮捕されてしまった事案ですが、明確な証拠がないにもかかわらず逮捕した可能性が高いとして、警察側の捜査手法が批判される結果となったのです。

このように、一方的に迷惑行為とみなされて逮捕されてしまう可能性もありますから、早期に弁護士をつけて対策することで、少しでも不利な立場にならないようにすることが重要です。

迷惑防止条例違反で逮捕されたら、すぐに弁護士に連絡を

各都道府県で独自に制定されている迷惑防止条例の概要と、迷惑防止条例違反で逮捕された場合の適切な対応について説明してきました。

迷惑防止条例違反とみなされる行為は様々です。微罪処分で済むケースもありますが、痴漢や盗撮などは重大な犯罪として厳しく処罰されることも少なくありません。

そういった行為に手を染めないのは当然としても、万が一、そういった事件に巻き込まれてしまったら、できるだけ早く弁護士に連絡をとり、弁護活動をしてもらいましょう。

特に痴漢冤罪などの場合は、自分だけで何とかしようとせずに、その場ですぐに弁護士を呼ぶことを徹底してください。結果的にそれが最良の対応となります。

川越で逮捕された場合は、主に取調べが行われる川越警察署に来てくれる弁護士の連絡先を知っておくことをおすすめします。

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