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メルカリの相談急増中?フリマアプリのトラブル対策ポイント

2019年8月21日

ネットショッピング

近年、メルカリラクマ(旧フリル)、ショッピーズなどのフリマアプリが注目されていることは、多くの人が知っているでしょう。実際に利用したことのある人もいるはずです。

モノを手軽に売りたい人と買いたい人を簡単にマッチングできるメリットがあり、売り手はちょっとしたお小遣い稼ぎに、買い手は欲しいものをとても安く購入できるため、利用者は右肩上がりに増え続けています。

しかし便利な一方で、さまざまなトラブルも報告されており、たとえば「購入したのに商品が届かない」「代金が支払われない」「不当なクレームをつけられた」など、売り手と買い手の双方が売買をめぐるトラブルに巻き込まれるケースが増えています。

実際、2018年度の消費生活センターへのフリマアプリに関するトラブル相談は過去最多の4,479件となっており、今後も増え続けることが予想されます(※1)。

もしあなたがフリマアプリを利用しているならば、いつトラブルに巻き込まれてしまうかわからないのが現状です。

メルカリやラクマの場合は、事務局に問い合わせればたいていのトラブルは解決するとも言われていますが、それでも訴訟を含む大きなトラブルを抱えてしまうリスクが決して小さくありません。

そこで今回は、フリマアプリをめぐるトラブルの実態と必要な対策について解説します。メルカリなどを日常的に利用している方や、今まさにトラブルに巻き込まれている方は、ぜひ参考にしてください。

フリマアプリとは?どんなトラブルや相談が多いのか?

フリマアプリはインターネット上で個人同士がモノの売買を行うためのスマートフォン向けのアプリのことです。

出品者は不要なものを簡単に売りに出すことができ、買い手は必要なものを安く購入できるため、性別・年齢問わず人気があり、利用者は右肩上がりに増え続けています。

フリマアプリと似た人気のサービスにオークション(アプリ)がありますが、両者のもっとも大きな違いは、すぐに購入ができるかどうかです。

オークションでは自分が最高値をつけて落札しなければならず、終了までにそれなりの時間がかかってしまいます。

ですが、フリマアプリの場合は、欲しいと思った商品を即決で購入することができます。つまり、一般的なインターネット通販と同じ感覚で、必要なものを安く買うことができるわけです。

気軽に必要なものを必要なタイミングで購入できるため、現在、年齢や性別を問わず多くの人に利用されています。

フリマアプリ

トラブル急増の背景

このように、売る側にとっても買う側にとってもメリットの多いフリマアプリですが、あくまでも個人間同士の取り引きとなるので、企業対個人の取り引きに比べてトラブルが後を絶たないのが現状です。

特に近年の利用者の急増によって、購入者はもちろん、出品者の方もさまざまなトラブルに巻き込まれるケースが出てきており、社会的にも問題視されはじめています。

こういったトラブル急増の背景には、単に利用者のモラルの問題だけでなく、取り引きの場を提供しているアプリ運営企業が、売買をめぐるトラブルに原則として責任を負わないという姿勢があります。

人によっては驚くべきことかもしれませんが、アプリ運営者はあくまでも取り引きの場を提供しているだけであり、そこで行われる売買に関してはすべて当事者の自己責任で行うとしているところがほとんどです。

つまり「何か問題が起こっても当事者同士で解決してください」というスタンスをとっているわけです。

さらに、売買に関する法律(特定商取引法や消費者契約法など)は、基本的に事業者に対して消費者を保護するためのものであり、フリマアプリのような個人間の売買に適用されません。

そのため、トラブルに巻き込まれても、どういう法律が適用されて、どんな結果になるのかがわかりづらく、問題がこじれてしまいやすいのが実態なのです。

フリマアプリのトラブル例:購入者の場合

それでは、フリマアプリで起こりがちな問題の代表例をみていきましょう。まずは購入者が経験しやすいトラブルについてです。

購入した商品が偽物だった

もっともよくあるトラブルとして、購入した商品が偽物だったり、まったく違う商品が届くケースがあります。

たとえば、ブランドものの財布やバッグ、靴などが安く売っていたため購入したが、届いた商品を開けてみたら偽物のコピー商品だったというケースは少なくありません。

出品者の手違いで違う商品が届いてしまったのであれば、すぐに連絡をして正規のものに代えてもらえば問題ありません。

ですが、出品者が悪意で違う商品を送っていたり、偽物のブランド品を売りつけようとしている場合、その後の取り引きに応じてくれないことがあります。

実際、明らかな偽物のブランド品を送付してきた出品者に対して「偽物だから交換して欲しい」と求めたところ、相手から「確かに本物を送った。返品に応じると偽物が送り返される可能性がある」といった趣旨の返事が来て、返品できなかったケースがあります。

写真と送られてきた商品の状態が違った

写真と商品の状態が違う商品自体は本物ではあるものの、商品紹介のページに掲載されていた写真と実際に送られてきた商品の状態がまったく違っていることもあります。

たとえば、商品説明では「ほぼ未使用」とされており、綺麗な状態の写真が掲載されていたため、安心して購入したところ、実際に送られてきたのはかなりの使用感があったり、傷やシミがついていたということはフリマアプリで頻繁に起こっています。

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商品の状態に関する評価は出品者の主観によるところが大きいため、現状では商品ページに写真や説明文が真実とは限らないことを理解して利用するしかありません。

送料込みのはずが着払いで届いた

商品代金が「送料込み」と記載されていたにもかかわらず、商品が着払いで届いたというケースもあります。

個人間の売買でよく問題となるのが「送料をどちらが負担するのか」という点ですが、多くの場合は購入者が負担することになります。ただし、商品代金にすでに送料が含まれているケースや、稀にですが、出品者が負担してくれるケースもあります。

そういった場合、送料の負担については商品ページに明記されているのが普通ですが、送料が商品代金に含まれると記載されているにもかかわらず、着払いで送られてきて対応に困ってしまう購入者が少なくありません。

出品者と連絡がつかなくなる

商品を購入しても送られてこないまま出品者が音信不通になってしまったり、キャンセルを申し出たのにレスポンスがないなど、そのまま連絡がつかなくなってしまうこともあります。

そうなると、せっかくの取り引きが無駄になってしまい手間だけがかかってしまいます。

人によっては何週間も経ってからレスポンスが返ってくることもありますが、必要なときに肝心のモノがなくて、必要なくなってから届くといった事態になりかねません。

企業対個人の取り引きでは売り手の企業側が音信不通になることは滅多にありませんが、個人間の取り引きであるフリマアプリでは、かなり多いケースですから注意が必要です。

フリマアプリのトラブル例:出品者の場合

逆に出品者側もトラブルに巻き込まれることがあり、代表的なものとして次のケースがあります。

購入されたのに代金が支払われない

出品者がもっともよく遭遇するトラブルは、購入の意思表示をされたのに、その後、まったく代金が払われずにそのままになってしまうことです。

多くのフリマアプリでは、支払い期限までに購入者が支払いをしなければ自動的に注文がキャンセルになるシステムになっているため、そこまで深刻なトラブルになることはありません。

しかし、出品者としてはできるだけ早く商品を売りたいと思うのが普通であり、いつまでも代金が支払われなければ、キャンセルになるまでの間、商品を他の人に売ることができなくなってしまいます。

特に花火やクリスマスツリーなど、期間限定で需要が高まるような商品を扱っていた場合、支払いをしない購入者のために商機を逃してしまうリスクが出てきます。

また購入者によっては、買う気がなくても、とりあえず商品をキープしておく感覚で購入してしまう場合もあるので、キャンセルになるまで他の人に商品を買ってもらうことができずに困っている出品者は少なくありません。

商品に「言いがかり」をつけられる

フリマアプリのトラブル問題のある商品を売ってクレームをつけられるのは出品者の責任ですが、何も問題のない商品にもかかわらず、購入者が一方的にクレームをつけてくるケースもあります。

「商品写真と実物が違う」「商品に傷がついていた」などの理由で代金の支払いを拒否したり、着払いで返送してくるような購入者もいます。

場合によっては、理不尽な言いがかりをつけて返金要求をしてくる人も少なくありません。

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さらに、そういったトラブルに巻き込まれた挙句、アプリの出品者評価でとても低い評価をつけられてしまい、その後の出品にも悪影響が出てしまうケースも実際に起こっています。取り引きが終わってからクレームをつけてくる購入者もいるので注意が必要です。

未成年者が購入できない商品を買っていた

お酒やタバコなどは、フリマアプリであっても未成年者が購入することはできません。しかし、アプリに偽の個人情報を登録することで、本来は購入できない品物を買おうとする人がいます。

そのほとんどが未成年者であり、お酒やタバコのほか、購入に親権者の同意が必要な物であっても平気で購入する子供が後を絶ちません。

出品者側には購入者のプロフィールの真偽を確認する方法がなく、提示された情報を信じるほかないため、知らず知らずのうちに未成年者にお酒やタバコを販売したことで、後々トラブルに巻き込まれてしまう可能性があるのです。

実際にフリマアプリのトラブルに巻き込まれたら?問題解決法と対策

それでは、フリマアプリで上述のようなトラブルに巻き込まれたら、どうすればよいのでしょうか?

まず考えられるのはアプリ運営者に連絡して対応してもらうことですが、すでに説明したように、アプリ運営者は取り引きの場を提供しているだけであって、利用者の売買については自己責任としているケースがほとんどです。

そのため、何かトラブルがあっても「当事者同士で解決して欲しい」と言われることが多いですが、相手が利用規約で禁じられている行為をした場合や、あまりに悪質なケースなどは対応してくれることもあるようです。

もし売買上のトラブルで解決が難しい場合は、まず運営会社に相談するとよいでしょう。

そのうえで解決できない場合は、以下の順で相談しましょう。

消費者センターに相談する

運営会社がトラブルに対応してくれない場合、まず最寄の消費者センターに相談しましょう(※2)。

消費者センターとは、各地方公共団体が設置している行政機関で、消費者の苦情や相談、生活に関するさまざまな情報提供を行っている組織です。

売買をめぐるトラブルは事業者と個人の間のものが多いですが、フリマアプリのような個人間のトラブルの場合でも相談にのってくれます。

また、消費生活センターのホームページには、実際のフリマアプリのトラブルの事例や解決策なども紹介されていますので、参考にするとよいでしょう。

ただし、消費者センターに相談してもトラブルが解決できないケースも多いため、まずは相談してみて解決に時間がかかったり、一向に状況が進展しない場合は、最終的には弁護士に相談することをおすすめします。

警察や銀行に相談する

入金だけさせて商品が送られてこないなど、明らかな詐欺の場合は警察に連絡して被害届を出しましょう。

各警察署のサイバー犯罪対策課が捜査に乗り出してくれます。

相手方にも「商品をしっかり届けてくれないと警察に連絡する」などと伝えれば、取り引きに応じてくれる可能性が高まります。

また、商品代金を口座振込みで支払った場合などは、対象の銀行に連絡すれば対応してくれることがあります。

特に近年は、振込め詐欺などが多発していることから、平成20年6月から「振り込め詐欺救済法」が施行されており、振込口座の残高を上限に、被害回復分配金の支払いを受ける方法があります(※3)。

被害回復分配金とは、振り込め詐欺の被害者が振り込んでしまった口座を金融機関が凍結し、被害額や凍結した口座の残高に応じて、損害の全部または一部を回復のための分配金として受け取ることができるものです。

分配金の詳しい額や算定方法などは金融機関ごとに違っていますが、受け取るためには必ず被害者からの申請が必要となります。

そのため、被害に遭ったことがわかった場合には、警察に相談するだけでなく、できるだけ早く振込先の金融機関にも連絡しましょう。

弁護士に相談する

フリマアプリでのトラブルのほとんどは、出品者か購入者のどちらかが金銭的被害を被るケースです。

詐欺などの場合は警察に連絡して刑事事件の手続きに入ってもらう必要がありますが、実際に自分が受けた金銭的被害については民事訴訟となりますから、自分で裁判を起こさなければなりません。

その場合には、弁護士に相談するのがベストです。

弁護士ならば、トラブルの状況や被害状況などから適切な対応を判断してくれます。

たとえば、送られてきた商品に傷や汚れなどが目立つ場合は、相手方に瑕疵担保責任を追及することで契約自体の解除や損害賠償の請求ができます。

瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん):売買契約で購入したものに、契約時点では明らかになっていなかった隠れた「キズ」があった場合、売り手が買い手に対して負わなければならない契約解除や損害賠償などの責任のこと。法的に物品についたキズのことを「瑕疵(かし)」という。

また、商品が送られてこない、支払いがされないなどのケースでは、相手方に商品の発送や支払いなどを求める内容証明郵便を送ることができますが、どういった書面にすべきかわからない人も少なくありません。

ですが、弁護士ならば、そういった相手方に行動を起こしてもらうための内容証明郵便の発送の代行もしてもらえます。

内容証明郵便:郵便局が「誰が誰に、いつ、どんな内容の手紙を出したか」を公的に証明してくれる郵便のこと。これによって相手方は「連絡を受けていない」といった言い訳ができなくなる。

フリマアプリのトラブルを弁護士に相談するメリット

このように、フリマアプリのトラブルが解決できない場合、最終的に相手方と訴訟によって決着をつけることになりますが、ほとんどの人は訴訟の経験がないため、具体的にどういった手続きをすればよいかがわかりません。

さらに、訴訟には何ヶ月もの時間が掛かるため、被害額がそれなりに大きくても面倒だと感じて何もせずに終わらせてしまう人も少なくないのです。

しかし、弁護士に相談すれば、訴訟に必要な手続きを代行してくれるほか、裁判所にも依頼者の代わりに出頭してくれるので、事件解決までのほとんどのプロセスを任せることができます。

弁護士に相談

また、個人的にトラブルを解決しようとすると、相手方はまともに取り合ってくれないことが多いですが、弁護士が話し合いを持ちかけることによって応じてくれる可能性が高くなります。

もし弁護士からの働きかけを無視すると、まず間違いなく訴訟が待っていると思うからです。

特に最近ではネット上での詐欺被害を専門的に扱っている弁護士も増えています。

ネット上でのトラブルの解決に慣れている弁護士に相談すれば、代わりに加害者の割り出しを行ってくれたり、代金の回収を任せることもできます。

消費者センターへの相談も重要ですが、確実に解決したい場合は弁護士に相談することをおすすめします。

なお「弁護士に依頼するとお金がかかる」と不安になっている人は、まずは無料相談を利用してみるとよいでしょう。

そこでトラブルの相談をすれば、最終的にいくらぐらいかかるのかを確認できます。

弁護士の無料相談については以下の記事で説明しています。参考にしてください。

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フリマアプリでのトラブルの実態と対処法について解説しました。

フリマアプリは簡単に売買ができる便利なシステムですが、年々トラブルが増え続けています。

利用する際には「相手が信用に足る人物か」をしっかり見極めてから取り引きするようにしましょう。

事前に相手の評価を確認するのはもちろんですが、少しでも「怪しい」と感じたら取り引きしないのがベストです。

それでもフリマアプリの売買でトラブルに遭ってしまった場合には、まず運営者に報告し、それで解決できなければ消費者センターや弁護士に相談することをおすすめします。

自分だけで解決しようとすると、時間がかかってしまったり、最終的に泣き寝入りするしかなくなってしまうケースも少なくありません。

特に被害に遭った分を確実に取り返したいという場合は、早い段階で弁護士に相談するとよいでしょう。

最終的に訴訟になった場合にも、必要なプロセスを任せることができますから、こちらの負担を最小限に抑えることができます。

今ではネットや電話で無料相談を受けてくれる弁護士や弁護士事務所も多いですから、積極的に利用しましょう。

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    [参考資料]
    ※1:フリマアプリ、トラブル相談急増 昨年度4千件超、法規制の対象外(共同通信) - Yahoo!ニュース

    ※2:独立行政法人 国民生活センター

    ※3:金融庁ホームページ

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