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災害時の相続はどうなる?流れや特例措置について徹底解説!

地震で倒壊した家屋
災害時の相続の流れが知りたい
災害に巻き込まれてしまい、相続手続きを進める余裕がない

という悩みをお持ちではありませんか?

ただでさえ大変な、災害時の相続問題
無用なトラブルを防ぐためには、基本的な流れや、特例措置について理解しておくことが重要です。

そこで、この記事では、

  • 災害時の相続の基本的な流れ
  • 手続きごとに使える特例措置の内容

について解説します。

災害時に相続手続きをスムーズに進めるために、ぜひご一読ください。

災害時の相続の流れ

家の模型と電卓

災害時でも、相続の流れに大きな違いはありません。
ただし、災害の規模に応じて、様々な特例措置が設けられる場合があります。

まずは、相続の基本的な流れ災害時の特例措置について説明します。

基本的な相続とは

相続の基本的な流れと、それぞれの期限は以下のとおりです。

  1. 遺言書があるか確認する
  2. 遺産と相続人を確認する
  3. 相続するかの判断をする(3ヶ月以内)※熟慮期間という
  4. 遺産分割協議をする
  5. 準確定申告を行う(4ヶ月以内
  6. 相続税の申告を行う(10ヶ月以内

このうち、災害時の相続で、特に注意が必要なのが以下の2つです。

災害時の相続で、特に注意が必要な項目

  • 3.相続のするか判断をする(3ヶ月以内)
  • 6.相続税の申告(10ヶ月以内)

それぞれ期限が決まっている上、災害によって相続する資産(財産)の価値が減少してしまう可能性がある等、災害による影響を受けやすいからです。

分割されるパイ
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災害時の相続に関する特例措置

そこで、災害時の相続では、前述の「特に注意が必要な項目」について、様々な特例措置が設けられる場合があります。

特例措置の例としては、

  • 熟慮期間の延長
  • 相続税の申告期限の延長
  • 相続税の減免

等があります。

これらの特例措置を上手く活用することで、災害時の相続をスムーズに進めることができます。

注意ポイント

なお、特例措置の内容は、災害によっても異なります

相続で災害にあった場合は

  • 該当の災害の特例措置の有無
  • 特例措置の内容

について、必ず確認しましょう。

各特例措置の詳細については、次章以降で解説します。

相続時の熟慮期間は災害により異なる

真剣に話し合う夫婦

この章では、災害時の熟慮期間の特例措置について解説します。

「基本的な流れ」の、以下の項目についてです。
3.相続するかの判断をする(3ヶ月以内)※熟慮期間という▲

熟慮期間の特例措置とは

熟慮期間とは、

  1. 相続放棄:相続を放棄すること
  2. 単純承認:無条件に全ての財産を相続すること
  3. 限定承認:プラスの財産の範囲内で、マイナスの財産も相続すること

3つの選択肢から、相続財産の状況や自分の気持ちに応じて、相続に関する判断をするための期間です。

特に、「相続放棄」または「限定承認」を行う場合は、3ヶ月以内に家庭裁判所で手続きを行う必要がありますが、特例措置により、この「熟慮期間」が延長になる場合があります。

ポイント

ただし「熟慮期間」に対する特例措置は、一部の災害に対してのみ設けられる特例措置であり、災害全てを対象としている訳ではありません

そのため、災害によっては、例えば後述の「相続税の減免措置」はあるものの、「熟慮期間」に対する特例措置は設けられていないというケースもあるので注意が必要です。

熟慮期間で特例措置があるケース

冠水した道路

熟慮期間で特例措置が設けられるのは、該当の災害が「特定非常災害」に指定された場合です。

特定非常災害とは?

著しく異常かつ激甚な非常災害のこと。
特定非常災害特別措置法によって定められた災害をいう。

近年では、例えば

  • 令和6年能登半島地震
  • 令和2年7月豪雨

が「特定非常災害」として指定されています。

熟慮期間の特例措置を利用したい場合は、該当の災害が「特定非常災害」に指定されているか確認してみましょう。

相続税の申告期限も延長される場合がある

この章では、相続税の申告期限の特例措置について解説します。

「基本的な流れ」の、以下の項目についてです。
6.相続税の申告(10ヶ月以内)▲

家の外観
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相続税の申告期限の特例措置とは?

相続税の申告期限についても、特例措置が設定される場合があります。

相続税の申告期限は通常「10ヶ月以内」ですが、特例措置が設けられると、この期間が延長になります。

災害で被害を受けた場合、相続財産の確認に時間がかかるため、期限内の申告が難しい場合があるからです。

注意ポイント

延長される期間は、該当の災害によって異なります。

自動的に延長される場合もありますが、災害の内容や被災場所によっては、個別の申請が必要になる場合もあるため注意が必要です。

相続税の申告期限が延長になったケース

直近では、例えば「令和6年能登半島地震」で、相続税の申告期限が延長になっています。

メモ

このケースでは、基本的には、被相続人(亡くなった方)の住所を基準に「石川県」「富山県」が納税地となっている人が対象とされました。

ただし、それ以外の人でも、所轄の税務署長に対して個別に申請することにより、申告・納付等の期限の延長を受けることができるとされています。

他の災害でも、申請を受けることで、申告期限が延長になる場合は少なくありません。

申告期限の延長が必要な場合は、最寄りの税務署に確認してみましょう。

災害時の相続税には、減免措置が適用される

この章では、相続税の減免措置について解説します。

災害時の減免措置とは?

地震で外壁が落ちた家

災害により、相続財産が被災した場合には、相続税の災害減免措置が適用される場合もあります。

相続税の災害減免措置とは?

遺産相続をした財産が、災害によって被害を受けた場合、被害額を考慮して、納税額を軽減すること。

相続税の災害減免措置は、以下のいずれかの要件を満たした場合に適用されます。

  • 取得した財産の価額の内、被害の割合が10分の1以上であるとき。
  • 取得した動産等(金銭及び有価証券を除く等)の価額の内、当該動産等の被害の割合が10分の1以上であるとき。

災害減免措置を受けることができれば、相続財産から被害額を控除することができます。

なお、災害減免措置の手続きの方法は「申告期限前」と「申告期限後」で異なるため注意が必要です。

それぞれ説明します。

相続税の申告期限前のケース

相続税の申告期限に災害にあった場合、「災害減免法第6条の規定による相続税・贈与税の財産の価格の計算明細書(PDF)」という書類を、相続税の申告書に添付して提出します。

このケースでは、そもそもの相続税額が、被害相当額を控除した金額により計算されるため、被害額に応じた減免措置を受けることができます。

相続税の申告期限後のケース

相続税の申告期限に災害にあった場合、「災害減免法第4条の規定による相続税・贈与税の免除承認申請書(PDF)」という書類を、災害のやんだ日から2カ月以内に税務署に提出することになります。

被害の状況や被害を受けた部分の価格等を記載して提出することで、被害相当額に応じた相続税額の免除を受けることができます。

相続した財産に減免措置が適用されるか不明な場合や、手続きの流れが分からない場合は、弁護士などの専門家に相談してみましょう。

災害時の相続は弁護士に相談しよう

この記事では、

  • 災害時の相続の流れ
  • 熟慮期間に対する特例
  • 申告期限や納税額に対する特例措置

についてお伝えしました。

相続手続きでは、預金や不動産等の大きな金額が動くため、親族間のトラブルに発展するケースも少なくありません。

特に、災害時の相続手続きは、流れがイレギュラーになるため、国が設けた特例措置を上手く活用して、複雑な手続きをスムーズに進めていく必要があります。

「親族だけでは手に負えない」と感じたら、無用なトラブル防止のためにも、弁護士に相談することをおすすめします。

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