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離婚するために別居したい!失敗しないために知っておくべきこと

2019年10月21日

離婚しそうな夫婦

離婚する前に別居する夫婦は多いですが、別居しなければ離婚できないというわけではありません。

同居したまま離婚を迎える夫婦もたくさんいます。

ただ、離婚したいがために別居するという場合は、注意が必要です。

離婚交渉に不利になったり、場合によっては離婚がなかなか認められないこともあります。

特に、子供がいる場合は要注意です。

また、別居後の生活費についても考えておかなければなりません。

この記事では、離婚で失敗しないために別居を始めるあたって知っておくべきことを解説します。

離婚したくて別居を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

離婚するために別居するのは正しいのか?

家離婚することと別居することには直接的な関係はありません。

別居しようが同居していようが、離婚できるケースでは離婚できますし、できないケースではできないということになります。

ケースによって離婚するために別居するのが正しいこともありますが、リスクにも注意が必要です。

では、離婚と別居がどのような関係にあるのかをみていきましょう。

別居するかどうかで離婚できる確率に違いはあるか

別居することには、離婚の一歩手前の段階という側面もあります。

別居することで離婚できる確率が高まるのは事実です。

夫婦には法律上の同居義務があります。

一緒に生活して助け合うのが夫婦本来の姿であることを法律も認めているのです。

この同居義務を放棄してまで別居するということは、夫婦としての実態がかなりの割合で失われていることになります。

また、法律上の義務を持ち出さなくても、夫婦は同居するのが通常です。

単身赴任など仕事上の必要性などもないのに別居するということは、夫婦間に何らかの問題があって一緒に生活することができない、または一緒に生活するのが苦痛な状態になっていることが一般的です。

いずれにしても、別居することは婚姻関係が破綻していることの現れになるので、離婚が認められやすくなります。

要注意!別居が離婚で不利になることもある

夫婦仲が険悪になっていて、既に婚姻関係が破綻している場合であれば、同居義務も実質的に消滅しているので別居しても問題ありません。

そこまで夫婦関係が悪化していなくても、話し合いなどの結果、お互いが別居を了承している場合も離婚で不利になることはありません。

DVやモラハラなどによって、同居を続ければ夫婦のどちらか一方の生命や身体に危害が及ぶおそれがあるときは、早急に別居すべきです。

このような場合は同居義務違反は問題になりません。

以上のような事情がなく、それまで夫婦仲に特に大きな問題はなかったのに、離婚したいからといって一方的に家を出ると同居義務に違反する可能性があります。

強行的に別居を開始すると、慰謝料を請求される場合もあるので注意が必要です。

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自分から別居したために慰謝料を請求されるのはこんなケース

基本的には、相手の同意がないのに別居すると慰謝料の問題が出てきます。

上記のように既に婚姻関係が破綻している場合や、DV・モラハラなどがある場合は別ですが、そうでない限りは、同居義務違反という不法行為をしていることになるので、理論的には相手に慰謝料を支払う義務があります。

特に、性格の不一致が理由で夫婦の片方だけが離婚を望んでいる場合は要注意です。

話し合いもしないで一方的に別居を開始すると、相手から慰謝料を請求される可能性が高いです。

なお、慰謝料の金額は個別の事情に応じて異なりますが、10万円~50万円程度が相場です。

相手の収入が少ないのに別居後に生活費を送っていない場合は、「悪意の遺棄」があると判断されて、慰謝料がより高額になる恐れがあります。

悪意の遺棄とは

正当な理由なく夫婦の義務(同居・協力・扶助)に反することをいいます。

状況や期間によっては、一方的な別居だけでも悪意の遺棄にあたる場合もあります。

有利に離婚するためには別居しないという選択肢も

離婚したいがために別居を考えている方の中には、「夫婦仲に特段の問題はないけれど離婚を認めてもらうための戦略として別居したい」という方もいらっしゃるかと思います。

しかし、これといった離婚原因がないのに離婚を認めてもらうのは難しいですし、一方的に別居をすると慰謝料を請求されるというリスクもあります。

そんなときは、無理に別居するよりも同居したまま話し合いを進めるなり、別の戦略を考えるなりした方が得策になる場合もあります。

同居したままでどのように離婚に向けて準備をすれば分からない場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士の法律相談を無料で受ける方法もあるので、まずは相談だけでも早めにしてみると良いでしょう。

弁護士の無料相談については、こちらの記事で解説していますので、参考にしてください。

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何年くらい別居すれば離婚が認められる?

2つの時計別居することが離婚に及ぼすリスクを説明してきましたが、別居することで離婚が認められる確率が高まるのも事実です。

明確な離婚原因がないようなケースでも、別居が長引けば夫婦関係の破綻の度合いが深いことの現れになるので、婚姻を継続しがたい事情があるものとして裁判でも離婚が認められやすくなります。

目安としては5年程度が必要

どれくらいの期間別居が続けば裁判で離婚が認められるかというと、5年程度が相場となっています。

ただし、ケースバイケースで幅があり、短ければ2年程度で認められるケースもありますし、長ければ10数年別居して初めて認められるケースもあります。

夫婦のどちらが別居に至る原因を作りだしたのかという点や、婚姻期間の年数によっても違いが出てきます。

相手に明確な離婚原因がないのに離婚したいという場合は、5年以上の別居を見込んでおいたほうが良いでしょう。

自分のほうに不倫などの離婚原因がある場合は、10数年かかる場合もあるので注意が必要です。

基本的には期間にこだわらないこと

離婚したいがために別居をするのも間違いではありませんが、上記のように、離婚が成立するまでにはそれなりの年数がかかってしまいます。

そもそも、別居というのは夫婦がお互いに、またはどちらか一方が、どうしても同居するのが苦痛で生活に支障が出てしまう場合や、DV・モラハラなどのために身の危険があるような場合にするものです。

そのような事情がある場合は、別居を開始してから5年もかからずに離婚が認められるケースがほとんどです。

特段の事情がなく、性格の不一致などで離婚したい場合は、別居する前にまずは話し合うべきです。

話し合いをして、すぐに離婚できないのであれば、夫婦関係を改善するためにいろいろな取り決めをしてみましょう。

その後の共同生活においてその取り決めが守られなければ、やがて夫婦生活も破綻していくものです。

そうすれば、徐々にですがスムーズに別居、離婚ができる状態になっていきます。

戦略的に別居を開始して離婚につなげるためには難しい問題もあるので、すぐに別居したい場合は離婚問題の経験が豊富な弁護士に相談してみましょう。

優秀な弁護士の探し方については、こちらの記事で解説していますので、参考にしてください。

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別居中の生活費はどうすればいいのか?

家の模型と財布同居している間、相手の収入に頼って生活していた場合は、別居を開始すると生活費に困ってしまうことになります。

別居中の生活費をどうするのかということも、別居開始前に考えておく必要があります。

当然だが別居するためには費用がかかる

自分が家を出て別居する場合には、住居を借りるための敷金や礼金、毎月の家賃や水道光熱費、食費その他の費用がかかります。

自分で全てまかなえるのなら問題ありませんが、足りない場合はどうすれば良いのでしょうか。

生活費は相手に請求できるが注意も必要

別居中の生活費は、「婚姻費用」として相手に請求することができます。

婚姻費用とは、夫婦が生活していくために必要なお金のことです。

夫婦には婚姻費用を分担する義務があります。

つまり、夫婦はお互いの収入を合わせて、2人が生活できるようにしなければならないのです。

別居中でも、離婚が成立するまでは夫婦なので、婚姻費用分担義務は続きます。

相手が請求に応じてくれない場合は、家庭裁判所に婚姻費用分担調停を申し立てて、適切な婚姻費用を支払ってもらえるように決めることができます。

ただし、生活費の支払いを相手に請求できるからといって、お金の心配はいらないと考えることはできません。

婚姻費用の分担というのは、夫婦がお互いに同水準の生活ができるように生活費を分担するものです。

相手の生活を脅かしてまでこちらにお金を支払ってもらうということはできません。

それに、婚姻費用の分担を取り決めても、離婚が成立するまで毎月ずっと支払いが続くケースは少数です。相手が支払わなくなるケースが多いのです。

現実にお金が足りなければ生活していくことはできません。

離婚したいがために別居する場合は、できれば自分の収入か両親の援助などで最低限の生活はできる程度のめどを付けておいた方が安心です。

子供がいる場合に別居するときは注意が必要

抱っこされる子ども子供がいる夫婦の場合は、別居を開始するときに、子供をさしあたりどちらが引き取るかを決めなければなりません。

話し合いの結果、自分が親権者になることを合意できた場合は子供を連れて別居をしても問題ありません。

しかし、相手も親権を望んでいて、話し合いがまとまらないうちに無断で子供を連れて家を出ることには大きな問題があります。

無断で子供を連れて別居するのはおすすめできない

相手の了解なく子供を連れ去る形で別居を開始した場合は、「未成年者略取罪」という刑法上の犯罪に該当する可能性があります。

離婚前であれば、相手にもこちらにも親権があるので未成年者略取罪が問題になることはまれですが、相手の親権を一方的に侵害したことで民事上は違法になります。

違法行為なので、相手から慰謝料を請求されることもあります。

以前は、無断で子供を連れ去ったケースであっても、その後の別居生活において子供の養育に支障がなければ、その現状を維持することが重視されて、そのまま親権を獲得できる場合も多くありました。

しかし、近年、子供を連れ去る形で別居することが社会問題化し、今では、家庭裁判所でも子供を連れ去った状況や経緯を重視されており、悪質なケースでは親権が否定されることがあります。

子供を連れて別居したい場合は、まずは相手と話し合うことです。

話し合いがまとまらなければ、家庭裁判所に「子の監護者の指定調停」を申し立てましょう。

離婚が成立するまでは親権は父と母の両方にありますが、監護権を親権から切り離して、監護者に指定された方が別居後に子供を引き取るのです。

監護権とは、子供の身のまわりの世話やしつけなどをする権利のことで、離婚前でも親権から切り離して監護者を指定することができます。

調停でも話し合いがまとまらなければ、「監護者指定審判」に移行して、家庭裁判所に監護者を指定してもらうことになります。

なお、子供が相手から虐待されていたり、自分が相手からDVを受けていて子供にも影響が及んでいるような場合には、無断で子供を連れ去っても違法にはなりません。

扶養の問題は別居前から考えておこう

婚姻中は、妻と子供が夫の扶養に入り、夫は扶養控除を受けて税金を減額されている家庭が多いでしょう。

妻子が夫と別居しても、離婚が成立するまでは扶養関係が続きます。

したがって、自分の社会保険料の負担が増えることもありませんし、夫も扶養控除を受け続けることができます。

しかし、離婚が成立すると、夫の扶養から外れます。

仕事をしていないか、パート勤務をしている場合は国民年金と国民健康保険に加入する必要があります。

離婚前に相手の扶養から外れるメリットはあまりありませんが、いずれは離婚して社会保険料を負担しなければならなくなるので、金銭的な見通しを立てておくことが必要です。

できる限り、別居前から扶養の問題も考えて家賃を検討するなど、計画的に行動するのが理想的です。

失敗しないために別居前から準備すべきこと

ノートに記録をつける女性離婚するために別居するなら、離婚で失敗しないための準備を別居前にしておく必要があります。

相手に不倫などの離婚原因がある場合は、その証拠を確保しておくことです。

別居後は相手のプライベートなことにはなかなか踏み込めなくなりますが、別居前ならいろいろな証拠の確保が可能です。

相手のスマホやパソコンでメールやLINEなどをチェックすると不倫相手とのやりとりが見つかることがあります。

他にも、電話の通話履歴やクレジットカードの利用明細、相手のメモや日記なども証拠になることがあります。

相手の帰宅時間や休日に出かけたこと、相手の言動などを自分の日記に記録しておくのも有効な証拠になります。

また、財産分与を請求する際には相手の財産を把握することが重要です。

預貯金通帳や不動産の権利証、株式などの有価証券、生命保険証書などが見つかれば、コピーを取って証拠化しておくこともできます。

別居後に財産分与を請求しても相手に財産隠しをされてしまう恐れがあります。

同居中に可能な限り調べて、証拠を確保しておきましょう。

このように、別居する前に考えておくべきことはたくさんあります。

何から考えれば良いのか分からない場合は、早い段階で弁護士に依頼するのがベストです。

弁護士に依頼するためには費用が気になると思いますが、こちらの記事で弁護士費用について詳しく解説しているので、参考にしてください。

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離婚したいなら別居する前に弁護士に相談しよう

別居さえすればいずれ離婚できると思っていた方もいらっしゃると思いますが、そうとは限らないことがお分かりいただけたでしょうか。

具体的な事情によって、別居が離婚に有利になるケースもあれば不利になるケースもあり、場合によっては慰謝料や犯罪の問題が出てくるケースもあります。

自分のケースでどうすれば良いのかが分からない場合は、経験豊富な弁護士に相談するのが一番です。

別居を考えているほどであれば、相手との生活が苦痛でつらい事情がおありだと思います。

早めに弁護士に相談して、別居・離婚に向けて正しい選択をされることをおすすめします。

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