慰謝料

慰謝料請求された~払えない場合は?無職の場合の対処法も解説

2019年11月25日

わずかな小銭

慰謝料請求されたとき、支払わなければならないと分かっていても、払えない場合も多々あると思います。

まとまった金額をすぐに支払えるだけの経済的余裕がある方もいれば、毎日の生活費だけで精一杯で請求された金額はとても払えない方も少なくないでしょう。

慰謝料を払わないとどうなってしまうのでしょうか。

減額分割での支払いに応じてもらうことはできるのでしょうか。

また、自分が無職の場合はどうすればいいのでしょうか。

この記事では、慰謝料請求されたけれど払えない場合の対処法を解説していきます。

請求された慰謝料を払えない場合、罰則はあるのか

手錠結論から言いますと、請求された慰謝料を払えなくても罰則は何もありません。

慰謝料の支払いは民事上の問題なので、支払わないからといって刑罰はありませんし、逮捕されることもありません。

ただし、民事裁判で慰謝料の支払いを命じる判決が確定している場合は、命じられた金額を支払うまで年5%の利息がかかるので注意が必要です。

その他の場合は払えなくてもペナルティは全くありませんが、だからといって慰謝料請求を無視することはできません。

無視していると相手から民事裁判を起こされ、最終的には判決が言い渡され、財産を差押さえられることになってしまいます。

そこで現実には、どうしても払えない場合は相手と話し合うことによって、慰謝料の減額や分割での支払いを交渉して解決を図ることになります。

払えない慰謝料を減額してもらう交渉は2段階

階段どうしても払えない場合は、まずは慰謝料の減額を相手と交渉してみましょう。

慰謝料を減額してもらう交渉には2段階あります。

まず、相手が請求している慰謝料額は不当に高い場合が多いので、正当な金額にまで減額してもらうのが第一段階です。

次に、正当な金額の慰謝料も払えない場合は、経済的な問題を理由にさらに減額してもらう交渉が第二段階です。

第一段階の慰謝料減額交渉

不当に高額な慰謝料請求を正当な金額にまで減額してもらうためには、減額すべき根拠を明確に示す必要があります。

減額すべき根拠としては、相手の請求する慰謝料額が相場よりも高いことの他に、自分の責任が通常のケースより軽いこと相手にも落ち度があることなどが挙げられます。

例えば、浮気や不倫の場合なら、不倫の期間が短かったり肉体関係を持った回数が少なかったり、相手から執拗に誘われて不倫関係に至ったことなどが根拠となります。

交通事故であれば相手にも過失がある場合が多いですし、犯罪をおかしてしまった場合でも被害者に落ち度があるケースも少なくありません。

これらの根拠に基づいて慰謝料を減額してもらう方法については、こちらの記事で解説していますので参考にしてください。

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第二段階の慰謝料減額交渉

第一段階の慰謝料減額交渉で減額してもらえなかった場合や、減額してもらえてもなお払えない金額である場合は、経済的な問題を理由としてさらに減額を交渉することになります。

この場合、単に「お金がないので減額してください」と言うだけではなかなか減額に応じてもらえるものではありません。

まずは本当に経済的に余裕がないことを相手に理解してもらうことが必要です。

そのためには、給料明細預貯金通帳などを相手に見せることも必要です。

また、浪費が多ければ、経済的に余裕がないと言っても相手は納得してくれないでしょう。

そこで、家計表を作成して相手に見せるなどして、支払いに回せるお金に余裕がないことを理解してもらわなければなりません。

以上のことを前提に、謝罪すべき点は謝罪して、誠意をもって話し合うことが大切です。

交渉の流れとしては、こちらから支払い可能な金額を提示して、以上の根拠を明確に示した上で、「この金額であれば必ず支払います」と誓約する方が相手も減額に応じやすくなります。

こちらの希望どおりに減額してもらえるとは限りませんが、相手の請求額との中間で折り合える場合もあります。

慰謝料を減額してもらう交渉には、法的な減額事由を主張することと、交渉術によって減額してもらうという二つの側面があります。

どちらも示談交渉に慣れていない方には難しいところがあるので、困ったときは弁護士に相談したいところです。

無料相談を受け付けている弁護士も多いので、まずはそういったサービスを利用してみてもいいでしょう。

こちらの記事では弁護士の無料相談について解説していますので、参照してみてください。

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分割払いの交渉のコツは支払いの確実性を約束すること

握手減額の交渉がうまくいかなかったり、減額してもらっても一括で支払うのが難しい場合は、分割での支払いを交渉することになります。

慰謝料請求する側としては早く支払ってほしいのが通常なので、必ずしも分割での支払いに応じてもらえるとは限りません。

ただ、きちんと支払ってもらえるのであれば分割払いに応じてくれる場合も少なくありません。

分割で慰謝料を支払う場合、相手が一番気になることは、きちんと支払ってもらえるかどうかということです。

支払いの確実性を相手に信用してもらうためには、もし支払わなかった場合はどうするのかということを約束する必要があります。

通常は、支払いが滞った場合はただちに残額を一括で支払うという約束をすることになります。

このとき、延滞が許されるのは分割金の2回分まで、残額を一括で支払う場合には年14.6%の遅延損害金も付けるというのが一般的です。

ただし、この条件は話し合い次第では自由に決めることができます。

そして、分割払いを約束する示談書を公正証書で作成することも有効な場合が多いです。

通常の示談書や念書では約束を破ってもただちに支払いを強制されることはありませんが、公正証書を作成しておけば、約束を破った場合にはすぐに相手はこちらの財産を差し押さえることができるようになります。

そのため、公正証書で示談書を作成することは、支払いの確実性を信用してもらうために有効なのです。

ただし、公正証書には上記のとおり強制力があるので、くれぐれも支払いが遅れないように気を付けなければなりません。

頭金の設定も有効

相手としては早く慰謝料支払ってほしいわけですから、分割払いをするとしても1回あたりの金額が大きく、分割回数も少ない方が応じてもらいやすいことは言うまでもありません。

とはいえ、経済的余裕がないのに無理な約束をすると、結局支払えなくなって財産を差し押さえられてしまう恐れがあります。

そこで、最初に可能な限り支払える金額を頭金として支払うことによって、残額については毎月少額ずつの分割払いでも応じてもらえる可能性が高まります。

もちろん、必ずしも応じてもらえるとは限りませんが、交渉術のひとつとして覚えておくといいでしょう。

他にもさまざまな交渉術がありますが、下手に策を弄すると相手の感情を害してしまい、交渉が決裂してしまう危険性もあります。

自分で交渉するのが難しい場合は、プロの弁護士に依頼するのがベストです。

経済的に余裕がない場合は弁護士に依頼するときの費用が気になると思います。

こちらの記事では弁護士費用について解説していますので、ご参照ください。

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無職の方の慰謝料請求への対処法

悩む女性慰謝料請求されたときに無職のためお金がないという方もいらっしゃることでしょう。

無職の方の場合も、基本的には上記のように慰謝料の減額や分割での支払いを交渉することになります。

ただ、近いうちに働ける見込みがある場合働くことが難しい場合とでは少し対応が違ってきます。

それぞれの場合について解説します。

近いうちに働ける見込みがある場合

いまは無職で収入がないものの、近いうちに働ける見込みがある場合は、仕事に就いた後の収入の見込みに基づいて慰謝料の支払い方法を交渉することになるでしょう。

その場合、将来の見込み収入を相手に信用してもらう必要があります。

面接を受けた会社の求人情報を見せるなどして交渉しましょう。

ただ、示談してしまうと約束したとおりに支払わなければならなくなるので、採用してもらえるかどうか分からない段階で示談することには危険性もあります。

話し合いは早めに始めるとしても、示談をするのはできる限り採用が決まってからの方がいいでしょう。

それでも相手が示談を急かしてくる場合も少なくありません。

その場合は、支払いの開始時期を数ヶ月後にしてもらうことと、「もし採用されなかった場合は改めて協議する」という条項を示談書に盛り込んでもらうことを交渉すべきです。

働くことが困難な場合

今後も働くことが困難な場合は、預貯金の中から慰謝料を支払える限度の金額で示談してもらえるように交渉するしかない場合もあります。

この場合も、預貯金通帳を見せるなどして経済的余裕がないことを信用してもらうことが必要です。

また、働けない理由について事情を説明して理解してもらう必要もあります。

病気のために働けない場合は診断書を見せる必要もあるでしょう。

他の場合もそうですが、働けない場合は特に、「全く払ってもらえないよりは少しでも払ってもらえる方が得策だ」と相手に思ってもらうことが重要になります。

そのためには事情を説明することが第一ですが、自己破産を検討していると伝えることが有効な場合もあります。

自己破産をして免責が認められると、多くの場合は慰謝料についても免責されます。

免責とは、自己破産の効果として金銭を支払う責任を免じてもらうことであり、裁判所の免責許可決定によって支払い義務が消滅します。

そのため、慰謝料請求をしてきた相手に「自己破産されるくらいなら、その前に少しでも支払ってほしい」と思ってもらえれば大幅な減額や分割での支払いに応じてもらえる可能性があります。

ただし、場合によっては慰謝料の支払い義務が免責されない場合もあります。

悪意で加えた不法行為による慰謝料の支払い義務は免責されないので注意が必要です。

悪意で加えた不法行為とは、相手に損害を与えることを知っていながらあえて違法な行為を実行することをいいます。

つまり、故意の犯罪行為による慰謝料支払い義務は免責されないということです。

浮気や不倫の場合は、相手の配偶者に損害を加えることを目的として不貞行為に及んだような悪質なケースであれば免責されない可能性があります。

過失による交通事故出来心で及んでしまった浮気・不倫による慰謝料についてはほとんどの場合、免責の対象となります。

無職で収入がない場合の慰謝料の交渉は、収入がある場合よりも難しくなる面があります。

そのため、できれば経験豊富な弁護士に依頼するのが望ましいといえます。

こちらの記事では、優秀な弁護士を探す方法について解説していますので、ご参照ください。

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慰謝料が払えない場合の交渉で注意すべきこと

空のポケット経済的余裕がなくて慰謝料を支払えないと言った場合、請求してきた相手が「借金してでも支払え」「親に支払ってもらえ」などと要求してくることもあります。

このような場合にどう対処すればいいのかを解説します。

借金してでも支払うように要求された場合

慰謝料を支払うために借金をするかどうかはこちらの自由であり、相手に強制されることではありません。

相手としては、適正な金額の慰謝料を請求する権利はあっても、「借金をしろ」と強要することはできないということです。

ただ、こちらの方から借金をして支払うと申し出ることによって減額に応じてもらいやすくなる場合もあります。

例えば、200万円の慰謝料を請求された場合に、100万円なら借金して支払えるので100万円に減額してほしいというような場合です。

相手が100万円に減額してでも早期に支払ってもらった方が得策だと考えてくれれば、示談が成立します。

あとは、金利はかかりますが借金を分割返済していくことになります。

結果的には減額された慰謝料を分割払いしていくのと同じような形になります。

親に支払ってもらえと要求された場合

加害者が未成年者の場合は別ですが、成人である限り、慰謝料の支払い義務はその人だけの問題です。

親やその他の家族には慰謝料の支払い義務はありません。

ただ、この場合も借金の場合と同様で、こちらから親の援助を受けて支払うことを申し出ることで減額に応じてもらいやすくなる場合もあります。

年金暮らしの年老いた親から無理して援助してもらうことを説明できれば説得力があるでしょう。

慰謝料請求されても払えない場合は弁護士に相談を

スマホで相談経済的に余裕がなくて慰謝料を請求されても払えない場合、一人で悩んでいると精神的に追い込まれて苦しくなってしまうことでしょう。

そんなときは、早めに弁護士に相談してみることをおすすめします。

弁護士に依頼すれば、あなたに代わって相手と交渉してくれるので、精神的負担は格段に軽くなります。

費用はかかってしまいますが、経験豊富な弁護士に慰謝料を減額できる事情を的確に主張してもらい、減額や分割払いの交渉をしてもらうことで、結果としては無理なく支払える内容で解決することも十分に期待できます。

まずは無料相談だけでも早めに受けてみてはいかがでしょうか。

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