犯罪別 詐欺

被害届ってどんなもの?詐欺被害にあったときの出し方について解説

被害届の出し方 詐欺

ドラマやニュースで「被害届を出す」という場面はよくありますね。

しかし、実際に被害届を出したことがある人は多くはないと思います。

また、出した人が身近にいても、具体的にどんなものだったかを聞くことはためらってしまいますね。

被害に遭わないことが一番いいですが、いざとなったときに、書き方などを知っておくと焦らずに対応ができますので、今回は、被害届について、特に詐欺の被害に遭ったときについて詳しくお話します。

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被害届の概要

犯罪の被害にあった場合、被害者の心情としては、「逮捕して処罰してほしい」と強く思うでしょう。

しかし、警察や検察は、その犯罪について気づいていないことも多くあります。

特に詐欺被害には、『だました人』と『だまされた人』が存在しますが、被害にあった側が

だまされた!

と言わない限り、周囲の人には分かりませんよね。

被害者はまず、犯罪の存在自体を国家権力に知らせることが必要です。

その時、知らせる方法として代表的な例が被害届です。

被害届の提出には費用はかかりません。

定義~被害届はどんなもの?~

被害届とは、犯罪の被害に遭った事実を捜査機関に申告する書類をいいます。

この届出により、捜査機関は犯罪事実を知ることとなり、捜査機関による捜査が開始されます。

告訴や告発との違い

被害届とは別に「告訴」と「告発」というものがありますので、違いを簡単に説明しておきましょう。

告訴

被害者やその法定代理人(=告訴権者)が一定期間行うことができるもので、捜査機関に犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求める意思表示をすることです。

つまり、詐欺の被害に遭った際に、被害者である自分か親族などの法定代理人が、一定期間内に

私(家族)に対してこのような詐欺行為があった!犯人を処罰してほしい。

ということを、書類と証拠を揃えて警察に対して行うことを指します。

告発

「捜査機関に犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求める意思表示をする」という点では告訴と同じですが、行うことができる人が被害者と告訴権者以外の第三者となります。

例えば

(自分でも親族でもない)あの人が詐欺に遭っている!犯人を処罰してほしい。

などという内容になります。

以上の通り、告訴および告発は「処罰を求める意思表示」が加わるため、「私はこのような詐欺被害に遭った」という犯罪事実を申告するだけの被害届とは異なります。

詐欺に遭ってしまった!そのあとの手続きの流れ

被害届 騙された犯罪被害にあって、警察に被害届を出したい場合は、警察署交番で提出することができます。

ただ、交番の場合、警察官が常にいるわけではないことや、長時間事情を聞く体制が整っていないことが多いため、警察署での提出が望ましいです。

警察署に相談に行く場合

事前に最寄りの警察署に連絡をして、概要を説明し、担当警察官に時間を確保してもらうといいでしょう。

どこの警察署がいいのかというと、基本的には、捜査を行う管轄の警察署です。
犯罪が行われた場所か、犯人の住所によって決まります。

管轄が分からない場合は、被害者が出頭しやすい最寄りの警察署でも大丈夫です。
詐欺の犯人の住所が分かっていることもありますが(知人にだまされた場合など)、そのようなことはあまり多くありませんので、基本的には、犯罪が行われた場所の警察署がいいでしょう。

詐欺の電話が自宅にかかってきたような場合は、家から一番近い警察署がいいですし、旅行先で詐欺に遭ったような場合は、旅行先の警察署になります。

まさに今犯罪被害に遭った!
詐欺の電話がかかってきた!

という場合はすぐに110番通報をして、詐欺の被害に遭っていることを伝え、警察官に来てもらうのがよいでしょう。
警察官に被害状況を実際に確認してもらえますし、事情を伝えやすく、迅速な解決につながるからです。

警察官が詐欺の犯罪事実を認知すると、被害届を出すかどうか確認してくることが多いですので、そのタイミングに詐欺の被害届を出したい旨を伝えましょう。

被害届は、事件の発生からできる限り早く提出することが望ましいです。
時間が経てば経つほど、受理される可能性が減ってしまうためです。

どうやって書こう?被害届の書き方

被害届 書き方被害届は通常、警察書の窓口で渡される書類に犯罪の内容を詳しく書いて提出します。

警察官が被害者から状況を聞いて代筆し、被害者に確認させて作成するケースもあります。
その場合は、次のようなことを聞かれます。

  • あなた(被害者)の住所、職業、氏名、生年月日、連絡先
  • 詐欺被害の年月日(最後に無事を確認した日時~被害に気付いた日時)
  • 詐欺被害の場所
  • 詐欺被害の状況(いつ、どこで、誰が、何を、どのような状態で、どうされたか)
  • 犯人についての心当たり(氏名、人相、服装など)

もし受理されなかったら

被害届を出しても、必ず受理してもらえるとは限りません。受理してもらえない場合もあります。

そのような場合は、警察官に何故受理できないのかという理由を尋ね、その理由が合理的であるかを確認します。

理由が合理的であり、被害届の内容を修正することができるのであれば、修正し、受理してもらえるようにしましょう。

取り下げ

被害届を出したあとに、

  • 被害が小さいから今回は目をつぶる
  • 犯人が知り合いだったから示談することにした

というようなこともあると思います。
では、そんなとき、一度捜査機関に提出した被害届を取り下げることはできるのでしょうか。

答えは、書面で行えば可能です。

特に、取り下げる時期について決まりもありません。
しかし、被害届が取り下げられたらその時点で捜査が打ち切りになるわけではありません。

必要があれば引き続き捜査は行われますし、当然、捜査の結果犯罪が認められれば起訴されることもあります。
そのため、被害届を出すときには、一度冷静になって考えてみることも大事です。

詐欺の被害は、相手(犯人)が最初から分かっているときと分からないときがありますので、被害者であるあなたの意思で被害届を出すかどうか、取り下げるかどうか決めましょう。

被害届を出すのは結構手間がかかる!弁護士に相談することはできる?

詐欺の被害に遭うという辛い体験をした上に、警察署での細かいやり取りや、事実の整理などで、被害者が疲弊してしまうことはよくあります。

精神的にもきつい状態で、よりストレスのかかる事務手続きは、心身への負担が大きいです。
そのため、被害届を提出する前に、弁護士や警察に被害届を出すべきかどうか相談することも一つの方法です。

弁護士に相談しておくと、警察から聞かれると思われる事項についてあらかじめ整理することができますし、面倒な捜査機関、犯人、裁判所とのやり取りを任せることで負担が軽減されます。

犯罪被害者に強い弁護士に被害届の提出を依頼することで、受理されやすくなりますし、刑事処罰の可能性、処罰の重さが大きくなる可能性もあがります。

また、刑事的に処理するだけでなく、民事的な争いにするのか(損害賠償請求など)という観点からも考えて、適切な対応をアドバイスしてくれます。

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