弁護士選び

刑事事件に強い弁護士の特徴は?選び方のポイントを徹底解説

2019年6月12日

頼もしいサラリーマン

ある日突然、自分や家族が事件に巻き込まれて逮捕されてしまったら、ほとんどの人は焦ってどうしたらいいのか悩んでしまうのではないでしょうか?

だれもが身内が逮捕されるような状況は避けたいものですが、それでも何かのトラブルに遭って逮捕されてしまう可能性はゼロではありません。

そして万が一、大切な家族が逮捕されてしまったときに唯一頼ることのできる存在が弁護士です。

逮捕後にすぐ弁護士に相談することで、被害者との示談の成立や早期釈放、不起訴処分の獲得など、平穏な生活を取り戻すために必要な成果を得られるようになります。特に刑事事件に強い弁護士に依頼すれば、それだけよい結果を得られる可能性が高くなりますから、だれもが可能な限り刑事事件に強い弁護士に依頼したいと思うはずです。

ですが、これまで事件に巻き込まれたり、逮捕されてしまった経験のない人は、具体的にどういう弁護士に依頼すればよいのかがわからないケースは少なくないでしょう。

そこで今回は、どういった弁護士が刑事事件に強いのか説明し、刑事事件に強い弁護士とそうではない弁護士の見分け方や探し方のポイントについて解説します。特に刑事事件で起訴されてしまった、あるいは起訴されそうな人は、ぜひ参考にしてください。

刑事事件に強い弁護士とはどういうタイプか?

刑事事件に強い

まず、刑事事件に強い弁護士とは、具体的にどういうタイプかを明確にしておきましょう。

依頼する側の考える「強い」弁護士とは、こちらの望む結果をしっかりと実現してくれる弁護士といえます。より具体的には、早期釈放の実績の豊富な弁護士や、不起訴処分や無罪判決を獲得した経験のある弁護士です。

逮捕されてしまった場合、一刻も早く釈放されて自宅に戻りたいと思うものですし、前科をつけないために何としても不起訴を勝ち取りたいと考えるものです。

そのため、弁護活動によって被疑者を早く解放させられる弁護士は被疑者本人はもちろん、その家族にとってもありがたい存在ですし、不起訴処分を勝ち取った経験の多い弁護士の方が、そうではない弁護士よりも頼りがいがあるのは間違いないでしょう。

もし何らかの事件に巻き込まれて逮捕されてしまった場合、まずはこのタイプの弁護士を見つけて、なるべく早く弁護活動を依頼することが重要です。

弁護士や法律事務所のホームページには不起訴処分を勝ち取った実績などが掲載されていることが多いですが、もしそういった情報がない場合は、以下の点をチェックして刑事事件に強い弁護士かどうか判断しましょう。

刑事事件の経験が豊富

数多くの刑事事件を経験している弁護士は、依頼する側にとって強い弁護士である可能性が高いです。

全国に数多くの弁護士がいますが、それぞれの専門分野に特化していることが多く、たとえば離婚問題や労働問題などを専門としている弁護士や、企業の訴訟案件だけを扱う弁護士など、さまざまなタイプがいます。

そのなかでも、特に刑事事件の弁護を依頼する場合に重視すべきなのは、そもそも刑事事件の確かな経験があるかどうかという点です。

弁護士のなかには扱う分野や経験している分野が違っていて、弁護士としての経歴は長くても、ただの一度も刑事事件を扱ったことのない人もたくさんいます。

特に人と人、会社と人などの間の争いとなる民事事件と、警察や検察などの捜査機関が関わる刑事事件では弁護士の活動も変わってきますから、まずは確実に刑事事件の実績をもっている弁護士や法律事務所を選択するようにしてください。

対応が素早く早期解決を心がけている

対応が早い相談後の対応が早く、事件の早期解決を心がけている弁護士は刑事事件に強い傾向があるといえます。

なぜ素早い対応が必要かといえば、逮捕されてから時間が経てば経つほど被疑者が不利になる可能性が高まってしまうからです。

逮捕された被疑者は長時間孤独な状態に置かれ、さらに警察官や検察官による厳しい取調べが行われるため、どんどん精神が疲弊していってしまいます。

それに加えて、警察や検察は被疑者から犯罪の自白を引き出そうと、時に声を荒げるなどして被疑者にプレッシャーを与えてくるため、場合によっては、やってもいない犯罪を認めてしまうケースも考えられます。

特に逮捕後の72時間は被疑者の家族であっても面会が許されないことがほとんどのため、周囲からアドバイスを受けられずに取調べに対して適切な対応がとれないことが少なくありません。

しかし弁護士ならば、こういった状況でも被疑者本人と面会して法的なアドバイスをすることができ、早期に釈放されるために必要な弁護活動をしたり、警察や検察によって不当な取調べが行われないように働きかけることができます。

こういった活動は早ければ早いほど効果的ですから、相談後すぐに動いてくれる弁護士は信頼がおけるだけでなく、刑事事件の経験も豊富なケースが多いです。対応が早いということは、それだけ刑事事件では初動が重要であることを身をもって知っていることを意味します。

なお、こういった逮捕後の詳しいプロセスについては、こちらの記事で説明していますので、詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください。

頻繁に面会を行い親身に相談に乗ってくれる

親身な相談

対応が素早いことに加え、適度なタイミングで面会に来てくれて親身に相談に乗ってくれる弁護士も刑事事件に強い傾向があります。

なぜなら、適切な弁護活動をするためには、被疑者自身から取調べの様子やそこでの受け答えがどうだったのかをしっかりと把握する必要があるからです。

特にやってもいない犯罪で逮捕されてしまった場合などは、無罪を主張できるだけの証拠を揃えて犯罪の事実がないことや、犯罪行為が不可能だったことを検察官に納得してもらう必要があるため、被疑者と協力して不起訴処分を勝ち取るために計画的に動かなければなりません。

日本では検察官に起訴されてしまうと、そのまま刑事裁判で有罪になってしまう可能性が極めて高いのが現状ですから、被疑者自身と弁護士が協力して、何としても不起訴となるために努力する必要があります。

頻繁に面会を行って不起訴に向けて努力してくれる弁護士は、それだけ被疑者にとっては心強く、熱心に弁護活動をしてくれる可能性が高いといえます。

なお、不起訴処分を勝ち取るために必要なアプローチに関しては、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひこちらもご覧ください。

刑事事件に強い弁護士や法律事務所の見分け方

それでは、より具体的に刑事事件に強い弁護士や法律事務所の見分け方のポイントについて説明します。以下の条件に数多く当てはまる弁護士や法律事務所であれば、刑事事件に強いと判断してよいでしょう。

刑事事件に関する高い専門性がある

ホームページをチェックほとんどの弁護士や法律事務所はホームページでこれまでに解決してきた事件の実績を掲載しています。まずその実績が豊富かどうか、そして自分の事件分野を専門にしているかをチェックしてみましょう。

刑事事件は民事事件以上に弁護士の経験や力量が結果に大きな影響を及ぼすため、その分野に確かな実績とノウハウをもっている弁護士や法律事務所に弁護活動を任せることが重要となります。

すでに説明したように、弁護士自身の刑事事件の経験が豊富なことはもちろんですが、さらに専門性が高ければ、それだけ難解な事件にも対応できるため、他の法律事務所で断られてしまったような事件でも引き受けてもらえる可能性があります。

事実、他の多くの弁護士が避けるような実刑判決の可能性のある重大な事件でも、専門の弁護士に依頼することで執行猶予となったケースは少なくありません。

相談件数が多い

実績に加えて、刑事事件に関する相談が多い弁護士や法律事務所かどうかもチェックしましょう。

相談件数が多いからといって必ず裁判を含む刑事事件に強いとはいえないため、これだけで安易に判断はできませんが、刑事事件を数多く解決してきた実績や知名度がなければそもそも相談されることもありません。

そのため相談件数が目に見えて多ければ、詳しい実績がわからなくても経験や実績を備えている弁護士あるいは法律事務所であると予測が立てられます。

実際には相談件数と実績はどちらもホームページに記載されていますから、まずそれを確認することが重要です。もしそういった情報が掲載されていなければ、相談する前に電話やメールで確認するとよいでしょう。

弁護士の数が多い

弁護士の数が多い

法律事務所に依頼する場合は、そこに所属している弁護士の数についてもチェックしましょう。弁護士の数が多ければ、それだけ事件に素早く対応してもらえる可能性が高いので、特に初動の早さが重要となる刑事事件の場合は重視すべき点となります。

人手不足の事務所などは、依頼しようとしても何日も待たされてしまうこともあり、その間に被疑者の立場がどんどん不利になってしまう危険があります。また有名な弁護士事務所の場合、数ヶ月先まで案件を抱えていることは珍しくないため、依頼してもすぐに動いてもらえないケースも考えられます。

そのため、さまざまな事件に対応できるだけの弁護士を抱えていて、すぐに動いてくれる法律事務所を探すことが重要となります。ホームページをチェックして、依頼しようとしている事務所がどれぐらいの規模か、何人の弁護士がいるのかを確認しましょう。

大まかな目安としては10~15人程度の弁護士がいれば、すぐに対応してもらえる可能性が高いです。

不起訴処分を勝ち取った件数が多い

不起訴イメージ

繰り返しになりますが、刑事事件では不起訴処分を勝ち取ることがもっとも重要な目標となります。不起訴となれば刑事裁判を受ける前に釈放となり、前科がつくこともありません。

当然、検察に身柄を送致される前に警察の段階で釈放されるのがベストなわけですが、たいていの事件では、逮捕されると警察の取調べの後、そのまま検察に身柄を引き渡されることになります。

そのため、弁護士には検察官に不起訴処分が相当と判断してもらえるだけの証拠や事実を提示するだけの力量が求められます。不起訴を勝ち取った経験が多いということは、それだけ優秀な弁護士と考えて問題ありません。

不起訴の数に関しては、弁護士側としても大々的にアピールすべき事柄ですから、自分たちのホームページに掲載していることが多いです。専門分野や相談件数とともに、しっかりと確認しておきましょう。

なお、刑事事件に限らず優秀な弁護士の見分け方に関しては、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひこちらを参考にしてください。

検察官の経験がある弁護士かどうか

少し変わった視点として、元検察官の弁護士がいる法律事務所かどうかも確認しておくとよいでしょう。

元検察官の弁護士を通称「ヤメ検」などといいますが、そういった弁護士は検察官時代の経験があるため、検察官がどういう方法で被疑者を起訴しようとするか、どんな証拠を重視するかなど具体的な方法を知っています。その知識やノウハウを弁護活動に活かすことができるため、結果的に不起訴処分を勝ち取れる可能性が高まります。

ただ、これに関しては必須というわけではありませんし、元検察官だからといって優秀な弁護士とは限りません。実際に相談してみて信頼に値するかどうかを自分なりに確認することが重要です。

現場に近いかどうか

意外に思う人もいるかもしれませんが、弁護士事務所の場所も重要となります。

たとえば、川越市で逮捕されてしまった場合、そのほとんどが川越警察署やさいたま地方検察庁の川越支部で取調べが行われることになりますから、そこに素早く来てくれる弁護士事務所を選べば、それだけ初動が早くなって弁護活動を有利に進められます。

逆に現場に到着するまでに長い時間がかかってしまう弁護士や法律事務所に依頼した場合、それだけ早期釈放や不起訴を勝ち取れる可能性が下がってしまう可能性も出てきます。できるだけ近場で優秀な弁護士事務所を選択するのがよいでしょう。

また、土日にも素早く対応してくれる弁護士や法律事務所を選ぶと、週末に事件に巻き込まれて逮捕されたとしても、すぐに駆けつけて弁護活動をしてもらえるのでおすすめです。

刑事事件に強い弁護士に依頼して不起訴を勝ち取る

刑事事件に強い弁護士の特徴や選び方のポイントについて解説しました。

日本にはさまざまな弁護士がいますが、特に刑事事件を専門としていて、かつ豊富な実績のある弁護士は、実はそれほど多くはないのが実態のようです。

しかし、刑事事件に精通した優秀な弁護士に依頼できれば、早期に釈放されたり、不起訴を勝ち取れる可能性が上がることは間違いありません。この弁護士に依頼すれば絶対に安心とまでは言い切れませんが、事件解決に向けて協力してくれる専門家ですから、ぜひ本記事を参考に納得のいく弁護士選びをしてください。

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