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コロナ離婚とは?自粛生活で離婚したいと思ったときに考えるべきこと

憂鬱な女性

最近、新型コロナウイルス感染症の影響で離婚にいたる「コロナ離婚」が話題となっています。

在宅勤務や子どもの休校、外出自粛などにより、私たちの生活スタイルは様変わりしてしまいました。

今までになく家族が家の中で一緒に過ごす時間が長くなり、大きなストレスを抱えている方も多いのではないでしょうか。

緊急事態宣言は2020年5月に解除されつつありますが、今後も「withコロナ時代」として政府などによる自粛要請は続きそうです。

そんな自粛生活の中で夫婦間の葛藤が浮き彫りとなって我慢の限界に達し、コロナ離婚したいと考える方も相当数いらっしゃることと思います。

しかし、離婚後も人生は続いていくのですから、離婚を早まると後悔するおそれもあります。

それ以前に、コロナを原因とする離婚が法律的に認められるのかという問題もあります。

そこで今回は、コロナ離婚をお考えの方のために、以下の問題についてご説明します。

離婚するには法律的な対処が必要です。感情にまかせて離婚を切りだすと失敗する可能性が高くなります。

コロナ離婚するにせよ思いとどまるにせよ、後悔しないためにぜひ参考にしてください。

そもそもコロナ離婚とは?

怒っている女性「コロナ離婚」とは正式な定義のある言葉ではありませんが、コロナの影響を原因として、またはきっかけとして夫婦が離婚に至ることをいいます。

2020年4月に緊急事態宣言が発出されたころから、ツイッターなどのSNSをはじめとしてインターネット上でコロナ離婚に関する書き込みが目立つようになりました。

コロナ離婚をした夫婦が何組いるのかというデータは今のところ見当たりませんが、コロナ離婚を考える人はたしかに増えているようです。

コロナ離婚を考える人のネット上の声

インターネットに投稿された書き込みの中から、コロナ離婚を考えている人の声をいくつかみてみましょう。

自粛生活によって非常に強いストレスを抱え、離婚を考えざるを得ない人がたくさんいるということがよく分かると思います。

在宅勤務になり通勤時間2時間の余裕が出来た。
途端にトイレの飛び散り、ご飯作れ、リビング開けろ
と家族間で揉め事が絶えません。熟年離婚がコロナを理由に早まった。やはり距離感が大事で1日中家にいると、些細な問題が多発する。娘も今年から大学1年だがリモート授業。
毎日が憂鬱で仕方がない。

引用元:Yahoo!知恵袋

コロナ離婚本当にしたいです。
旦那の会社が今仕事がなく2ヶ月程ずっと休業になっています。
私は医療関係の仕事なのでフルタイムで変わらず働いています。
子供も高校が休校になっているので昼間はずっと旦那と息子の2人きりでいますが旦那は息子の顔を見ればグチグチ小言ばかり言っています。
友達と少しの時間電話で話しているだけでも文句を言っています…
旦那自信は1日中テレビをつけっぱなしでゴロゴロして寝てばかりいるくせに…
この間は私のお風呂掃除の仕方が汚いと怒りだしました。
自分は結婚してから今まで1回も風呂掃除なんでしたことがありません。

引用元:Yahoo!知恵袋

コロナの影響は離婚原因として認められない?

法廷コロナ離婚を考えている人が多いことがよくおわかりいただけたと思いますが、離婚は自由にできるものではありません。

問題は、コロナの影響で発生した日常生活上の苦痛が離婚原因として認められるかどうかということです。

そこでまずは、自粛生活において離婚を考える主な原因をみてみましょう。

妻がコロナ離婚を考える4つの原因

コロナ離婚を考えるのは妻側が圧倒的に多いので、以下では妻が自粛生活において離婚を考える原因として夫が招く主なものを4つご紹介します。

ずっと家にいるのに家事や育児を手伝わない

多くの家庭では、妻が家事や育児の大部分を365日休みなく行っていることでしょう。
夫の仕事が忙しくてあまり家にいないのであればそれもやむを得ません。

しかし、在宅勤務や外出自粛などによって夫がずっと家にいるのに家事や育児を手伝ってくれなければ、妻としてはどうしても不公平に感じてしまうでしょう。

しかも、夫には毎日3度の食事を準備し、後片付けも必要です。子どもも休校で家にいれば、そのぶん家事が増える上に一人で過ごせる時間がなくなり、ストレスがたまってしまいます。

夫がずっと家にいること自体がストレスで、夫の嫌なところばかり目につくという方も相当数いらっしゃるようです。

危機意識が乏しい

コロナウイルスへの感染を防止するために不要不急の外出自粛、人との接触を減らす、マスクの着用、手洗いやうがいの徹底などが政府からも要請されています。

これらの感染防止策をどこまで徹底して実行するかは、各自の危機意識にかかっています。

危機意識にはもちろん個人差がありますが、得てして男性は女性よりも危機意識が低い傾向にあるようです。

妻が自分や家族がコロナウイルスに感染しないように防止策を徹底していても、危機意識が乏しい夫に対しては「近寄りたくない」「関わりたくない」と思ってしまいがちです。

暇だからといって不用意に子どもを遊びに連れ出そうとしたり、パチンコに行くような夫に対しては人格を疑ってしまうこともあるでしょう。

収入の見通しが甘い

コロナ禍によって収入が減ってしまった方も少なくないことでしょう。

特に夫が自営業者やフリーランスの場合は仕事が減り、収入が激減した家庭が多いと思います。

サラリーマンの場合は自宅待機を命じられても休業手当が支給されるはずですが、会社によっては支給されない場合もあるでしょう。

人によっては、解雇されて今後の収入の見通しが立たなくなった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

収入の不安は大きなストレスとなり、夫婦間では相手に対する不満となります。

しかし、収入の見通しについても、男性は女性よりも楽観的に考える人が多い傾向にあるようです。

「何とかなるさ」「今は騒いでも仕方がない」「コロナが収束すれば、また稼げばいい」などと言っている夫も多いと思われます。

コロナ禍による収入減をいかんともしがたいのが事実だとしても、呑気に構えている夫に対して妻が「この人とはやっていけない」と思ってしまうのも無理はないのかもしれません。

モラハラやDVをする

在宅勤務や外出自粛によって家で過ごす時間が長くなると、夫も何かしらのストレスを感じているものです。
なかには、慣れないテレワークで日々イライラしている夫もいることでしょう。

そんなストレスが背景にあるためか、夫が妻に価値観を押し付けて嫌がらせをする「モラハラ」や、暴力を振るう「DV」をする夫も増えているようです。

夫婦げんかの末に夫が妻を平手打ちして死亡させてしまった事件も発生しています。

モラハラやDVは配偶者の人権を侵害する重大な問題であり、コロナ禍だからといって許されるものではありません。

協議離婚は自由にできる

離婚届と指輪以上がコロナ離婚を考えるきっかけとなる主な原因ですが、これらの原因によって離婚することができるのかを次に考えていきましょう。

まず、協議離婚であればどのような理由でも離婚することは可能です。

協議離婚は夫婦間で話し合って離婚を決めるものです。したがって、夫婦がお互いに合意できるのであれば、離婚原因は特に問われません。

しかし、妻から離婚を申し出ても夫が応じない場合は、離婚調停離婚訴訟といった裁判手続きに進まなければなりません。

裁判で離婚が認められるためには、法律上の離婚原因が存在することが必要です。

裁判でコロナ離婚が認められる可能性は低い

法律上の離婚原因は、民法第770条1項に定められています。具体的には、以下の5つです。

  1. 不貞行為があった
  2. 悪意で遺棄された
  3. 生死が3年以上不明である
  4. 強度の精神病にかかり、回復の見込みがない
  5. その他婚姻を継続しがたい重大な事由がある

ここで結論を申し上げますと、コロナ離婚の原因として先ほどご紹介したものがこれらの離婚原因に該当する可能性は低いといわざるを得ません。

家事や育児を手伝わないことをもって、ただちに「悪意で遺棄された」ということはできません。

危機意識や収入の見通しに関する価値観の違いは、程度によっては「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当する可能性もなくはありません。

しかし、コロナ騒動が起こるまで夫婦間で問題になっていなかったのであれば、「婚姻を継続しがたい」とまではいえない場合がほとんどでしょう。

唯一、モラハラDVについては「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当する可能性が十分にあります。

ただし、モラハラやDVがあっても程度はさまざまです。軽度な場合は、コロナ騒動中の一過性のものとして離婚が認められない場合もあることに注意が必要です。

コロナ離婚を決意する前に夫婦関係を改善してみよう

夫婦人によっては、離婚するのは本意ではないけれど夫を見てると我慢できないということもあるでしょう。

離婚したいと思っている方であっても、コロナが収束しているとはいえない社会状況において、今後の生活に不安を抱えている方が多いはずです。

コロナによる自粛生活で離婚を考えはじめたのであれば、コロナの収束後はまた以前のように問題なく夫婦生活を継続できる可能性は高いです。

慌てて離婚して後悔しないために、一度は夫婦関係を改善する努力をしてみることをおすすめします。

具体的には、以下の視点を参考にして、できることから取り入れてみましょう。

夫の言い分を理解する

人間はひとりひとり、価値観が違って当然です。立場が違えば言い分も異なります。一度、相手の立場に立って考えてみることで解決策が見つかるかもしれません。

自粛生活で妻の不評をかっている夫たちにも、次のような言い分があるようです。

  • 家事や育児のやり方が分からない
  • 手伝ってもすぐに妻から怒られるから辛い
  • 自分の父親も家事・育児などしていなかった
  • コロナについては妻が考えすぎである
  • 適度に外出しなければ体力が衰える
  • 妻がいつもイライラしているから話しかけづらい
  • 家では仕事に集中できず、イライラする
  • 妻の家事・育児が不十分なのにモラハラだと言われるのは心外

概して、夫たちには悪気がないか、悪いとは思いつつ夫もストレスを抱えて苦しんでいることが多いはずです。

生活スタイルの変化を受け入れる

良くも悪くも、生活スタイルが変化するとそれだけで人の心はストレスを受けてしまうものです。

コロナによる自粛生活は、ほとんどの人にとって今まで経験したことがないものでしょう。

妻たちの不満は、単に生活スタイルの変化によるものかもしれません。そのストレスが、いつも一緒にいる夫に向いているだけだという可能性もあります。

これからは「withコロナ時代」と言われているように、今後もある程度の自粛生活は続いていくことが予想されます。

そうであれば、夫婦2人で新しい生活スタイルを築いていくことが必要です。離婚さえすれば幸せになれるとは考えない方がよいでしょう。

コミュニケーションを工夫する

妻としては、夫が家にいるのなら言われなくても家事・育児を分担するのが当然だと思ってしまうかもしれません。

しかし、夫としては言われないと気づかないかもしれませんし、手伝いたいと思っていてもやり方が分からなかったり、妻に声をかけづらかったりするのかもしれません。

そこで、妻の方から簡単な家事・育児をやんわりと依頼してみましょう。最初は指示するだけでなく、一緒にやってみると夫も手をつけやすいことでしょう。

また、慣れないテレワークで頑張っている夫に対しては、「お疲れさま」とねぎらったり、「いつもありがとう」と感謝を伝えることで家庭円満につながるはずです。

どうしてもコロナ離婚したいときにやるべきこと

ふせん夫の言い分や夫婦関係の改善方法をいろいろ考えてみても、どうしても離婚したいという方もいらっしゃることでしょう。

我慢に我慢を重ねすぎると心身を病んでしまうおそれもあるので、離婚した方がよいケースもたしかにあります。

しかし、コロナが収束していない状況で離婚を急ぐことには高いリスクもあります。そのため、以下のように戦略的に離婚を進めることが平時にも増して大切になります。

離婚の計画を立てる

離婚するときには、慰謝料や財産分与、子どもの親権や養育費など、さまざまなことを取り決める必要があります。

慌てて離婚すると、不利な条件で離婚することになってしまいがちです。何よりも、離婚後の生活で困らないように生活設計をしっかりと考えておかなければなりません。

そのためには、離婚を切りだす前に着実に準備を進めておく必要があります。

離婚の準備として何をすべきかについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ご参照ください。

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別居をする

夫と一緒にいるのがどうしても苦痛なときは、まずは別居してみるのもおすすめです。

離れて暮らしてみることで冷静になり、夫婦関係を見直すことができるかもしれません。離婚の決意が揺らがない場合も、別居を続けることで離婚できる可能性も高まります。

ただし、夫の同意なしに別居することは夫婦の同居義務(民法第752条)を放棄することになり、法的に不利になるおそれもあります。

別居後の生活費についても、夫と話し合わなければなりません。そのため、別居をするにしてもいきなり家を飛び出すのではなく、それなりに準備が必要です。

別居する際の注意点についてはこちらの記事にまとめてありますので、ご参照ください。

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弁護士に依頼する

コロナ離婚では、夫からの著しいモラハラやDVがある場合を除いて、裁判で離婚が認められる可能性は低いといわざるを得ません。

そのため、どうしても離婚したいのなら離婚協議で話し合いをまとめてしまうのが得策です。そうでなければ、長期間の別居を重ねて離婚にもっていくしかないでしょう。

スムーズに離婚協議をまとめるためには、専門家である弁護士の力を借りて、間に入ってもらうことがおすすめです。

ただし、弁護士が間に入ったからといって夫がすぐに離婚に応じるとは限りません。離婚協議を一気にまとめるためには、離婚に詳しい弁護士に依頼することが大切です。

失敗しない弁護士の探し方についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ご参照ください。

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コロナ離婚したいと思ったら弁護士に相談を

自粛生活で夫への不満が募ると、離婚したいと思ってしまうのもやむを得ないでしょう。

しかし、実際に離婚できるかどうかについては法的な問題もあります。コロナが収束すれば円満な家庭生活を取り戻せる夫婦も多いはずです。

離婚すべきかどうかで悩んでいる方もいれば、今すぐに離婚したいけれど離婚の進め方について悩んでいる方もいることでしょう。

いずれにしても、早めに弁護士に相談して今後の生活の見通しを立て、適切に対処することをおすすめします。

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