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テレワークで顕在化するハラスメント!原因と対策を解説

テレワーク ハラスメント

2020年以降、新型コロナ感染拡大によってテレワークを実施する企業が急速に増えました。

テレワークにはワークライフバランスの好転や育児・介護などと両立しやすい、という大きなメリットがありますが、テレワークによって助長されるハラスメントもあります。

多くの企業では急にテレワークに切り替えざるをえなくなったので、ルールなどが整わないまま実施されています。
すると上司も部下もテレワークについて共通の認識に至る前に試行錯誤でテレワークを開始することになります。

テレワーク・ハラスメントの主な原因は、テレワークとハラスメント、両方のルールについて相互理解が追いついていないことです。

リモート・ハラスメントといわれることもあり、テレワーク(事業主の指示を受けて業務につく)に限らずフリーランスの在宅ワークでもクライアントなどから受けるハラスメントがありますが、ここではテレワーク・ハラスメントで統一します。

テレワークでありがちなハラスメント事例

そもそも、テレワークではどのようなハラスメントがおこるのでしょうか。

室内を映すことを要求する/顔や服装を指摘する

初めてWebミーティングをするときには、緊張感と初めてのわくわく感も手伝って、プライベートなことまで話題にしてしまうことがありますが、それが当たり前になってハラスメントを助長することがあります。

緊張をほぐすためにお互いのカメラ映りを指摘し合って場が和んだりしますが、必要以上の指摘はハラスメントになると思ったほうがよいでしょう。

雑談のつもりでも、相手が不快に感じたらハラスメントです。

異性を1対1での飲みにしつこく誘う行為

オフィスで仕事をしているときも1対1で飲みに誘う行為はセクハラに該当することが多いです。

テレワークでも無理に1対1のオンライン飲み会を行うのはセクハラになります。

オンライン飲み会への参加を強要する

自宅にいると場所と時間に制限がないため、毎日・深夜までが当たり前になってしまったり、上司に従わなくてはならない部下にとっては負担になります。

自由参加とするなら大丈夫ですが、自由参加という名目で参加を強要している場合はパワハラです。

常時カメラをオンにすることを強要する/サボらないようにプレッシャーをかける/監視する

通常のオフィスワークでは、部下も上司も同じ空間にいて、常に見えるところにいますが、テレワークでは相手が何処をみているかがわからないこともあり、常に緊張を強いられます。

「自分が監視されている」と感じるのは気持ちの良いものではありません
。監視されていると部下が感じてしまうと、信頼関係がくずれ仕事のモチベーションも下がってしまいます。

業務の進捗に不安を感じ、必要以上に指示を出し、報告を強要する

部下の仕事がきちんと進んでいるか不安で、つい必要以上に話しかけたり、報告を急かしたりしがちです。

これも業務の範囲を超えるときはハラスメントになります。

家族やペットの声・物音がうるさいと言う

プライベートに立ち入るのはハラスメントになるのでやめたほうがよいのですが、どうしても音声が気になるときは、対象者に指摘して対策を講じてもらいましょう。

希望者にはプライベートな声が入りにくいよう、指向性の強いマイクやヘッドセットを用意するなどの対策もあります。

突然Web会議を招集する

在席を確認する為に不意打ちで会議を招集する、などは、ハラスメントにあたる可能性があります。

テレワーク・ハラスメントの原因

テレワーク・ハラスメントの原因としては、以下のことが考えられます。

上司がテレワークに慣れていない

テレワークのルールが定着していらず、上司もテレワークに慣れていないことが原因の一つです。

どこまでが雑談として許されるのか、どこからがプライバシーなのかわかりづらいこと。また、労務管理の方法も確立されていません。

プライベートとの切り分けがあいまい

上司も部下もどこまでが業務でどこまでがプライベートになるのか、切り分けのルールが定着していません。

業務時間中の中抜けの扱い方や、中抜けとまではいかなくても家事や育児・介護で離席しなくてはならない時どう対処するか、などを決めておく必要があります。

労働管理に不安があり過干渉になっている

オフィス内なら直接コミュニケーションできるし、就業の様子を直接見ることができますが、テレワークでは見えない部下の管理責任をはたすために、上司が過干渉になっていることが考えられます。

また、オフィスでは大勢の目がありますが、リモートでは1対1や少人数のやりとりになってしまうことが過干渉につながっているのではないでしょうか。

テレワークの急進展でルールが確立されてない

多くの企業は新型コロナウイルスへの対策としてテレワークを導入してきました。

会社も従業員も、上司も部下も、テレワークのルールを知らないまま見切り発車してしまった部分があります。

コロナ禍以前から厚生労働省がすすめる「働き方改革」の中にも多様な働き方の一つとしてテレワークも推奨されていたように、ワークライフバランスの好転、仕事と育児・介護の両立など、テレワークには大きなメリットがあります。

このようなテレワークのメリットが充分に浸透する前に、この2年で急進展してしまいました。

そのため、ルールやマナーが十分に検討されないまま、現場で思いつきのような対応が取られてきているとことがハラスメントの原因になっているのでしょう。

テレワーク・ハラスメントの防止策

テレワーク・ハラスメントを防ぐためには、わかっていること・できることから少しずつすすめていく必要があります。

まずはテレワークとハラスメントについて周知することです。
テレワークでもハラスメントを行った者に対する処置は通常のオフィス業務と同じです。

テレワークの共通理解

上司も部下も、意識して仕事とプライベートの線引きをすることが大事です。

具体的には次のようになります。

  • 仕事に相応しい服装に着替える
  • カメラに映りこむ室内の部分に気を配る
    (背景に別画像をはめ込む機能をうまく使うと効果があります。)
  • テレワークのルールを決めて周知を徹底する
    (進捗報告の頻度や緊急時の連絡方法、離席時の連絡方法決めておくなど)

ハラスメントの共通理解

事業主は、職場におけるハラスメントの対策を講じる義務があり、法律で規定されています。

オフィスでの業務と同様に、テレワークでもハラスメントを行ってはならないことを社内に周知しなくてはなりません。
また、ハラスメントの相談をした従業員に解雇・左遷・減給など不利益な取扱いをしてはいけません。

ハラスメントは、発言者にそのつもりはなくても、言われた方が不快に感じればハラスメントになります。

厚生労働省のガイドラインをチェックする

テレワーク導入にあたって厚生労働省ではガイドラインを出しており、その中でハラスメントへの対応についても述べられています。

事業主のハラスメント防止処置の義務や、オフィスでの働き方と同様に関係法令が適用されることが示されていますが、テレワークのガイドラインでは簡単に述べられているだけなので、ハラスメントについてのガイドラインも併せて活用するのがよいでしょう。

参考:職場におけるハラスメントの防止のために
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html

テレワーク・ハラスメントを弁護士に相談する

テレワークは新しい働き方の一つですが、まだまだやり方・ルールが定着していません。
そのような段階では、テレワーク特有のハラスメントも発生します。

会社側ができることとしては、社内研修などを開催してテレワークとハラスメントの基本を周知することです。
また、厚生労働省のガイドラインに沿った実施方法を専門家に相談するのも近道ではないでしょうか。

被害を受けている人も、「テレワークだから声をあげても認めてもらえないだろう」と思わずに、専門家や相談窓口に相談しましょう。
新しいやり方を進めていくためにも個々の意見が役に立つはずです。

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