相続・贈与

携帯の解約、本人が死亡したときはどうしたらいい?

スマホを見ながらメモを取る人

携帯電話の契約はMNP導入とともに解約の自由度が増してきました。

しかし、本人が死亡してしまった場合の解約(または名義変更・承継)は家族・相続人が店頭に出向かなくてはならないなど、面倒な手続きが残っています。

解約が遅れるとその分の料金は支払わなくてはなりません。

手続きを速やかに済ませるために、この記事では解約時にありがちなトラブルの例と解約手順についてお話します。

※近年では格安スマホも増えてきていますが、まだ大手3社が圧倒的なシェアを占めています。 そこで今回は、主に大手3社(NTTドコモ、ソフトバンク、au)の手続きについて説明します。

※この記事で「携帯電話」というのはスマホとガラケーの両方の意味です。

本人死亡後、携帯電話の解約が遅れたときは

カレンダーと電卓

身内が亡くなった直後は葬儀などいくつもの手続き・手配を行わなくてはなりません。

そんな中で、携帯電話の解約を忘れてしまうということも考えられます。

その場合はどうしても遅れた分の料金が発生してしまいます。

ショップ側の不手際が明らかな場合は事情を話して遅れた分の料金は払わなくてよいようになることもあるようです。

しかし、あくまでも個別のケースなので、どのようなケースではどうなるということが言えません。

また、解約したはずなのに毎月料金が引き落とされているといった場合はすぐにショップに連絡しましょう。

解約したと思っていても書類の不備などで解約が完了していないことが考えられます。

解約手続きを速やかに、確実に行うために、手順・用意するものなどを把握しておきましょう。

高額な違約金を請求されたときは

死亡した家族の携帯を解約したら違約金を請求されました。本人が亡くなっている場合でも違約金を払わなくてはいけないでしょうか?

死亡時の解約では違約金は発生しません。年契約型割引などでも費用はかかりません。

通話料金など解約するまでの通常の費用と端末代金の残額がある場合は完済する必要があります。

もし、違約金などを請求されたときは、事務処理上の手違いが考えられますので、電話会社に事情を説明してください。

料金を払わないでいると訴訟になる

亡くなった父の携帯を解約しなくてはならないのですが、口座は凍結されているのでこのまま放っておいても自然消滅するのでは?と思うのですがいかがでしょう?

携帯電話の契約は自然消滅しません。

放っておくと月々の料金が増え続け、最終的には差し押さえ・訴訟ということにもなりかねません。

この場合の相手方は電話会社ではなく債権譲渡された債権回収会社になっていることが多いようです。

さらに滞納の情報が登録されて、借り入れやローンを組むことが難しくなってしまいます。

できるだけ早く解約の手続きをすすめて完済するのがよいでしょう。

携帯電話の契約者が死亡~解約手順

スマホと書類

大手3社の解約手続きは概ね同様の手順になります。

  1. 契約内容を確認する
  2. ショップに来店予約する
  3. 必要なものを用意する
  4. ショップに出向き手続きを行う

①契約内容を確認する

あらかじめ、どのような契約になっているかを契約書などで確認しておくほうが話が簡単にすすみます。

契約書がみつからないときは、次の②でショップに電話をかけるときに確認しましょう。

②ショップに来店予約する

電話やwebなどで、最寄りのショップに「携帯電話の契約者が死亡したこと」、「解約すること」を伝えて予約をとります。

このときに、用意する必要があるものを確認しておきましょう。

予約をする前に携帯電話番号をメモしておくとよいでしょう。

③必要なものを用意する

解約するのに必要なものは、3社ともほぼ共通しています。

細かい相違点は①の電話をかけたときに確認できます。

  • 携帯電話の契約者が死亡したことを証明できる書類
    除籍謄本、葬儀の礼状、死亡診断書など。コピーで大丈夫です。
  • 手続きをしに店頭に行く人の身分証明書・認印
    運転免許証、マイナンバーカードなど。
  • 解約する携帯電話のカードチップと携帯電話端末
    SIMカード、UIMカード、USIMカード、auICカードなど。通常、携帯電話に挿入して使用しているので、携帯電話に入ったままになっていることも多いようです。

権利を承継するときは上記の他に以下のものが必要です。

  • 権利を引き継ぐ人が相続人であることがわかるもの
    戸籍謄本など
  • 料金の支払いに必要なもの
    クレジットカード、銀行のキャッシュカード、預金通帳と登録印

④ショップに出向き手続きを行う

予約した日時にショップに出向き、解約手続きを行います。

端末代金が未払いの場合は引き続き分割払いにするか、一括で返済します。

契約解除による解約金・違約金は不要です。

解約時の注意点

書き物をする主婦

以下のようにいくつかの注意点がありますので、それぞれの状況に応じて対処してください。

焦って解約しない

故人の知り合いの人などから連絡が入ることがあるので、葬儀が一段落してから解約するのがおすすめです。

親しい友人でも家族ぐるみの付き合いがない場合は連絡する方法がなくなってしまうからです。

契約者か使用者か確認しておく

亡くなった人が携帯電話の契約者だったのか、他に契約者がいて故人は使用者だったのかを確認しておいたほうがよいでしょう。

もし、相続人が契約者で故人は携帯電話を使用しているだけだったなら、名義変更は不要です。

データのバックアップ

端末内のデータを思い出に取っておきたい場合はその旨を伝えてバックアップをとらせてもらいましょう。

勝手にデータにアクセスしていると不正アクセス禁止法に触れる場合もあります。

思い出のデータをバックアップした後は、故人のプライバシー保護のためにも初期化を行ってください。

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遺産分割に反映させる

未払いの端末代金などを立て替え払いしたときは、遺産分割の際にその分を考慮して取り分を決めることになります。

支払い明細書や領収書はきちんと保管しておきましょう。

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相続放棄をするつもりなら

相続放棄をするつもりなら、解約・名義変更の手続きはしないほうが賢明です。

端末代金の分割払い契約の承認手続きをしたり、未払い料金を被相続人の財産から支払ってしまったりすると、「財産の処分行為」とみなされ、相続放棄ができなくなることがあります。

携帯解約手続きの代理人について

おばあちゃんと介護士基本的に故人の携帯電話の解約・名義変更ができるのは家族・相続人に限られており、代理人が手続きすることはできません。

しかし、家族・相続人が病気や高齢のため自分で手続きできない場合は、後見人や委任された家族、施設のスタッフが代理として手続きできます。

亡くなった人の携帯電話解約が遅れがちになるのは、家族・相続人本人が店頭に出向かなくてはならないからです。

Web上で解約できるようにするなど、ルールの整備が期待されます。

死亡時の手続きを包括的に専門家に依頼する

死亡後・葬儀後に行わなくてはならない手続きは100種類以上あるといわれています。

クレジットカードや保険の解約、電気・ガス・水道の解約といった比較的簡単なものから、遺産分割協議、不動産の名義変更など初めての人には荷が重い手続きまであります。

また、年金の受給停止手続きや住民票の世帯主変更届など、死後〇〇日以内という期限があるものも多いのが現実です。

身内が亡くなって悲嘆にくれているときに、葬儀以外の手続きなどにわずらわされるのは辛いことです。

携帯電話の解約・名義変更については専門家が代行することはできませんが、他の手続きを包括的に専門家に任せることによって、携帯電話の手続きについてもアドバイスしてもらえるでしょう。

専門家に任せるメリット

  • 死亡時に必要な手続きを熟知しているので、故人の状況に合わせて対応できる。
  • 役所や金融機関などの窓口は平日しか開いていないので、平日に仕事のある人にとっては大きな負担を減らすことができる。
  • 相続問題についても相談できる。

行政書士・司法書士・弁護士など、死亡・相続問題に詳しい専門家に相談してみてはいかがでしょう。

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