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【民泊オーナー必見】トラブル事例5選と法律的なリスクを完全解説!

民泊トラブル_イメージ

民泊では、どんなトラブルが発生する?

トラブルが発生した場合、どう対処すればいい?

民泊に興味を持つ方々の多くは、このような疑問があると思います。

本記事では、

  • 民泊で発生することの多い5つのトラブル事例
  • トラブルに対する具体的な対策

について取り上げました。

トラブルが発生するリスクを抑えるために、是非ご一読ください。

民泊のトラブル事例5選!

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ここでは、民泊に関するトラブル事例を5つ紹介します。

関係する法律や条例、対策について見ていきましょう。

夜間の騒音トラブル

民泊でよく発生するトラブルの一つが、夜間の騒音トラブルです。

例えば、マンションやアパートなどの集合住宅で、民泊利用者が深夜にパーティーを開き、近隣住民から警察に通報されたケースがあります。

多くの自治体では、夜間の騒音について条例で規制されています

場合によっては、オーナーが自治体から行政指導を受けたり、罰則の対象となったりする可能性もあるため注意しましょう。

夜間の騒音トラブルには、次のような対策が考えられます。

  • 騒音に関する注意喚起を行う
  • トラブルに備えて、警察管理組合と連携する
  • 使用する部屋に、防音対策を施す

騒音トラブルでは、オーナーとしての管理責任を果たすことが大切です。

人数や時間の虚偽申告

民泊利用者の中には、予約時に申告した人数や滞在時間を偽る人がいます。

例えば、予約時には2名と申告したのに、実際には4名が宿泊していたり、チェックアウト時間を大幅に過ぎて滞在し続けるようなケースです。

虚偽申告は契約違反となるため、民泊利用者に対して、損害賠償請求(民法第415条)が可能です。

ただし、損害賠償請求を行うためには、一定の費用と労力が必要です。

  • 規約に違反した場合のペナルティを設定する
  • 防犯カメラを設置し、異常が発生した場合は迅速に対応可能にする

などの対策を行い、できる限り未然に防止しましょう。

備品の破損や盗難

利用者による備品の破損や盗難も、民泊で発生しやすいトラブルです。

例えば、高価な家電が壊されたり、装飾品が持ち去られたりするケースです。

修理や買い替え費用が発生すると、民泊オーナーにとって大きな負担となります。

次のような対策を行うと良いでしょう。

  • 事前に保証金を預かる
  • 損害が発生した場合に備えて、保険に加入しておく
  • 物品に管理シールを貼るなど、損害発生時に迅速に対応できるよう準備する

備品の破損や盗難は、刑法上の「器物損壊罪」「窃盗罪」にあたる可能性もあります。

金額が大きい場合は、被害届の提出も検討しましょう。

文化の違いによるルール違反

文化の違いから生じるルール違反も、民泊で頻繁に起こるトラブルです。

  • 靴を脱がずに部屋に入る
  • ゴミの分別をしない

など、日本のルールに反する外国人客は珍しくありません。

特にゴミの分別については、各自治体の条例に従う必要があります。

違反が続くと、行政指導や罰則の対象となる可能性もあるので注意しましょう。

  • チェックイン時に口頭で注意喚起を行う
  • ゴミの分別など重要なポイントについては、多言語での表示や図解、看板などで説明する

といった対策が必要です。

料金の説明不足

料金に関する説明が不足していることで、利用者とトラブルになるケースもあります。

清掃費用が提示されていなかったり、キャンセル料が不明確だったりすることが原因で、民泊利用者が支払いを拒否するようなケースです。

料金の明示は、特定商取引法消費者契約法によって義務付けられています。

  • 予約時に料金の詳細を明確に提示する
  • 追加料金キャンセル料についても具体的に説明する
  • 多言語での表示を実施する

など、料金体系は可能な限り分かりやすく表示しましょう。

民泊のトラブルが訴訟に発展するケースも

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民泊のトラブルが、実際に訴訟に発展したケースもあります。

ここでは、「東京地裁平成31年4月25日判決」を紹介します。

住居として借りていたアパートで、民泊を開始したことが原因で、賃貸借契約の解除が認められた事例です。

原告と被告の関係

  • 原告=物件(アパート)の貸主
  • 被告=民泊のオーナー(物件の借主)

事案の概要

被告(借主)は、平成27年頃から、民泊利用禁止のアパートで民泊事業を行っていました。民泊利用者とアパート住人の間では、トラブルが頻発していたため、原告(貸主)に苦情が寄せられてしまいます。

原告(貸主)は、被告に対して、民泊利用していないかを何度も問いただしましたが、被告はこれを認めませんでした。

平成28年11月、原告(貸主)は被告(借主)に対して、「目的外使用(民泊)」や「他の賃借人に対する迷惑行為」を理由として、賃貸借契約を終了する通知を出します。

これに対して、被告(借主)は既に民泊は中止しているとして賃貸借契約の継続を主張。最終的に民事裁判に発展してしまいました。

裁判所の判断

裁判所は、原告(貸主)の請求を認容。

用途違反による建物の明け渡しが認められました。

民泊利用が許可されていないアパートで民泊事業を開始し、トラブルに発展するケースは、実務上も珍しくありません。

場合によっては、建物の明け渡しだけでなく、損害賠償に発展する可能性もあります。

民泊を開始する前に、民泊利用が許可されているかの確認は、必ず行いましょう。

民泊のオーナーが注意すべきポイントは?

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ここまで民泊のトラブル事例について説明しました。

これらの事例を踏まえて、民泊オーナーが特に注意すべきポイントは、次の3つです。

法令や管理規約を確認する

民泊事業を始める前に、必ず住宅宿泊事業法(民泊新法)地域の条例を確認しましょう。

また、マンションやアパートで民泊を行う場合は、管理規約で禁止されていないかも必ず確認が必要です。

裁判例からも分かるように、規約違反は深刻な問題に発展します。

ルールについて、事前に説明を行う

騒音やゴミ問題など、多くのトラブルは事前の説明で防止できます。

チェックイン時に口頭で説明するだけでなく、多言語で表示したり、看板やガイドブックなどを活用して、分かりやすく伝えましょう。

また、緊急時の連絡先を明確にしておくことも必要です。

地域住民に対する配慮を行う

地域住民に対する配慮も忘れてはなりません。

日頃から、近隣住民とのコミュニケーションを大切にして、苦情には迅速に対応することが必要です。

地域の一員として信頼関係を築くことが、民泊運営を長く続けるコツだといえるでしょう。

まとめ

民泊事業は、魅力的なビジネスチャンスですが、様々なリスクも伴います。

本記事で紹介した5つのトラブル事例は、民泊オーナーが直面する可能性のある問題の一部に過ぎません。

これらのトラブルを防ぐためには、法令遵守・事前のルール説明、利用者とのコミュニケーション、地域社会との良好な関係づくりなどが必要です。

民泊に関する法律は、地域によって異なる場合も多く、非常に複雑です。

疑問が生じたり、トラブルが生じたりした場合は、速やかに弁護士のアドバイスを受けましょう。

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