川越では毎年数百件の事件が起きており、逮捕される人も後を絶たないのが現状です。
騒音やのぞきなどのいわゆる軽犯罪と呼ばれるものから、窃盗やひったくり・住居侵入などまで、様々な犯罪が発生しており、普通に生活していても何らかの犯罪に巻き込まれてしまう可能性があります。
被害者になってしまう可能性も当然ありますが、もし自分や大切な家族が事件の被疑者として逮捕されてしまった場合、何とかして前科がつかないようにしたい!と思うはずです。
刑事事件で前科をつけないためにもっとも重要なのは、検察官の取調べの結果、不起訴処分になることです。
不起訴になれば刑事裁判を受けることがありませんから、その時点で釈放となり平穏な日々を取り戻すことができます。
そこで今回は、逮捕されてしまった場合にできる限り不起訴になるために必要な対応について、刑事事件のプロセスや弁護士に相談するメリットとともに解説します。
起訴・不起訴とは何か?
そもそも起訴・不起訴とは何でしょうか?
起訴とは簡単にいえば、検察官が事件について裁判所の判断(審判)を求めることをいいます。
逆に、検察官が審判を求める必要がないと判断した場合は不起訴となります。
では、刑事事件全体のプロセスの中では起訴がどの位置に当たるのか、まずは逮捕後の流れをみていきましょう。
逮捕後の流れ
逮捕されるとまず警察署に連行されて取調べを受けることになります。
その期間は48時間と刑事訴訟法で明確に定められており、警察はその期間内に逮捕者を釈放するか、あるいは検察に送るかを判断することになります。
なお、逮捕された人は、検察官に起訴されるまでは「被疑者」と呼ばれ、起訴後は刑事裁判が終了するまで「被告人」と呼ばれるようになります。
このあたりの流れは以下の記事の通りですので、ぜひこちらを確認してください。
特に川越で何らかの事件に巻き込まれて逮捕されてしまった場合、そのほとんどは川越警察署に連行された後、検察(さいたま地方検察庁)に身柄を送られることになり、そこでさらに検察官による24時間の取調べの後、起訴されるか不起訴になるかが判断されます。
逮捕後の詳しいプロセスについては以下の記事でも説明していますので、こちらもぜひ参考にしてください。 ある日、突然警察から連絡が来て「貴方の息子さんが人を殴って怪我をさせてしまったので、こちらでお預かりしています」と言われたら、あなたはどうしますか? 親近者が傷害などの犯罪で警察に身柄を拘束されてしま ... 続きを見る
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起訴されるとどうなるか?
検察官による取調べの結果、起訴および不起訴の処分が決定します。
起訴された場合、事件は捜査段階から刑事裁判の手続きへと入り、裁判によって有罪か無罪かが決まります。
無罪になれば晴れて釈放されることになりますが、有罪になると懲役刑を含む犯罪に応じた刑罰が課されることになります。
検察官が起訴あるいは不起訴を判断するまでには最短でも3日以上かかるうえ、取調べのために被疑者を勾留すると決めた場合は最長で20日間も身柄を拘束されることになります。
勾留とは
取調べが終わるまでの間、被疑者の身柄を留置所に拘束する措置のこと。
検察官が裁判所に請求する形式になっている。
勾留は被疑者に逃亡や事件に関する証拠隠滅のおそれがある場合に行われますが、実際はほとんどの事件で勾留請求が出されています。
そして、起訴されるとさらに裁判が終わるまで身柄を拘束されることになりますから、社会的なダメージは非常に大きくなることは間違いありません。
一方、不起訴になればその時点で身柄が釈放されます。
逮捕によって日常生活にそれなりに支障は出るものの、起訴されて裁判にまで至るよりは社会的なダメージは小さくて済みます。
不起訴理由は嫌疑なし・嫌疑不十分・起訴猶予の3種類
検察官が被疑者を不起訴にする場合、以下の3つのいずれかに当てはまるかどうかで判断します。
これらに該当しなければ、犯罪の疑いがあるとして起訴されることになります。
嫌疑なし
事件の真犯人が見つかるなど、被疑者に対する疑いが完全に晴れた場合
嫌疑不十分
取調べの結果、犯罪の疑いが晴れたわけではないものの、犯罪を裏付ける証拠が不十分で、起訴後しても刑事裁判で有罪を証明するのが困難な場合
起訴猶予
刑事裁判で有罪にすることが可能な場合でも、事件や被疑者の状況や境遇、そして犯罪の軽微さなどによって、検察官があえて不起訴とした場合
たとえ逮捕されてしまっても、これらの3つのいずれかに該当すると検察官が判断すれば、不起訴となって刑事裁判を受けることはないため、前科はつきません。
起訴猶予になるケースがかなり多い
日本の刑事事件では起訴猶予となるケースが多いことが知られており、不起訴の9割以上が起訴猶予になっているのが現状です。
起訴・不起訴の判断は検察官の裁量にゆだねられているため、明確な基準はありませんが、起訴しない方が被疑者の社会復帰がスムーズに行くと検察官が考えた場合や、厳密に法に照らして考えれば有罪ではあるものの、処罰をしなくても社会秩序に悪影響を及ぼすわけではないケースでは、起訴猶予となることもあります。
たとえば、万引きや喧嘩の延長で怪我をさせてしまった、というような軽微な犯罪の場合、その一つひとつを裁判するとなると莫大なコストや時間がかかってしまい、検察が重大な事件の解決にあてる時間がなくなってしまいます。
そのため、検察官がわざわざ裁判をするまでもないと判断した事件については、起訴猶予として事件を終了させることも多いわけです。
また、嫌疑不十分より、検察官の裁量にある程度任されている「起訴猶予」とした方が処理がスムーズになる、という検察側の事情もあるようです。
起訴猶予の判断は、被疑者のその時点での境遇や生活状況はもちろん、被害者との関係なども考慮されます。
特に多くの事件では、被害者と示談が成立しているかどうかが重視されますから、起訴される前に被害者と示談交渉を行うことが重要です。
このように、殺人などの凶悪な事件は別として、逮捕されても不起訴となることは十分ありえます。
最終的に裁判で有罪になる可能性があるからといって諦めるのではなく、弁護士の協力のもとで不起訴処分を勝ち取る努力をしましょう。
不起訴にするために必要なこと
刑事事件のプロセスと起訴・不起訴について説明したところで、不起訴にするために必要なことについてみていきましょう。
逮捕されたらすぐに弁護士に相談する
逮捕された時点でやるべきことは、何をおいてもすぐに弁護士に連絡して弁護活動を行ってもらうことです。
弁護士に依頼するメリットは数多くありますが、まず警察や検察による取調べの期間中も、弁護士ならば自由に被疑者と面会してサポートができる点が挙げられます。
自分や家族が逮捕された経験のない人は知らないことが多いですが、逮捕後の警察による取調べの48時間と、検察に身柄を送られてから勾留が決まるまでの24時間は、たとえ被疑者の家族であっても面会ができません。
そのため、逮捕された家族の状況がわからずに不安になる人が非常に多いです。
ですが、弁護士は常に被疑者の弁護活動ができる権限をもっていますから、家族に代わって被疑者に面会して勇気付け、法的な視点から取調べでの振舞い方などをアドバイスしてくれます。
また、検察官に対して勾留しないように働きかけたり、勾留決定に異議申し立てを行うことができるなど、できるだけ早期に釈放してもらえるようにアプローチしてくれます。
もし弁護士への依頼方法がわからない方は、以下の記事で詳しく説明していますので、ぜひこちらもご覧ください。
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そして、不起訴にするために必要な活動も弁護士の協力のもとで行っていくことが重要となります。
以下で詳しく説明していきましょう。
容疑を認めない場合(無実を主張する場合)
疑いをかけられている犯罪事実を認めない場合、つまり無実で逮捕されてしまったケースでは、まず捜査機関(警察や検察)が挙げている証拠が不適切あるいは不十分であることを主張していくことになります。
刑事事件の証拠は、犯罪の事実を裏付ける物証や被害者・第三者の目撃証言などが代表例ですが、そのなかでもこちらの犯罪の証拠としては合理的でないものや、明らかに不自然なものなどに異議申し立てを行っていきます。
ただし、取調べでは被疑者の話は一切信用されず、まるで有罪が決まっているかのような態度で接してくる捜査官も少なくありません。
そのため、無実を訴えるにしても、まずは弁護士に相談して取調べの対応についてアドバイスを受け、必要な主張については弁護士を通して行ってもらうことが重要となります。
法律や刑事事件の知識のない被疑者自身が主張しても、逆に検察官の心証を悪くしてしまう可能性が高いですから、必要な主張は弁護士に任せて黙秘を貫くことも必要です。
このあたりの対応については以下の記事で詳しく説明していますので、ぜひこちらをご確認ください。
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容疑を認める場合
実際に疑いをかけられている犯罪行為をしてしまっている場合、さきに説明した起訴猶予が認められるように努力することになりますが、そのためのもっとも大きな要因として、被害者側との示談の成立があります。
示談とは
事件の当事者同士が合意によって事件を解決すること。
法律的には「和解」の意味がある。
傷害や自動車事故などによって被害者に怪我を負わせてしまった事件の場合は、示談交渉で損賠賠償金額やその支払い方法を決めることで事件の当事者同士の争いの解決をはかります。
特に検察官が被疑者を起訴するのに被害者の告訴が必要な親告罪の場合、起訴前に被害者と示談が成立し、被害者が告訴を取り下げてくれれば起訴されることはありません。
たとえば、侮辱罪や名誉毀損罪、器物損壊罪や強制わいせつ罪などは代表的な親告罪ですが、被害者との早めの示談を成立させることができれば、不起訴処分になる可能性が大きく高まります。
また、親告罪以外の場合でも、示談の成立は被害者側が被疑者をある程度「許している」ことの証明となりますから、検察官が起訴猶予判断をするうえで重要な要素となります。
したがって、どのような事件でも、可能な限り被害者側と示談を成立させることが、不起訴処分を勝ち取るうえで大事なのです。
示談交渉は弁護士に任せよう
ただし、被疑者自身が被害者に対して直接示談をもちかけたとしても、感情のもつれから話し合いを拒否されてしまう可能性が高いです。
そのため、これも弁護士に相談して代わりに交渉してもらうことが重要となります。
弁護士ならば、類似した事件から適正な示談金額を導き出してくれるため、被疑者側が被害者側に気を遣って不当に高い金額で合意してしまうのを防ぐことができ、場合によっては慰謝料を減額できるケースもあります。
一度示談が成立してしまうと、後から合意内容の変更などはできないのが原則となっていますから、後から後悔しないように示談交渉は弁護士に任せることをおすすめします。
示談について詳しくは、以下の記事で扱っていますので、ぜひこちらもご覧ください。
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不起訴にするには弁護士の協力が不可欠
自分や家族が逮捕されてしまった際に、何とか不起訴処分を勝ち取るためのポイントについて解説してきました。
起訴されると刑事裁判を受けなければならず、判決が出るまでに数ヶ月から1年以上かかってしまうこともあるため、どうしても日常生活に大きな負担が掛かってしまうことになります。また、仕事や家庭にも悪い影響が出てしまうことは間違いないでしょう。
しかし、不起訴処分となれば裁判を受けることなくすぐに釈放となり、前科もつきませんから、逮捕こそされたものの被疑者にとってはこの上ない結果となります。
そのためには逮捕された時点ですぐに弁護士に相談し、適切な弁護活動を行ってもらうことが重要です。
特に逮捕されてすぐの行動が起訴・不起訴を分ける重要なポイントとなりますから、ぜひ早めに弁護士に連絡して来てもらうようにしてください。
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