ハラスメント 離婚・夫婦トラブル

夫のDVに悩んでいるなら…弁護士の協力のもとすぐに対応を

2019年5月10日

埼玉県でのDV(家庭内暴力)の件数は、認知されているだけでも年に1万件以上となっています。(平成30年、埼玉県ホームページより)

DV被害の報告は年々増加し続けており、それが原因で離婚に至る家庭も決して少なくありません。

平成から令和に時代が移りましたが、残念ながらこの増加傾向は今後も続いていくでしょう。

もし貴女が夫からDVを受けてしまったら
、あるいはすでに日常的に暴力を受けており、それを我慢している状態ならすぐに弁護士に相談しましょう。

全国的にはDVによる死亡事件も発生しており、子供がいる家庭の場合は、子供にも暴力の矛先が向かう可能性がありますから、手遅れになる前に、できるだけ早く対応する必要があります。

そこで今回は、DVをする夫の特徴や心理、実際にDV被害を受けた際の対応や離婚方法などについて解説します。

DV夫の特徴や心理は?

冒頭で説明したように、ここ数年は夫のDVの被害に遭う人が増え続けており、川越市もその例外ではなく、毎年一定数の被害が報告されています。

周りから見るとそういった兆候がみられない人でも、家庭では豹変してDVをしてしまうケースは多くあるため、どういったタイプにその傾向があるかは知識として知っておくことは有効です。

たとえば、以下のようなタイプがDVしやすいといわれています。

  • 外面的には「人当たりがよい」タイプ

いわゆる「外面(そとづら)がよい」タイプで、周囲から「よい人」と思われてることもあります。

ですが、それだけ内面で様々なストレスや葛藤を抱えていて、家庭内で蓄積されたストレスが爆発し、妻に対して暴力を振るうケースがあります。

  • 他人のせいにしがちなタイプ

他者に責任転嫁しがちなタイプも、DV加害者に多いとされています。

他人のせいにしてしまう人は男女問わず一定数いますが、特に男性の場合は殴る、蹴るといった直接的な暴力に出やすい傾向があるため、そのまま妻へのDVにつながるケースが多くあります。

  • 異常に嫉妬深いタイプ

嫉妬深いタイプや相手を束縛しがちなタイプは、相手が自分の思うように動いてくれないとフラストレーションが溜まってしまい、その結果、相手に言うことを聞かせる手段として暴力を振るうことがあります。

ただし、こういったタイプが必ずDV加害者となるわけではありませんから、限度を超えて嫉妬や束縛が暴力につながりそうな場合に素早く対応するようにしましょう。

DV夫とは離婚できるか?

離婚届

実際にDV被害に遭ってしまった場合、何とかして離婚したいと思う人も多いはずです。

DV夫に出て行ってもらったり、離婚することはできるのでしょうか?

DVは立派な離婚理由になる

結論をいえば、DVは民法770条第1項5における「婚姻を継続し難い重大な事由」に当てはまりますから、法的には問題なく離婚ができます

DV加害者のなかには、相手に対して「その程度で離婚なんてできない」と主張するケースもあるようですが、判例をみてもDVが原因で離婚を認められたケースは数多くあります。

特にDV加害者は暴力の後に、反省した様子で「もう殴ったりしない」といって謝罪してくることも多く、それを許してしまうと、結局また暴力が繰り返されてしまうケースが多いことが知られています。

人によっては、つい暴力行為を許してしまう場合もあるでしょうが、たとえ反省の色を見せても、時間が経つと結局DVを繰り返してしまうような場合は、弁護士に相談して離婚を含めた対応を考える必要が出てくるでしょう。

また、殴る蹴るといった直接的な暴力行為だけではなく、暴言や侮辱なども「婚姻を継続し難い重大な事由」となる場合がありますから、そういったことが原因で離婚したいと思った場合も、まず弁護士に相談して問題なく離婚ができるかを確認しましょう。

小さな暴力でも離婚できるケースは多い

子供を抱きしめる母

さらに、夫からのDVに耐える妻のなかには「この程度の暴力で離婚は難しいのでは?」と思って我慢してしまう人も少なくないようです。

しかし、たとえ小さな暴力でも、それが継続して行われているならば、離婚事由として認められますから、事態が深刻になる前に素早く対応することが重要となります。

「自分だけが我慢すればいい」と思ってしまう人も少なくないですが、暴力行為はエスカレートしやすいので、今我慢できたとしても取り返しのつかない怪我を負わされてしまうケースもあります。

特に子供がいる場合は、いつ夫の暴力が子供にも向いてしまうかわかりませんから、早い段階で必要な対応をとることが大事です。

モラル・ハラスメントも離婚事由となることがある

そして、これはDVに限らず、いわゆる「モラハラ=モラル・ハラスメント」でも同じことがいえます。

モラハラとは

モラハラとは、簡単にいえば悪質な「嫌がらせ」のことで、暴言や侮辱、あるいは相手を徹底的に無視したり、外で相手の悪い噂を流したりなど、相手に不快で嫌な思いをさせる言動をいいます。

一種のいじめのようなものですが、これに関しても継続的に行われているならば離婚事由となるケースがありますから、弁護士に離婚できるかどうか相談してみましょう。

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夫にDVされた場合の最適な対応は?逮捕してもらえる?

弁護士バッヂ

それでは、実際にDV被害に遭った場合の適切な対応は何でしょうか?

すでに説明してきたことですが、もっとも重要なのはすぐに弁護士に相談することです。

弁護士ならば、相談者の身の安全を考慮しながら、DV事件に関する事例や裁判所が出した判例などに照らして適切な対応をアドバイスしてくれます。

人によっては、自分一人で解決しようとするケースも少なくないようです。

しかし、実際に事件として警察に連絡する場合や、傷害や暴行で訴える場合、そして後の離婚裁判での争いなどを考えると、法的な視点からどういった対応がベストかを判断できる弁護士の存在は、有利に交渉や裁判を進めるうえで必要不可欠です。

自分の身の安全を確保しつつスムーズに解決するには、まず法律のプロである弁護士に相談して、しっかりと手続きを進めることをおすすめします。

そして、弁護士に相談したうえで取りうるDV対策としては、以下のものが挙げられます。

別居を検討する

別居

夫からの継続的な暴力が予想される場合、自分の身を護って安全な生活を送るためにも、まず別居を検討することが重要です。

暴力の危険がなくなれば、冷静に今後の対応を考えることができますから、まずは安全を確保するという観点で動くことが大事です。

実家に戻ることができる人は、実家の両親や親戚に頼るのも手です。

まして子供にも暴力の矛先が向く危険がある場合は、子供も一緒に夫と別居することを検討しましょう。

特に、離婚後に親権を持ちたい場合は、こちらが子供を養育している実態を主張するためにも、子供を連れて出て行くことをおすすめします。

事実、家庭裁判所は、実際に子供を養育している側に親権を付与する傾向がありますから、子供の同意が得られるならば、できるだけ連れて行くのがベストです。

逮捕してもらうために行動する

DV被害の証拠

DV被害に遭った場合、「夫を逮捕してもらえないのか?」と思う人も多いでしょう。

当然、DVは刑法上「暴行罪」あるいは「傷害罪」となる立派な犯罪で、その事実が認められれば、たとえ夫であっても逮捕してもらうことはできます

ですから、身の危険を感じたら、すぐに警察に通報することが重要です。

警察官によって暴行の事実が確認されれば、夫は警察署に連行されて取調べを受けることになります。

ただし、取調べでDVの事実を素直に認め、刑罰を受け入れる人はそう多くないのが実態で、そのほとんどは「暴行の事実はない」といった無罪の主張をします。

注意ポイント

そこで重要となるのが、
DVの事実を裏付ける証拠となります。

犯罪行為の有無に関しては、犯罪の事実があったことを証明する必要がありますから、被害者側がDVの証拠を集めて捜査機関(警察や検察)に提出しなければなりません。

そのため、

  • 暴力によってつけられた傷を写真に残しておく
  • 病院から怪我の診断書をもらう

などの基本的な対応から、

  • DVの様子を実際に撮影したりボイスレコーダーにその様子を録音しておく

などの措置が有効となります。

このあたりも、やはりDVに関する訴訟に精通した弁護士のアドバイスのもとで、着実に証拠を集めていくことが重要です。

「傷害」で訴えるには?

夫からのDVによってこちらが怪我をしてしまった場合は傷害罪となり、怪我はなくても暴力を受けた場合は暴行罪です。

そして事件として捜査してもらうには、どちらも被害届を警察に出す必要があります。

  • 暴行罪の場合

暴行罪の場合は、こちらに怪我がなければ、暴行された事実を証明するのは難しい場合がありますから、さきに説明したように、DVの事実を裏付ける映像や音声などの証拠を得ているかどうかが重要となります。

  • 傷害罪の場合

一方、傷害罪の場合は怪我の様子がわかるので、暴行罪よりは犯罪の立証がしやすいですが、病院の診断書を添えて訴えた方が、警察も被害があったことが認識しやすいです。

可能であれば、病院で診断書をもらうようにしましょう。

また、診断書が難しい場合でも通院の記録は残るので、通院したという事実だけでも重要な証拠となります。

怪我をさせられた場合は病院で診てもらいましょう。

「やり返す」のは有効か?

人によっては、夫からの暴力に「やり返したい」と思っていたり、実際に暴力に暴力で対応してしまう人もおり、実際に弁護士にそういった相談をするケースもあるようです。

ですが、反撃すると相手からのさらに激しい反撃に遭ってしまう危険が出てきますし、それによって相手に怪我を負わせてしまったり、場合によっては、こちらが不利になるほど相手を負傷させてしまうかもしれません。

そうなると、後の裁判で正当防衛こそ認められるものの、一方的に暴力を受けたのではなく、夫婦喧嘩の延長と判断されてしまう可能性もありますから、何よりもまず自分の身を守りながら逃げることに専念しましょう。

そして繰り返しになりますが、安全を確保したらすぐに弁護士に相談するのがベストです。

夫のDVで弁護士に依頼するメリットは?

このように、DV被害に遭った場合は、すぐに弁護士に相談して適切な対応をとっていくことが重要となります。

法律の専門家である弁護士に相談することで、後の裁判を有利に進めるためにすべきことをアドバイスしてもらえるほか、実際に裁判になった際もDVの証拠をもとに適切な弁護活動を行ってくれます。

また離婚調停をする場合にも、弁護士に協力を依頼することで有利に調停手続きを進められるようになります。

たとえば、

  • 自分の主張を整理し、重要な部分にわかりやすく伝えてもらえる
  • 相手側の主張を踏まえたうえで論理的・説得的に反論をしてもらえる

などがメリットとして挙げられます。

離婚の調停や訴訟の場合、当事者はどうしても感情的になりがちで、自分の思いが先行してしまって話の説得力を欠いてしまうケースが少なくありませんが、弁護士ならば離婚調停の場でもDVの事実に基づいて説得的に主張をしてくれます。

なにより、

  • 自分に暴力を振るった相手と直接交渉しなくてよくなる

という点は大きなメリットといえるでしょう。

交渉ごとをすべて弁護士に依頼することにより、精神的な負担を減らし不安のない日常生活に戻るきっかけをつくることができます。

弁護士事務所の多くは、電話やメールなどで無料相談を受け付けていますから、まずは気軽に相談してみましょう。

なお、無料相談の利用方法や弁護士の選び方など、詳しくは以下の記事で説明していますから、ぜひ参考にしてください。


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重要なのは「~のタイプがDV夫になりやすい」といった類型を知るだけではなく、実際にDV被害に遭った場合や、そうなる可能性が高い場合に即座に対応することです。

そういった場合にすぐ弁護士に相談すれば、解決までの見通しが立ちやすくなり、精神的な負担も軽減できるほか、傷害や暴行で夫を訴える場合や離婚を求める場合でも代理人として交渉を任せることができます。

DV被害に遭ってしまったら、一人で悩まずに積極的に弁護士に相談するようにしましょう。

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