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部活動の送迎は白バスになる?保護者・顧問が知っておきたいボランティア送迎の注意点

2026年7月29日

部活の送迎_アイキャッチ

部活動の大会や遠征では、保護者や顧問が自家用車で生徒を送迎することがあります。

こうした送迎では、他人の子どもを乗せても問題ないのか、ガソリン代や謝礼を受け取ると白タク・白バス行為になるのかと、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

送迎の対価として金銭を受け取る場合は、金額や支払い方によって道路運送法上の問題が生じる可能性があります。

また、事故が起きた際の責任や保険の適用についても、事前に確認しておくことが大切です。

この記事では、部活動の送迎が白タク・白バス行為に当たる可能性があるケースや注意点事故が起きた場合の責任について分かりやすく解説します。

部活動の送迎は白タク・白バス行為になる?

部活の送迎_イメージ

白タク・白バスとは、必要な許可や登録を受けずに、自家用車を使って有償で人を運ぶ行為を指します。

一般に、自家用の乗用車を使ったものを白タク、自家用のバスを使ったものを白バスと呼びます。

部活動の大会や遠征では、保護者や顧問が自家用車に生徒を乗せることがありますが、このような送迎をしただけで直ちに白タク・白バス行為に当たるわけではありません。

問題になるのは、送迎の見返りとして金銭などを受け取り、実質的に有償で生徒を運んでいると判断される場合です。

自家用車に生徒を乗せるだけで違法にはならない

保護者が自分の子どもと一緒にほかの部員を大会会場まで送るなど、対価を受け取らずに行う送迎は、原則として道路運送法上の有償運送には当たりません。

国土交通省の「道路運送法における許可又は登録を要しない運送に関するガイドライン」でも、子どもの塾や習い事、部活動などへの無償送迎を、地域のボランティアや互助活動として組織的に行うことは差し支えないとされています。

他人の子どもを自家用車に乗せたことや、複数の保護者が交代で送迎したことだけを理由に、違法となるわけではありません。

送迎の対価を受け取ると許可や登録が必要になることがある

道路運送法第78条では、自家用車を使った有償運送は原則として禁止されています。

災害のため緊急を要する場合などを除き、例外的に有償運送を行うには、同法に基づく登録や国土交通大臣の許可が必要です。

●道路運送法第78条

自家用自動車(事業用自動車以外の自動車をいう。以下同じ。)は、次に掲げる場合を除き、有償で運送の用に供してはならない。

(引用:道路運送法|e-Gov法令検索

ここでいう有償とは、送迎サービスを提供した見返りとして、金銭や物品などを受け取ることです。

支払いの名目が「謝礼」「協力金」「送迎費」などであっても、実質的に送迎の対価として支払われていれば、有償運送と判断されるリスクがあります。

ガソリン代や謝礼を受け取るのは違法?

部活の送迎_イメージ

部活動の送迎で金銭を受け取ったとしても、それだけで直ちに違法になるわけではありません。

ガソリン代高速道路料金など、送迎にかかった実費のみを精算する場合は、原則として道路運送法上の許可や登録は不要です。

ガソリン代などの実費は受け取れる

国土交通省のガイドラインでは、無償で送迎する場合でも、運送にかかった実費を受け取ることは認められています。

実費に含まれる主な費用は、次のとおりです。

  • ガソリンなどの燃料代
  • 高速道路などの通行料金
  • 駐車場料金
  • 送迎のために借りたレンタカー代
  • 無償送迎を対象とする保険料
  • レンタカー利用時の一時的な保険料

たとえば、ガソリン代は、走行距離を車の燃費で割り、1リットル当たりのガソリン価格を掛けて算出可能です。

送迎を頻繁に行う場合は、実際の費用から大きく離れない範囲で、1キロメートル当たり何円と定めて概算する方法も認められています。

計算式:走行距離(㎞)÷燃費(㎞/ℓ)×1ℓあたりのガソリン価格(円/ℓ)

常識的な範囲の謝礼は直ちに有償運送とはならない

運転者が支払いを求めていないにもかかわらず、送迎してもらった保護者などが、お礼の気持ちとして自発的に金銭や品物を渡すことがあります。

このような謝礼は、社会通念上常識的な範囲であれば、運送の対価には当たらず、道路運送法上の許可や登録は不要です。

一方、次のような場合は、実質的な送迎の対価と判断される可能性があります。

  • あらかじめ謝礼の金額を決めている
  • 運転者が支払いを求めている
  • 謝礼を支払わなければ送迎してもらえない
  • 謝礼の有無や金額によって乗せる生徒を選んでいる

「謝礼」という名目を付ければ問題にならないわけではありません。

誰が金額を決めたのか、支払いが任意だったのかなど、実際の運用が重視されます。

定額の送迎代や実費を超える支払いに注意する

1回の送迎につき一定額を支払うなど、あらかじめ送迎代を決めている場合は注意が必要です。

金額が実際にかかった費用を超え、運転への報酬を含んでいる場合は、有償運送と判断される可能性があります。

ただし、定額であることだけを理由に直ちに違法になるわけではありません。

重要なのは、定額の根拠を説明できることです。

距離や費用に関係なく一律の金額を徴収したり、手間賃を上乗せしたりすると、実費精算の範囲を超えるおそれがあるため注意しましょう。

部費から支払う場合も金額と内訳を明確にする

ガソリン代や謝礼を部費から支払う場合も、部費という名目だけで道路運送法上問題がなくなるわけではありません。

誰に対して、何の費用として、いくら支払ったのかが判断材料になります。

たとえば、部費からガソリン代や高速料金などの実費を精算する場合は、領収書や走行距離を確認し、内訳を記録しておくことが大切です。

一方、送迎回数に応じて運転者へ実費を超える金額を支払っている場合は、部活動が生徒や保護者に代わって送迎の対価を支払っていると判断される可能性があります。

送迎を利用する家庭だけから追加の部費を集める場合も、その差額が実費の範囲に収まっているかを確認しましょう。

部活動の送迎中に事故が起きたら誰が責任を負う?

部活の送迎_イメージ

部活動の送迎中に事故が起きた場合、まずは運転者の責任が問題になります。

ただし、学校や部活動の運営主体が送迎に関与していた場合は、学校側の責任問題も生じ得ます。

運転者には事故の状況に応じた責任が生じる

運転者の不注意によって事故が起き、生徒にけがをさせた場合は、民法第709条に基づき、運転者が損害賠償責任を負う可能性があります。

●民法第709条

故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

(引用:民法|e-Gov法令検索

学校や部活動の運営主体にも責任が生じる場合がある

学校や部活動の運営主体が送迎を企画・指示していた場合は、運転者の選定や安全管理が適切だったかも問題になるでしょう。

たとえば、運転者の免許や保険を確認していなかった、疲労した人に長時間の運転を任せたなどの事情があれば、学校側の責任が問われる可能性があります。

ただし、学校が送迎を承認していたというだけで、当然に損害賠償責任を負うわけではありません。

送迎への関与や事故の原因などから個別に判断されます。

自動車保険や災害共済給付の適用を確認する

送迎前には、任意保険の対人・対物賠償、運転できる人の年齢や範囲、同乗する生徒の怪我に対する補償などを確認しておきましょう。

契約条件によっては、普段運転しない保護者や顧問が運転した事故が補償対象外になる可能性もあります。

また、学校の管理下で生じた事故については、災害共済給付を受けられる可能性があります。

独立行政法人日本スポーツ振興センター法第16条では、学校の管理下における児童生徒等の災害を対象として、学校の設置者が保護者の同意を得て締結する契約に基づき、災害共済給付を行うと定めています。

●独立行政法人日本スポーツ振興センター法第16条第1項

災害共済給付は、学校の管理下における児童生徒等の災害につき(中略)災害共済給付契約により行うものとする。

(引用:独立行政法人日本スポーツ振興センター法|e-Gov法令検索

ただし、保護者や顧問による送迎中の事故が対象になるかは、送迎が学校の教育計画に基づく活動として行われていたか、学校がどのように関与していたかなどによって異なります。

送迎を始める前に、学校の承認や災害共済給付への加入状況、事故時の申請方法を確認しておきましょう。

部活動の送迎は費用と事故対応のルールを明確にしよう

部活動で保護者や顧問が生徒を送迎すること自体は、直ちに白タク・白バス行為になるわけではありません。

ただし、ガソリン代や謝礼、部費などを受け取る場合は、実費の範囲を超えていないか、送迎の対価とみなされないかを確認する必要があります。

また、送迎中に事故が起きた場合は、運転者だけでなく、学校や部活動の運営主体の関与が問題になることもあります。

学校や保護者間での整理が難しい場合や、すでに事故・トラブルが起きている場合は、早めに弁護士へ相談し、適切な対応を確認しましょう。

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