金銭トラブル

税金が払えない!差押えを避けるためにやるべきこととは

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落ち込む男性

誰しも普通に生活しているだけで、さまざまな税金を支払わなければなりません。

所得が多い方ほど税金の負担は重くなりますが、所得が低い方でもそれなりの負担があるため、税金の支払いに苦しんでいる方は少なくないかもしれません。

特に最近では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で収入が減ったり、仕事を失ったりして税金が払えないという方もいらっしゃることでしょう。

そこで今回は、税金を払えないとどうなってしまうのか、払えないときはどうすればいいのかについて解説していきます。

納期限が過ぎた税金を払えないとどうなる?

まずは、払うべき税金を払えないといったいどうなってしまうのかについて見ていきましょう。

故意に税金払わないと捕まる?

税金を払えない方のなかには、警察に捕まってしまうのではないかと不安に思っている方もいらっしゃいます。

しかし、収入が足りないために税金を払えなくても警察に捕まることはありませんので、ご安心ください。

たしかに、故意に税金を払わないと「脱税」として警察に捕まることはあります。

ただ、それは課税を免れるために虚偽の申告や不正な経理をしたり、差押えを免れるために財産隠しをしたような場合で、悪質なケースに限られます。

税金を払えないと最終的には差押えを受ける

多くの方にとって気になるのは、税金を滞納することで財産を差し押さえられるのではないかということでしょう。

税金を払わないと、最終的に差押えを受けてしまうのは事実です。ただし、滞納してすぐに差押えが行われるわけではありません。

滞納してから差押えを受けるまでには、以下のようなステップを踏んで手続きが行われます。

国税(所得税、消費税、相続税など)や地方税(住民税、自動車税、固定資産税など)、社会保険料(国民年金、国民健康保険など)など税金の種類によって多少の違いはありますが、流れは共通しています。

督促状が送付される

税金を滞納すると、まず税務署や役所から督促状が届きます。

国税の場合は納期限から50日経過後、地方税と国民健康保険料の場合は20日経過後に送付されてきます。

国民年金の場合は地域によって異なりますが、文書が届く前に電話がかかってくることが多いようです。

督促状が届いたり、催促の電話がかかってきた段階で未納の税金を払えば、何の問題もなく滞納は解消します。

延滞税がかかる

滞納が続くと、延滞税がかかるようになります。

延滞税がいくらかかるかについては税目ごとに細かく定められているので、ご自分が滞納した税目について確認することが必要です。

所得税や住民税については、原則として2ヶ月以内の滞納に対しては年7.3%、2ヶ月を超える分については年14.6%の割合で延滞税が計算されます。

自動車税の場合、延滞税率は1ヶ月以内で年2.6%、2か月目以降は年8.9%とされています。

いずれにしても、税金の滞納が続けば続くほど延滞税がかさみ、ますます支払いが厳しくなってしまいます。早めに対処することが重要です。

財産調査を受ける

国税についても地方税についても、督促状が発送されてから10日が経過すると差押えを行うこととされています。

差押えが行われる前には「財産調査」という手続きがあります。

財産調査では、滞納者本人にどのような財産があるかを調べられるだけでなく、家族や勤務先、場合によっては取引先などに対しても聴き取り調査が行われます。

家族構成や勤務先での就業状況、取引先との債権・債務なども調べられることになります。

聴き取り調査だけで差押えできる財産が見つからなかった場合は、「捜索」によって予告なしで自宅内や職場内の調査も行われます。

ただ、通常は督促状の発送から10日以上が経過しても何度か納税の催告が繰り返されます。

多くの場合、財産調査が行われる前に「差押え予告書」などという表題で最終の催告書が届くので、このときまでには納税しておきたいところです。

財産が差し押さえられる

財産調査の結果、差押え可能な財産が見つかれば、実際に差押えを受けることになります。

差し押さえられる財産としては、給料や預貯金口座が中心的です。

自宅や車などは公売の手続きが必要なので、給料や預貯金口座などのようにすぐに金銭を回収できるものが優先的に差し押さえられるようです。

もちろん、自宅や車が差し押さえられるケースもあるので、注意が必要です。

税金を払えないときは放置せず対処することが重要

以上にご説明したように、税金を払わないでいると最終的に差押えを受けますし、財産調査によって家族や職場、取引先にまで滞納を知られてしまうおそれもあります。

そのため、税金を払えないときは放置せず、早めに対処することが重要です。

税務署や役所へ必ず連絡すること

まず、税金を滞納してしまったら必ず税務署や役所へ連絡しましょう。

督促状が発送されてから10日以内に支払える場合は黙って支払えば問題ありませんが、それ以降は誠実に対応することが重要になります。

事情を正直に話して、すぐには支払えないものの遅れてでも支払う意思があることを伝えることで、財産調査や差押えを待ってもらうことができます。

放置していると、納税について誠実な意思がないと判断され、税務署や役所の対応も厳しくなってしまいます。

税金を免除・減額してもらえる場合もある

国税・地方税ともに、一定の要件のもとに税金の免除や減額が認められる制度があります。

適用要件は、災害で大きな被害を受けた場合や一定の理由で失業した場合などに限られますが、要件に該当する場合は減免を受けるべきでしょう。

ただし、要件に該当すれば自動的に税金が減免されるわけではなく、申請することが必要です。

申請期限も限られているので、早めに税務署や役所に問い合わせて確認しましょう。

国民年金保険料と国民健康保険についても、独自の減免制度があります。

国民年金についてはお住まいの地域を管轄する年金事務所に、国民健康保険についてはお住まいの自治体の役所へ問い合わせましょう。

払えない税金は分割払いできる?

税金の免除や減額が認められない場合でも、一定の要件を満たす場合は「納税の猶予」を受けることができます。

納税の猶予を受けられる場合、1年以内の期限で支払いを待ってもらいつつ、その期間中に滞納税を分割払いすることも認められます。

適用要件は税金の免除・減額の場合よりも広く、地方税については自治体によって細かな違いもあります。

いずれにしても、早めに税務署や役所へ相談して納税に対する誠実な意思を示すことで、納税の猶予が受けられる可能性が高まります。

差押えを待ってもらう方法とは

税金の減免も納税の猶予も認められず、差押えの対象となってしまった場合でも、1年以内の期限で差押えを待ってもらう「換価の猶予」という制度もあります。

換価の猶予を受けるためには、納税について誠実な意思があると認められることが法律上の要件となっています。

だからこそ、滞納を放置せずに誠意を持って税務署や役所へ相談することが重要なのです。

換価の猶予が認められれば、差押えを待ってもらえるだけでなく、既に差し押さえられた財産についても公売(換価処分)を待ってもらうことができます。

したがって、差押え処分を受けてしまった後でも、諦めずに税務署や役所へ相談しましょう。

「お金がなくて税金払えません」という言い訳は通用する?

納税は法律に定められた義務なので、「お金がない」と言い訳をしても基本的には免れることができません。

しかし、要件を満たせば、以上にご紹介した税金の減免、納税の猶予、換価の猶予を受けることができます。

これらの制度を利用するためには、開き直るのではなく、どのような事情でお金がないのかを誠実に説明することが大切です。

それを前提として、お金がなくて税金を払えない場合は積極的に相談すべきです。

新型コロナウイルスの影響で税金が払えないときは猶予を申請しよう

最近は新型コロナウイルス感染拡大の影響で収入が減ったり、失業した方が増えていることから、納税の猶予の制度も拡充されつつあります。

ここでは、2020年4月現在に実施されている制度や実施予定の制度をご紹介しますが、今後も制度が拡充される可能性があるため、情報を収集していきましょう。

国税は1年間、納税が猶予される予定

財務省の発表によれば、新型コロナウイルスの影響によって収入に相当の減少があった場合は、1年間、国税の納付の猶予が認められるようになります。

先ほどご紹介した税金の減免制度は従来から実施されていますが、新型コロナウイルスの影響による場合は対象が特例として拡大されます。

具体的には、2020年2月以降、1ヶ月以上の期間について、収入が前年同期に比して概ね20%以上減少した場合も対象となります。

この特例が実施されるためには関係法案の成立を待たなければならず、2020年5月以降に成立する見込みとなっています。

地方税についても同様の納税猶予を政府が要請している

地方税は各地の自治体が取り扱っているため、地域によって対応は異なります。

ただ、総務省は各地の自治体に対しては、国税と同様の納税猶予の特例を設けるように要請しています。

そのため、今後は各地の自治体の条例で特例が設けられる見込みです。

公共料金の支払い猶予も認められている

さまざまな公共料金についても、政府の要請を受けて一部、支払い猶予が認められています。

税金の支払いが厳しい方は、公共料金の支払い猶予も視野に入れて、上手に支払っていきましょう。

ここでは、2020年4月現在認められている主な公共料金などの支払い猶予についてご紹介します。

いずれも、支払い猶予を受ける場合はそれぞれの利用先に申請することが必要なので、ご注意ください。

電気・ガス料金

新型コロナウイルスの影響で料金の支払いが困難な場合は、支払い期限が最大2か月間延長されます。

上下水道料金

自治体によって対応が異なります。最長で4ヶ月まで支払いを猶予している自治体もありますが、多くの自治体では個別に相談を受けることとしています。

スマホ・携帯料金

NTTドコモ・au・ソフトバンクの大手3社では、2020年2月末日以降に支払期限を迎える料金について、同年5月末日まで支払期限を延長しています。

生命保険の保険料

保険会社によって対応が異なりますが、最長で6ヶ月間、保険料の払い込み期限を猶予しているところもあります。

損害保険の保険料

こちらも保険会社によって異なりますが、保険料の払込期限を5月末まで猶予しているところが多いです。

どうしても税金を払えないときの対処法

ここまでにご紹介したさまざまな制度を申請しても税金を免れることができず、どうしても払えないという場合もあるでしょう。

そんなときでも、諦める必要はありません。必ず解決できる方法はあります。

税金を払えないと死ぬしかない?

税金は払わない限り、いつまでも滞納のままで残り続けます。そのため、払えないと死ぬしかないという気持ちになってしまう方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、日本では誰もが健康で文化的な最低限度の生活をする権利が憲法で保障されています。お金が払えないからといって死ぬ必要は全くありません。

以下に、具体的な解決方法を2つご紹介します。

借金があるときは債務整理が有効

税金が払えない方のなかには、借金がある方も少なくないでしょう。

借金の返済のためにお金がなくて税金を払えない場合は、債務整理をすることがおすすめです。

債務整理には自己破産・個人再生・任意整理の3種類があります。

自己破産をすれば借金をゼロにすることができます。

個人再生では借金がゼロにはなりませんが、返済額を大幅に減額することが可能です。

任意整理では大幅に返済額を減らせるケースは多くありませんが、毎月返済する金額を減らすことができます。

どの方法がご自分に適しているかについては、弁護士に相談されることをおすすめします。

無職で税金を払えないときは生活保護を検討しよう

生活するお金もないという場合は、生活保護を受給することができます。

無職の方に限らず、仕事をしている場合でも収入が生活保護基準に満たない場合は、差額を生活保護として受給できます。

新型コロナウイルスの影響で仕事を失ったり収入が激減した方も、生活保護の受給を検討してみるといいでしょう。

生活保護の申請先は、お住まいの自治体の役所です。

ただ、生活保護の受給要件を満たしていても、役所がなかなか認定してくれないケースもあるようです。

弁護士は生活保護の申請をサポートすることもできるので、お困りの場合は相談してみましょう。

税金を払えない問題の解決は弁護士に相談を

税金を払えないときは、まず税務署や役所に連絡することが大切ですが、そこではどうすればいいのかについてアドバイスを受けられるわけではありません。

弁護士に相談すれば、状況に応じた適切な対処法についてアドバイスを受けることができます。

借金の他にも、さまざまな事情を抱えている方がいらっしゃると思います。

コロナ騒動のなかで解雇や減給をされた方もいらっしゃることでしょう。しかし、その解雇や減給が違法な場合もあります。

税金が払えなくても一人で悩まず、お気軽に弁護士に相談されることをおすすめします。

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