ある日突然警察から連絡が来て「あなたのご主人を痴漢の容疑でお預かりしています」と言われたら、あなたはどうするでしょう?
近年は痴漢に限らず、様々な犯罪を起こして逮捕されてしまう人が増えており、川越でも毎年一定数の刑事事件が起こっている現状があります。
多くの人は「ウチは大丈夫」と思っていますが、ご主人が期せずして何かの犯罪に巻き込まれて逮捕されてしまう可能性はゼロではありませんし、場合によっては冤罪で逮捕されてしまうことも考えられます。
そんなとき、慌てて対応できずにいると、大切な家族に前科がついてしまい、場合によっては刑務所に行くことになるかもしれません。
そうなるとご主人は仕事を辞めなければならず、生活していくことも困難になる可能性だってあります。
そうならないためにも、万が一、あなたのご主人が逮捕されてしまった場合どうなるかを知っておくとともに、妻としてすべき最適な対応について理解しておきましょう。
もしも川越で夫が逮捕されたら
まず、逮捕されたら具体的にどうなるのでしょう…?
夫の身に今後どういったことが起こるのか、妻としては知っておきたいところでしょう。
逮捕後のプロセスは案外知らない方が多いと思いますが、流れを把握しておくことは、今後さまざまな対応をしていく上でとても重要ですので、この機会にぜひ覚えておきましょう。
また、一般的な刑事事件の詳しいプロセスについては、以下の記事でも詳しく説明しています。
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逮捕されると有罪になってしまう可能性が高い?
日本の刑事事件では、検察によって起訴されてしまうと、そのほとんどが裁判で有罪となってしまうという事実があります。
その確率は実に99パーセントともいわれているため、家族としては、何としても起訴される前に弁護士と相談して不起訴を勝ち取れるように努力する必要があります。
不起訴となると刑事手続きはその時点で終了となりますから、晴れて身柄を開放されて日常生活に戻ることができます。
ただし、不起訴となる場合でも、その90パーセント以上が起訴猶予といって、犯罪の事実はあるけれど、それが軽度なもので本人が深く反省している場合や、被害者と示談している場合などに限定されます。
起訴猶予とは
犯罪に関する証拠が不十分だったり、軽い犯罪で起訴する必要がないと判断した場合に、検察官が起訴せずに様子を見ること
そのため、弁護士の協力のもとでご主人に反省を促し、示談など必要な対応をしていくことが求められます。
仕事はクビになってしまうのか
ご主人が逮捕されてしまった場合、やはり気になるのは
「仕事をクビになってしまうのではないか?」
ということでしょう。
当然、仕事の内容や状況によって変わってきますが、逮捕された時点で最長48時間=2日間の取調べが行われるうえに、検察に送られると更に24時間の取調べが行われることになります。
つまり合計で72時間=3日間、旦那さんの身柄が拘束されてしまうことになりますから、その時点で仕事に影響が出てしまう可能性は高いです。
さらに勾留が決定すると最長で20日間も留置所で生活することになるため、会社によってはクビになってしまう可能性もあるでしょう。
ですが、最終的に不起訴となったり早期に釈放してもらうことができれば、社会的なダメージは小さくて済みます。
特に警察の段階で身柄を開放してもらえれば、会社に一切知られずに仕事に戻れる可能性も十分考えられます。
いずれにしても、ご主人が少しでも不利な立場にならないように、逮捕されたら素早く適切な対応をとることが重要です。
夫が逮捕された場合、妻ができることは
それでは、大切な家族であるご主人が逮捕されてしまった場合の最適な対応は何でしょうか?
これまで説明してきたことですが、最もベストな対応は
少しでも早く弁護士に相談すること
です。
特に事件が重大になればなるほど素早い対応が大事になりますから、ご主人が逮捕されたことを知ったら、まず信頼できる弁護士に連絡することを検討してください。
弁護士に相談するメリットは
弁護士に依頼する具体的なメリットとしては、すでに説明したように警察や検察による捜査や取調べが行われている間でも、家族に代わってご主人に面会し、その後の対応を相談してもらえる点が挙げられます。
逮捕後のどのプロセスでも、被疑者側は自由に弁護士を選任できる権利が保障されており、たとえ家族が面会できない取調べ中であっても、弁護士ならばいつでも被疑者本人に会って話を聞き、適切なアドバイスをすることができます。
警察や検察の捜査は長時間に及ぶため、被疑者であるご主人は長い間孤独な状況に置かれ、精神的に追い詰められている可能性が高いです。
さらに取調べでは被疑者であるご主人の主張はまともに聞いてもらえず、被害者側の主張を鵜呑みにして進められるケースも少なくないのが実態で、場合によっては犯罪の事実がなかったとしても、捜査員の誘導にしたがって自白させられてしまう可能性もあります。
特に冤罪が社会的な問題となっている痴漢事件などでは、この傾向が多くみられるでしょう。
そういった事態を防ぐために、弁護士は取調べの行われている警察署などに出向き、被疑者の精神的なサポートを行いつつ、法的な視点から不当(場合によっては違法)な取調べを防止し、適正な捜査活動が行われるように促してくれます。
特に精神的に追い詰められた状況で唯一味方となってくれる弁護士は、被疑者にとって非常に大きな存在であり、相談に乗ってもらえるだけで精神が安定して厳しい取調べにも落ち着いて応じられるようになります。
取調べの間は家族として直接的なサポートはできませんが、弁護士を通じて言葉を伝えるなど、間接的な支援が可能になるわけです。
弁護士による接見については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひこちらも併せてご覧ください。
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被害者との示談にも弁護士の協力が不可欠
また、不起訴を勝ち取るうえで重要な被害者との示談についても、弁護士に依頼することで交渉が成立する可能性を高めることができます。
示談とは事件の加害者と被害者同士の合意によって解決を図ることをいい、広い意味では相手と和解することを意味します。
すでに説明したように、不起訴を勝ち取るうえでは、被害者側と示談が成立しているかどうかが大きな判断のポイントとなり、あらかじめ示談が成立していれば、起訴されずに済むケースがあります。
たとえば、傷害事件などでは被害者側が示談によって訴えを取り下げてくれれば早期に解決するケースは多いですし、いわゆるストーカーや強制わいせつ罪などで逮捕された場合も、相手側との示談が起訴・不起訴を分ける重要な基準となります。
また、示談とは簡単にいえば「被害者が加害者を許しているかどうか」ということですから、最終的に刑事裁判になった場合でも、示談が成立しているかどうかが判決に大きな影響を与えることになります。
本来、示談交渉は加害者側が独自に行うことができるものですが、相手側としては、自分達に被害をもたらした相手が直接交渉を持ちかけてきたとなれば、どうしても感情的になってしまって話し合いにならないことも多々あります。
それに、示談交渉の相手によっては、弁護士を介さず加害者自身が交渉しようとすると、こちらの本気度や誠意が伝わらずに、ますます関係がこじれてしまったり、交渉のやり方によっては脅迫ととられてしまう危険もあります。
そこで法律的な交渉に長けた弁護士に示談交渉を依頼することで、加害者の代理としてお互いの言い分を法的な視点でまとめあげ、スムーズに合意に至れる可能性が高くなるだけでなく、双方が納得のいく適正な示談金額についても提示してくれます。
人によっては、自分が加害者の妻として示談交渉をしなければならないと考えるかもしれませんが、相手によっては事態をますます悪くしてしまう可能性もありますから、不起訴を勝ち取るためにも、示談交渉は弁護士に任せることをおすすめします。
示談について、詳しくは以下の記事で解説していますので、ぜひこちらもご覧ください。
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夫が逮捕されたら離婚できるのか
このように、ご主人が逮捕されてしまった場合、もっとも適切な対応は早急に弁護士に連絡して相談することですが、場合によっては離婚を考えることもあるでしょう。
起訴されて身体的な拘束が長期間に及んだり、刑事裁判で有罪になる可能性が高いとなれば、これからの夫婦生活が困難になる可能性がありますから、心情的な理由や経済的背景、あるいは子育ての事情から離婚を決意する人は少なくありません。
当然、結婚や離婚は双方の合意によって成立しますから、逮捕を理由に離婚を決意し、ご主人がそれに合意すれば離婚することができます。
ただし、相手が逮捕されたという理由だけで慰謝料請求が認められるかといえば、必ずしもそうとはいえないのが実態です。
慰謝料請求が認められるかは裁判所の判断次第
慰謝料の請求自体は可能ですが、離婚協議によってそれが認められるかといえば、ご主人の逮捕の原因や刑事裁判の結果、そしてこれまでの夫婦生活の実態など様々な点から裁判所が判断することになります。
そのため、逮捕されたら無条件で離婚して慰謝料を請求できるとは考えない方がよいでしょう。
ですが、離婚の原因のひとつとして主張することはできますから、弁護士とよく相談して、適切な手続きと方法で行うようにしてください。
重大な事件の場合は離婚が認められるケースもある
このように、逮捕されたことだけを理由に離婚が認められるかといえば、必ずしもそうではありません。
しかし、ご主人が懲役刑となるほどの重大な事件を起こして逮捕された場合や、買春や強制わいせつ罪といった不貞行為に及んで逮捕された場合などは、それを理由に離婚が認められるケースもあります。
離婚が認められる法的な理由のなかには、
自分以外の異性と性的関係をもった
長期間の刑務所での服役
常習的に犯罪を起こしてしまうことで家庭生活に支障が出ている場合
などがありますから、これらを理由に離婚して慰謝料請求が認められる可能性は十分あります。
いずれにしても、弁護士の協力のもとで慎重に離婚調停を進めるようにしましょう。
夫が逮捕されてしまったら、すぐに弁護士に相談しよう
自分の夫が逮捕されてしまった場合の流れと、家族としての適切な対応について解説してきました。
ほとんどの人は、身内が逮捕された経験がないため、いざという時にパニックになってしまって素早い行動をとれないことが多いです。
ですが、大切なパートナーの早期釈放のためには、遅くても起訴されてしまう前に弁護士に相談して対応する必要があります。特に逮捕されて勾留されるまでの72時間が重要となりますから、逮捕されたことを知ったらすぐ弁護士に相談するようにしましょう。
特に川越で逮捕された場合は、取調べの行われる川越警察署に来てくれる弁護士事務所の連絡先を知っておくことをおすすめします。
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