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風俗に通う夫と離婚できる?できない?離婚したい場合にやるべきこととは

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独り歩く女性

夫が風俗に通っていることが分かったら、妻としては嫌悪感を持ってしまうのも無理はありません。

自分以外の女性と身体の関係を持った以上、そんな夫と離婚したいと考える方も少なくないことでしょう。

ただ、風俗に行くことは特定の女性と不倫することとは違います。

風俗に行く男性としても「性欲を発散するだけだから浮気ではない」と考えている人が多いものです。

はたして、風俗に通う夫と離婚することはできるのでしょうか。

この記事では、夫の風俗通いを理由とした離婚が法的に認められるのかどうかを解説します。

併せて、夫の風俗通いが理由で離婚したい場合はどうすればいいのか、慰謝料はいくらくらいもらえるのかなどもご説明します。

夫の風俗通いでお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

風俗に通う夫と離婚することは可能

結論からいうと、すべてのケースというわけではありませんが、風俗に通う夫と離婚することは可能です。

まず、夫婦で話し合った上でお互いに離婚することに合意すれば離婚することができます。

既に夫婦関係が冷え切っているような場合は、ストレートに夫に離婚を切りだした方が早く離婚できることもあります。

しかし、夫が離婚に反対して話し合いがまとまらない場合は、法律上認められる離婚理由がなければ離婚することはできません。

慰謝料を請求する場合も、原則として夫が離婚理由を作ったことを証明する必要があります。

夫の風俗通いが該当する可能性がある離婚理由

法律上の離婚理由は、民法第770条1項に定められています。「離婚原因」とも呼ばれるものです。

5つ定められている離婚原因のうち、夫の風俗通いが該当する可能性があるのは以下の3つです。

  • 不貞行為(1号)
  • 悪意の遺棄(2号)
  • その他婚姻を継続しがたい重大な事由(5号)

ただし、形式的にこれらの離婚原因に該当する事実があっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続が相当と認められる場合には離婚することはできません(民法第770条2項)。

その点に注意しつつ、夫の風俗通いを理由に離婚できるかどうかをみていきましょう。

風俗で性交渉があれば「不貞行為」に該当する

不貞行為とは、配偶者以外の異性と自由意思によって性交渉を持つ行為のことをいいます。

したがって、夫が風俗で相手の女性と性交渉を持てば形式的には不貞行為に該当します。

ただし、風俗といっても必ずしも性交渉を行う店ばかりではありません。

性交渉以外の性的サービスを提供する店や、女性の裸を見るだけの店、女性と会話するだけの店など、さまざまな業種の店があります。

なお、浮気相手に対する慰謝料請求の裁判例ですが、性交渉に至らない性交類似行為があった場合でも不法行為に当たるとして慰謝料請求を認めたものもあります。

しかし、性交類似行為が不貞行為に当たるとして離婚が認められるかどうかは、行為をした男女の関係その他一切の事情を考慮して判断されます。

したがって、恋愛感情が絡まない風俗での性交類似行為が不貞行為に当たる可能性は低いでしょう。

また、夫が風俗に1回か2回行った程度では、一般的にみて婚姻の継続が困難になるとは言いがたいと考えられます。

夫が頻繁に風俗に通い、その都度性交渉を行っている場合は不貞行為に当たり、離婚できる可能性が高くなります。

風俗通いによって家庭を見捨てている場合は「悪意の遺棄」に該当する

悪意の遺棄とは、夫婦の一方が正当な理由がないのに同居義務や協力して生活を支え合う義務を放棄して他方の配偶者を見捨てることをいいます。

夫が風俗遊びにかまけて家にあまり帰ってこなかったり、風俗にお金を使うことによって生活費を渡してくれない場合は悪意の遺棄に該当します。

ただ、これらの場合も離婚が認められるかどうかは一切の事情を考慮して判断されます。

夫が外泊する回数や家に入れる金額に基準はありませんが、夫婦生活が成り立たない程度であれば離婚できる可能性が高いといえます。

「婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当するケースは数多くある

その他婚姻関係を継続し難い重大な事由とは、夫婦関係が破たんして結婚生活を続けていくことが困難と認められるさまざまな事情のことをいいます。

DVやモラハラが認められるケースの他、性格の不一致や価値観の相違で長期間にわたって夫婦関係が冷め切っているようなケースがこの離婚原因に該当します。

これといって理由がないケースでも、長期間の別居が続いて夫婦としての実態がなくなり、修復が困難なときなどは、この離婚原因に該当する可能性があります。

夫の風俗通いをきっかけに夫婦関係が冷め、何年にもわたってお互いに口もきかない状態が続いたような場合は離婚が認められる可能性があります。

長期間別居していれば、離婚できる可能性が高まります。

夫の風俗通いが明らかでも離婚できないケース

夫が風俗に行っていることを理由に離婚できる可能性が高いケースをご紹介しました。

ただ、実際に離婚できるかどうかはケースバイケースで、微妙な判断になることも多いものです。

離婚が認められる判断基準がより分かりやすくなるように、離婚できない可能性が高いケースも5つご紹介します。

性交渉がないケース

夫の風俗通いが明らかでも、性交渉がなければ不貞行為に該当せず、離婚が認められない可能性が高いです。

風俗通いが不貞行為に該当するのは、ソープランドなど性交渉がサービス内容に含まれている風俗店に行った場合に限られます。

女性の場合は風俗店の種類の違いなど知らない方が多いと思いますが、夫が行った風俗店の店名と、その店のサービス内容を調べることが必要です。

風俗で性交渉をした証拠がないケース

夫が風俗に行って性交渉をしたことを自分では確信していても、夫にその事実を否認された場合は証拠がなければ離婚できず、慰謝料請求も認められません。

証拠としては、風俗店の会員カード、風俗嬢の名刺などが典型的です。クレジットカードの利用明細が証拠になることもあります。

夫が風俗店に出入りするところを写真や動画で記録できれば有力な証拠となります。

ただ、性交渉の証拠を確保するのは困難なこともあります。

デリヘルなど性交渉が禁止されている店でも性交渉が行われているケースもありますが、それを証明するのは困難です。

夫の通っている店がソープランドであれば、その店を利用した証拠が性交渉をした証拠となります。

婚姻関係の破たんに至っていないケース

夫が風俗で性交渉をしたことを証拠で証明できても、婚姻関係が破たんしていなければ離婚することはできません。

通常、男性は風俗に行ったからといって相手の女性に恋愛感情を持つわけではなく、一時的な性欲を発散するのが目的です。

相手の氏名も店以外の連絡先も知らないことがほとんどです。

そのため、1回や2回、風俗で性交渉をした程度では婚姻関係が破たんしたとはいえない場合が多いのです。

妻としては風俗通いが1回であっても嫌悪感を抱くのも無理はありません。

ただ、それも一時的な嫌悪感に過ぎず、ただちに婚姻関係が破たんするわけではないと判断されてしまいます。

離婚はできるものの注意が必要なケース

婚姻関係が破たんしていれば離婚はできますが、以下のようなケースでは夫の風俗通いを原因とする離婚は認められないので注意が必要です。

夫の風俗通いとは別の原因で婚姻関係が破たんしていたケース

夫の風俗通いを理由に離婚できるのは、それが原因で婚姻関係が破たんした場合に限られます。

婚姻関係が破たんする原因にはさまざまな事情がありますが、夫の風俗通いが離婚原因となるのは、婚姻関係の破たんと風俗関係との間に因果関係がある場合に限られます。

風俗通いとは別の原因で婚姻関係が破たんした場合も、別の原因を理由として離婚することはできます。

ただし、この場合は夫の風俗通いを理由とする慰謝料請求は認められません。

自分が原因で夫の風俗通いを招いたケース

自分が婚姻関係の破たんを招いた場合は、離婚はできても逆に慰謝料を請求される可能性があるので注意が必要です。

妻との夫婦関係に不満があるために風俗に通う男性も多くいます。

夫との性交渉を長期間にわたって拒否していた場合は要注意です。

セックスレスも離婚原因となります。
夫が風俗通いを始める前に長期間のセックスレスがあれば、それによって婚姻関係が破たんしていれば、自分が離婚原因を作ったことになります。

この場合は、夫の風俗通いを理由に離婚することはできません。

風俗通いが原因で離婚する場合の慰謝料の相場

夫が風俗で性交渉をしたのが原因で婚姻関係が破たんし、その証拠もある場合は夫に対して離婚慰謝料を請求できます。

一般の女性と不倫したことを理由に離婚する場合の慰謝料の相場は50~200万円程度ですが、風俗通いを理由とする場合はそれよりも少し低額になる傾向にあります。

ただし、慰謝料額はケースバイケースで、個別の事情を考慮して決まります。

夫が風俗通いをするだけでなく、家庭を顧みなかったり、性病をうつされたり、妻が心身に不調をきたすほど精神的苦痛をこうむった場合はそれなりの慰謝料額になる可能性もあります。

慰謝料額の相場や請求方法については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご参照ください。

夫の風俗通いを理由に離婚するための段取り

夫が風俗に通っていることが明らかとなっても、怒りの感情にまかせてすぐに離婚を迫るのは得策ではありません。

確実に離婚し、適切な金額の慰謝料を支払ってもらうためには以下のような段取りが必要です。

まずは離婚原因を証明できる証拠を集める

離婚したくても離婚原因を証明できる証拠がなければ、夫に事実を否認された場合は話し合いが進みません。

裁判を起こしても証拠がなければ離婚は認められません。

夫の不貞行為を証明できる証拠としてどのようなものがあるかは先ほどご説明しましたが、「悪意の遺棄」や「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」を証明できる証拠にもさまざまなものがあります。

一度、弁護士に相談してどのような証拠を集めればいいのかや、集め方についてアドバイスを受けるといいでしょう。

弁護士の法律相談は無料で利用することもできます。
こちらの記事で無料相談について詳しく解説していますので、ご参照ください。

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夫と離婚協議をする

離婚原因を証明できる証拠が集まったら、夫に対して離婚を切りだして話し合いをします。

話し合いがまとまればすぐにでも離婚できますが、風俗通いが離婚原因になるとは思っていない男性も多いため、法律的な説明や説得が必要になる場合も多いです。

また、一般的に離婚協議は冷静に行うことが重要ですが、風俗通いをしている夫に対しては怒りの感情を伝えなければ責任を自覚してくれず、慰謝料の支払いに応じてもらえないこともあります。

離婚の話し合いがまとまり、慰謝料や財産分与など離婚条件も取り決めた場合は口約束で終わらせず、離婚協議書を作成しましょう。

夫に約束を確実に守ってもらうためには、公正証書で離婚協議書を作成するのがおすすめです。

離婚協議といっても話し合いにおける駆け引きや、離婚協議書の作成などで専門的な知識が必要になる場面も多々あります。

離婚協議がスムーズに進まない場合は、弁護士に依頼するのが望ましいです。

弁護士に依頼するには費用がかかりますが、裁判に発展して離婚問題が長期化するよりは弁護士に依頼して早期に解決した方が得策となる場合が多いです。

弁護士費用についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ご参照ください。

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離婚調停を申し立てる

離婚協議がどうしてもまとまらない場合は、家庭裁判所へ離婚調停を申し立てることになります。

離婚調停も話し合いの手続ですが、家庭裁判所が選任した調停委員という中立公平な第三者を介して話し合うことで建設的な話し合いが期待できます。

証拠を示しつつ自分の主張をしっかり調停委員に伝えることで離婚が成立しやすくなります。

ただし、あくまでも話し合いの手続なので、夫がどうしても離婚に反対する場合は調停では解決できないこともあります。

調停においても話し合いの駆け引きなどが重要なので弁護士に依頼することが望ましいですが、手続は難しくないので自分で申し立てることもできます。

自分で申し立てた後、調停が円滑に進まない場合は途中から弁護士に入ってもらうこともできます。

離婚訴訟を提起する

調停でも話し合いがまとまらない場合は、離婚訴訟を提起することが必要です。

訴訟は自分の主張を証拠で証明する手続なので、離婚原因を証明できる証拠を提出することが不可欠です。

審理の途中で話し合いによる和解で解決するケースも多くありますが、和解と判決のどちらが得になるかはケースバイケースなので、慎重な判断が必要です。

訴訟は手続も複雑ですし、法的な主張や証拠を提出する技術も重要になります。
そのため、弁護士に依頼することをおすすめします。

依頼するなら適当に弁護士を選ぶのではなく、離婚問題に詳しい弁護士を選ぶことが大切です。

こちらの記事で弁護士の探し方を詳しく解説していますので、ご参照ください。

夫の風俗通いで悩んでいる場合はまず弁護士に相談しよう

夫が風俗に通っていたのでは、妻は悩むのも当然です。
とはいえ、一人で悩んでいても自体を解決することはできません。

まずは離婚できるケースなのかどうかを知り、ケースに応じて適切な対処法を考える必要があります。

離婚問題に詳しい弁護士に相談することで、適切なアドバイスを受けることができます。
一人で悩まず、まずは弁護士に相談してみましょう。

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