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ネットストーカーの被害に遭ったら?法律を味方に対策しよう

2019年8月21日

スマホで監視する女性

ストーカーといえば、ターゲットの自宅近くで待ち伏せをして付きまとったり、しつこく連絡を入れたりする人のことをいい、現代では一種の社会問題にすらなっていることは知っているでしょう。

その多くは、これまで元恋人や友人だったり、会社の同僚などの知人だったりケースがほとんどと言われていました。

しかし、インターネットの発達した昨今では、SNSや電子メール、あるいはLINEなどのアプリ上でストーカー被害を受けるケースが目立っており、一般的にネットストーカー被害サイバーストーカー被害と呼ばれています。

友人や知人のみならず、まったく面識のない人からSNS上で何度も交際を申し込まれたり、近況について事細かく聞いてきたりするなど、さまざまな被害が報告されており、今後も増え続けることが予想されます。

そこで今回はネットストーカー被害の実態と対策について解説するとともに、ストーカーを規制する法律についても概要を説明します。

今現在、何らかのストーカー被害に遭っている人はもちろん、SNSなどで嫌がらせを受けた経験のある人はぜひ参考にしてください。

ネットストーカーの実態と具体的事例

まず、ネットストーカーとは具体的にどういう人のことをいい、どんな特徴や心理状態にあるのかを知っておきましょう。

ストーキング行為のきっかけと事例

ストーカーの心理ネットストーカーが迷惑行為をはじめるきっかけとしては、ネット掲示板やブログなどでのささいな揉め事やいさかいによって相手に怒りや憎悪を抱いたことや、SNS上に公開されているプロフィールや投稿されている動画などを見て、その相手に対して恋愛感情など特別な思いを抱くことなどがあります。

そして相手に「交際して欲しい」「友達になって欲しい」といった内容のメールやメッセージを送ったり、誹謗中傷を何日にもわたって書き込んだりします。

また、もともと面識のない相手だった場合、SNSで得た情報をもとに詳細な個人情報を調べ上げたり、勤務先や所属している学校を割り出し、それをネット上で公開するなどの嫌がらせをすることもあります。

ネット掲示板などでの言い争いや喧嘩自体はそれほど珍しいことではありませんが、ほとんどはその場限りのものであり、相手に何日にもわたって嫌がらせや誹謗中傷、時には脅迫などをするケースは多くありません。

しかし、ごく一部の人は相手に激しい憎悪を抱き、執拗に相手を追い詰めるような行動をとってしまいます。

ネット掲示板やSNSで何日にもわたって執拗に絡む行為を繰り返したり、別なアカウントを作って誹謗中傷を繰り返したりします。
いわゆる「粘着」と呼ばれる行為です。

あるいはSNS上での公開プロフィールや動画を見たり、簡単なやりとりをしただけで恋愛感情を抱き、従来型のストーカーと同じようにしつこく交際を迫られるということもあるようです。

特に相手に激しい感情を抱いてしまうネットストーカーの場合、その行動はネットだけに留まらず、相手の住所を突き止めて押しかけたり、街中で付きまとったりするケースも報告されています。

事実、いわゆる人気Youtuberが自宅に押しかけられたり(※1)、玄関先で待ち構えていた人から嫌がらせを受ける(※2)といった被害が後を絶ちません。

つまり、ネットストーカーがさらにエスカレートして、従来型のストーカーにまで発展してしまうケースが少なくないのです。

ストーカーになってしまう人の心理

頭を抱える人ネットストーカーになってしまう人の心理としては

  • 相手がどんな生活をしているのか知りたい
  • 誰とどういった交流をしているのか知りたい
  • いつ、どこで、何をしていたのか知りたい
  • これから何をする予定なのか知りたい

といったように、相手のことが常に気になって仕方がない状態にあることがほとんどです。

好意をもっている相手や興味のある人のことを「知りたい」というのは、人間としては自然な感情でしょう。

しかし、それがあまりにエスカレートしてしまうと、相手を監視するようになり、一つひとつの投稿を詮索したり、大量にメッセージを送りつけるなどの迷惑行為に及んでしまうことになります。

相手の過去の投稿はもちろん、細かい趣味や職業、卒業した学校や友人関係などを徹底的に調べ上げ、最終的には、偶然を装って直接相手に接触をはかるまで進んでしまいます。
さきのYoutuberのストーカー被害はこのパターンといえるでしょう。

ネットでの誹謗中傷は名誉毀損罪や侮辱罪といった犯罪になってしまう可能性がありますが、ネットでのストーキング行為もエスカレートするとストーカー規制法による処罰の対象となります。

ストーカー規制法については以下で詳しく説明しますが、ネットでの誹謗中傷について詳しくは、次の記事で解説していますので、ぜひこちらも参考にしてください。

やめたいのにやめられない人は多い?

ネットストーカーには無自覚に相手に迷惑行為をしている場合もあれば、自分がストーカーだと自覚しながらも「やめられない」場合もあるようです。

実際、ネット掲示板などには、ネットでのストーキング行為をやめたいのにやめられない人が相談に乗ってもらっている投稿が目立ちますし、Google検索をしてみると「ネットストーカー やめたい」で情報を探している人も多いです。

彼氏・彼女など親しい相手にネットストーキングをしてしまうケースもあり、それによって関係が破綻してしまった例も少なくありません。

また、ストーキングは相手に迷惑をかけるだけでなく、自分の生活にも影響を及ぼします。

相手の投稿に一喜一憂して眠れなくなったり、相手の行動が気になって実生活でミスを繰り返したりなど、悪い影響がどんどん拡大してしまいます。

相手にとっても自分にとってもマイナスにしかなりませんから、そういった行為はすぐに止めなければなりません。

さらに、迷惑行為を繰り返していると、ストーカー規制法によって処罰される可能性もあります。

迷惑行為は処罰される!ネットストーカー規制法とは?

逮捕ネットストーカーは従来型のストーカーと同様に、法律によって処罰の対象になることがあります。

2017年にストーカー規制法(ストーカー行為等の規制等に関する法律)が改正となり、ネット掲示板やSNSなどでの迷惑被害にも同法が適用されるようになりました。

具体的には、次の行為を行った場合にはストーカーとみなされる可能性があります。

  • 相手につきまとったり待ち伏せ押しかけ周囲をうろつくなどした場合
  • 相手に「監視している」ことを告げた場合
  • 過度に面会や交際を要求した場合
  • 著しく粗野で乱暴な言動をした場合
  • 無言電話しつこく電話・FAX・電子メールなどを送った場合(SNS上での連続したメッセージなども含まれる
  • 汚物や動物の死体など、相手の嫌がるものを送りつけた場合
  • 名誉を傷つけた場合
  • 相手の性的なしゅう恥心を害することを告げたり、そういった文書や画像などを晒した場合

迷惑行為が続いているかどうかがポイント

特にネット上でのやりとりがストーキングとみなされるのは、相手に「止めて欲しい」と伝えたにもかかわらず、繰り返し迷惑行為が続いているような場合や、相手の監視をおそれて外出できなくなるなど、被害者の実生活に悪影響が出ているケースです。

SNSなどでは関わりたくない相手をブロックしたり、運営に報告してアカウントを凍結してもらうなどの手段がありますが、それでも別のアカウントを取得して接触してきたり、他の掲示板で誹謗中傷されてしまうこともあります。

その場合は、警察に被害を届けることで、警察から加害者に警告を出してもらって辞めさせることが可能になります。

それでも加害者がストーキング行為を繰り返す場合には、ストーカー規制法違反として逮捕してもらえる可能性も出てきます。

なお、罰則についても同法の改正により強化されており、『6月以下の懲役または50万円以下の罰金』から『1年以下の懲役または100万円以下の罰金』となっています。

監視していると告げるだけで規制の対象になる

上で紹介したように、ストーカー規制法では相手に「監視している」ことを告げるのもストーカー行為であるとされています。

つまり「お前を監視している」「いつも見ている」といった直接的な表現はもちろん、監視していることをほのめかすような表現も規制の対象となりえます。

また、外出を誰にも知らせていないのに、帰宅したら「おかえりなさい」とメッセージが来たり、突然「さっきまで○○にいたよね?」など、こちらの行動が把握されているようなメッセージを受け取ったりした場合、事実上、相手の監視下にあるということですから、規制の対象になる可能性があります。

もし、ネットでこういったメッセージが送られてくるようであれば、できるだけ早く警察に相談することをおすすめします。

ネットストーカーを防止するには?対策と予防

拒否それでは、迷惑なネットストーカーを防止するにはどうすればよいのでしょうか?

大きく分けて警察に相談する方法と弁護士に相談する方法がありますが、確実に迷惑行為を止めさせたければ、両方に相談することをおすすめします。

早めに警察に連絡する

ネットかリアルかにかかわらず、ストーカー被害に遭ったら、できるだけ早く警察に相談しましょう。

特にネットストーカーの場合は、ネット上での犯罪に対応しているサイバー犯罪対策課があるので、各都道府県の担当窓口に連絡してください。

その際には、事前に被害に遭っている証拠を集めておくことをおすすめします。
具体的には加害者からのメールやSNSのスクリーンショットなどです。

相談の時点でしっかりとした証拠を提示できれば、警察側も動きやすくなりますし、加害者に素早く警告を出してもらうこともできます。

警察から警告を受けると、ほとんどのストーカーは迷惑行為をやめる傾向がありますから、その時点で解決できる可能性が高いです。

警察からの警告があったにもかかわらず迷惑行為が止まない場合、今度はストーカー規制法により公安委員会から接触禁止命令が出ることになります

それでも相手が行為を繰り返す場合には、最終的には警察によって逮捕されることになります。

警察に相談した場合

弁護士に相談する

警察に相談してもすぐに動いてもらえない場合、弁護士に相談すれば被害をすみやかに解決できることもあります。

被害者本人が加害者に「止めて欲しい」と伝えても聞き入れてもらえないケースがほとんどですが、弁護士が代わりに警告を行うことで迷惑行為がストップした例は少なくありません。

弁護士が出てくることで、加害者は被害者側が本気で「訴えるのではないか?」と思うため、たとえ訴訟にまで至らなくても十分な抑止力となるのです。

また、被害の証拠集めについても弁護士に一任できるので、警察に連絡する際も話が早くなります。

また、相手の行為が止まずに告訴する場合にも、そのまま弁護士に対応を任せることができます。

ほとんどの人は訴訟の経験がないため、何をどうすればよいのかがわかりませんが、必要な書類作成や法廷への出頭などはすべて弁護士が代行してくれるため、被害者は精神的に楽になります。

これは精神的に追い詰められている被害者にとってはとても大きなメリットといえるでしょう。

警察と弁護士両方に相談した場合

なお、弁護士に依頼するとなると、多くの人は「費用はいくらぐらいかかるのか?」と不安になるものです。

これに関しては以下の記事で詳しく説明しているので、ぜひこちらを参考にしてください。

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それでも弁護士費用が不安という方は、初回のみ無料で相談に乗ってくれる弁護士や弁護士事務所を利用することをおすすめします。

弁護士の無料相談についてはこちらの記事で詳しく説明しています。

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日頃から予防を心がける

楽しくインターネットこのように、ストーカー被害に遭った場合、すぐに警察に連絡し、場合によっては弁護士に相談して対応してもらうことが重要です。

ただ、もっともベストなのは、そもそもストーカー被害に遭わないことなのは間違いありません。

ストーカー被害を予防するには、特に次のポイントを日頃から意識することが重要となります。

  • ネット上に個人情報行動予定などを書き込まない
  • 個人が特定できる写真や画像を投稿しない
  • 相手を傷つけたり誹謗中傷するような内容を投稿しない
  • リアル用と匿名用など、うまくアカウントを使い分ける
  • 怪しい人からのメッセージには反応しない。場合によってはブロックする
  • SNSで知り合って相手と簡単に会ったり連絡をとったりしない
  • 怪しいメールが連続で届いたらアドレスを変える

こういった基本的なことを心がけることが、ネットストーカーの予防になります。

特にストーカーは複数の手段で迷惑行為をするケースが多いため、ネットのみの対策では不十分なことがあります。

そこで、従来型のストーカーへの対策についても知っておき、自分でできる対策は何でもやっておくという意識で、身の安全を守ることが重要です。

それでも迷惑行為を受けた場合には、早めに警察や弁護士に相談しましょう。
対応は早ければ早いほどよいのは言うまでもありません。

迷惑行為には素早い対応を!ネットストーカー被害に遭わないために

ネットストーカーの実態や特徴、そしてストーカー被害に遭った場合の対応について解説しました。

ストーカー被害を解決するために重要なのは、危険を感じたらすぐに警察や弁護士などに相談することと、しっかりと証拠を集めておくことです。

加害者からの執拗なアプローチを恐れてSNSのアカウントを削除してしまう人もいますが、その場合でも、事前に証拠だけはきちんと残しておきましょう。

また、日頃からストーカー被害に遭わないための予防も重要となります。

どれもインターネットを使ううえで基本的なことですから、面倒がらずに個人情報の管理を徹底するようにしてください。

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