こんな疑問をお持ちではありませんか？
著作権を侵害している動画を、意図せずYouTubeに投稿してしまっているケースは決して少なくありません。
気付かずに放置していると後々大きな事態に発展してしまうことも。
そこで、この記事では、
- YouTubeで必要な著作権の基礎知識
- 動画の種類別の解説
- 著作権侵害で発生する問題
について解説します。
YouTubeの著作権トラブルから自分の身を守るために是非ご一読ください。
YouTubeで必要な著作権の基礎知識
YouTubeに動画を投稿する場合、著作権についての基礎知識を理解しておくことは非常に重要です。
基礎的な知識が無ければ
- YouTubeで著作権をどこまで気にするべきなのか
- NGとなるのはどのようなケースなのか
の判断ができなくなるからです。
ここでは、YouTubeで必要になる著作権の基礎知識について解説します。
著作権とは？
著作権とは、「著作物を保護するための権利」のことです。
さらに著作権は図のように分けられます。
YouTubeへ動画を投稿する場合、これら3つの権利を侵害しないように注意する必要があります。
YouTubeで著作権の対象となるもの
それでは、どのようなものがYouTubeで著作権の対象になるのでしょうか？
著作権の対象となるもののうち、特にYouTubeで問題になりやすい著作物は以下のとおりです。
| 種類 | 具体例 | YouTubeでよくある使用例 |
|---|---|---|
| 音楽の著作物 | 楽曲及び楽曲を伴う歌詞など | 「歌ってみた」の動画など |
| 映画の著作物 | 劇場用映画、テレビドラマ、ネット配信動画、アニメ、ゲームソフトなど | ファスト映画、ゲーム実況など |
| 写真の著作物 | 写真、グラビアなど | 他人が撮影した写真やグラビア写真の無断使用など |
| 美術の著作物 | 漫画など | 漫画のゆっくり解説動画など |
上記のような著作物をYouTubeで使用する場合、著作権を侵害していないか確認する必要が出てきます。
どこまでが著作権侵害？動画の事例別に解説
次に、具体的にどのようなケースが著作権の侵害にあたるのか、動画の事例別に見ていきましょう。
ゲーム実況動画
ゲーム実況動画とは、ゲームのプレイ画面を撮影して、プレイヤーによる解説などと一緒に配信する動画のことです。
ゲーム実況動画が、著作権を侵害しているかは
「ゲーム会社の許可が出ているか」によって左右されます。
プレイするゲームの著作権は、ゲーム会社が管理しているからです。
ゲーム会社の許可なくプレイ画面を配信すると、著作権の侵害にあたる可能性が高くなるでしょう。
もっとも、「任天堂」や「バンダイナムコ」などをはじめ、一部のゲーム会社では、ゲーム実況動画の配信について、ガイドラインを公開しています。
この場合、ガイドラインに沿って配信すれば、著作権の侵害には当たりません。
漫画の解説系の動画
漫画の解説系の動画では、漫画の利用が「正当な引用の範囲内」といえるかがポイントです。
正当な引用の範囲とは？
報道、批評、研究などの目的で行われる引用のこと。（著作権法第32条1項）
例えば、漫画のストーリーについて考察したり、自分なりに分析している動画であれば「正当な引用の範囲」といえるため、著作権上の問題は生じにくいでしょう。
一方、漫画のストーリーやセリフを紹介するだけの動画であれば、「正当な引用の範囲」ではないと判断される可能性が高くなります。
「正当な引用の範囲」を超えて、
- 漫画をそのまま転載する
- キャラクターのイラストを利用する
- セリフを切り抜いて利用する
等の行為を行った場合、著作権の侵害にあたるため、十分に注意しましょう。
音楽系の動画
音楽系の動画も、「ゲーム実況」と同様に、楽曲の使用を管理会社が許可していれば、著作権の侵害には当たりません。
特に「JASRAC」「NexTone」等が著作権を管理している楽曲については、YouTube側で包括契約を結んでいるため、著作権の侵害に当たらない場合が多いです。
ただし、YouTubeで人気の「歌ってみた」動画など、楽曲の使い方によっては、包括契約を結んでいても著作権侵害に当たる場合があります。
「歌ってみた」と著作権の解説については、こちらの記事をご一読ください。
-
-
YouTube「歌ってみた」の著作権は？撮影するための注意点！
好きなアーティストの曲を歌ってYouTubeに投稿したい 大人気の「歌ってみた」動画を自分も作成してみたい 「歌ってみた」動画を投稿したけど、著作権が心配、、、。 弊所でも、最近こんな相談をいただく機 ...
続きを見る
著作権を侵害するとどうなる？発生する2つの問題
では、万が一著作権を侵害してしまうとどうなるのでしょうか？
ここでは、著作権を侵害すると発生する問題について、
- YouTube上の問題
- 法律上の問題
に分けて、解説します。
YouTube上の問題
YouTube上では、著作権者から、「著作権の申し立て」という連絡が来ます。
著作権の申し立てとは？
著作権で保護されたコンテンツが、YouTubeに無断で掲載されていた場合に、著作権者
がとる手段のこと。
- Content ID の申し立て
- 著作権侵害による削除通知
の2パターンがあります。
「Content ID の申し立て」であれば、問題ないことが多いですが、「著作権侵害による削除通知」が来てしまうと、最悪の場合、チャンネルの永久削除にも繋がりかねません。
「著作権の申し立て」についての詳細は、こちらの記事でご確認ください。
-
-
YouTubeで著作権の申し立てを無視するとどうなる？対処法も解説！
YouTubeに動画を投稿していると、突然「著作権の申し立て」という連絡が来ることがあります。 なんだかよく分からないけど、これ何？無視してもいいの？「どう対処するのが正解？」 こんな疑問が湧いてくる ...
続きを見る
法律上の問題
著作権侵害は、法律上も立派な犯罪行為です。
例えば、著作権法では「10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金刑」が著作権侵害に対する罰則として、定められています。
つまり、安易にYouTubeへ動画を投稿し著作権を侵害していると判断されてしまうと、最悪の場合10年間も刑務所に入ることになるのです。
民事上も、損害賠償を請求される可能性が出てきます。
うっかり著作権を侵害してしまった場合、すぐに弁護士に相談することをおすすめします。
著作権に引っかからない方法
最後に、著作権に引っかからないための方法を解説します。
以下の方法で動画を作成すれば、著作権に引っかかる可能性を格段に下げることができるでしょう。
- YouTubeオーディオライブラリを使用する
- 著作権切れの著作物を利用する
それぞれ説明します。
YouTubeオーディオライブラリを使用する
YouTubeオーディオライブラリは、YouTubeが公式で提供しているBGMや効果音の素材サイトです。
ここに掲載されている音源は、YouTubeアカウントを持っている人であれば、誰でも自由に無料で利用することができます。
著作権上の問題が生じる危険性も無いため、積極的に検討したい選択肢の1つです。
著作権切れの作品を利用する
著作権切れの作品を利用することも一案です。
実は、著作権は永久に保護される権利ではありません。
著作者が亡くなって70年が経過すると、誰でも自由に利用できるようになるのです。
例えば、ディズニーの人気キャラクター「ミッキーマウス」や「くまのプーさん」でも、一部の作品は、既に著作権切れとなっています。
（「蒸気船ウィリー」に登場する初代版ミッキーマウス等）
そのため、これらの作品に登場するキャラクターは、誰でも自由に利用することができます。
こういった著作権切れの作品を用いて動画を作成すれば、著作権の問題が起こる可能性は格段に低くなるでしょう。
著作権を侵害してしまったら弁護士に相談しよう
この記事では、
- YouTubeで必要な著作権の基礎知識
- 著作権を侵害するケース
- 侵害してしまった場合のリスク
についてお伝えしました。
うっかり著作権を侵害している動画を投稿してしまうと、後々大きな問題に発展してしまう可能性も低くありません。
自分が投稿した動画が、著作権を侵害しているか迷ったら、弁護士に相談しましょう。
著作権侵害の連絡が来る前に、事前に対処しておくことが、自分の身を守ることに繋がります。
このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシーと利用規約が適用されます。