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美人局の被害に遭ったらどうすればいい?ケースによって異なる対処法とは

カップル

出会い系サイトやマッチングアプリなどで知り合った女性と会った、または会おうとしたところ、突然第三者が現れて金品を要求されることがあります。

このような手口のことを美人局といいますが、自分にも後ろめたい気持ちがあることから多額の金品の要求に応じ、泣き寝入りしてしまいがちです。

しかし、美人局はれっきとした犯罪行為なので、泣き寝入りする必要はありません。
毅然と対処することが大切です。

ただ、場合によっては自分も法的な責任を負うこともあるので注意が必要です。

この記事では、美人局の手口をご紹介し、被害に遭ったらどうすればいいのかをケース別に解説していきます。
美人局の被害に遭って悩んでいる方も、被害に遭わないか不安な方もぜひ参考にしていただければと思います。

美人局の手口は巧妙化している

お金を広げる女性美人局(つつもたせ)とは、男女が親密な関係を結ぶか結ぼうとしたところに女性の夫や恋人と名乗る男性が現れ、金品を要求する行為のことをいいます。

典型的な美人局のケースは男女が性交に及んだ直後に女性と事前に共謀していた男性が現れたり、後日連絡が来て言いがかりをつけられ、金品を要求される場合です。

しかし、最近では美人局の手口にはさまざまなパターンが増え、巧妙化してきています。

出会い系のサイトや掲示板を利用する手口

近年主流の手口は、出会い系のサイトや掲示板を利用したものです。
サイトや掲示板内で交流して会う約束をし、実際に会って性交等をしたところで第三者が現れて金品を要求する形です。

ただし、性交等に及ぶ前に、会おうとして待ち合わせ場所に赴いたところ、女性と一緒に第三者が現れて金品を要求されるケースも増えてきています。

マッチングアプリやSNSを利用する手口

出会い系のサイトや掲示板では遊び目的の男女が多数利用するため、以前から美人局の被害が多発していました。

しかし、最近では真面目な恋愛や結婚を求める男女が利用するマッチングアプリでも美人局の被害が発生しています。

さらには、LINEやTwitter、FacebookなどのSNSを利用した美人局の手口も出てきています。

SNSのメッセージでやりとりをしただけで女性の夫や恋人を名乗る男性から言いがかりをつけられ、金品を要求されるケースも発生しているので注意が必要です。

飲み屋などで女性から誘惑する手口

インターネットが普及する前は、飲み屋などでたまたま居合わせた男性を女性から誘惑し、性交等に及んだところで第三者が現れて金品を要求するケースがよくありました。

最近報道される美人局の事件はインターネット利用した手口のものが多いですが、直接誘惑する手口は現在でも発生しています。

美人局の加害者は恐喝罪などの罪に問われる

手錠がかかった手他人の妻や恋人である女性と親密にしたことを追求されると、自分が悪いことをしたと思ってしまう方も多いと思いますが、美人局はれっきとした犯罪です。

被害に遭ったときに適切な対処法を考えるための前提知識として、美人局がどのような犯罪に該当するのかをみておきましょう。

恐喝罪

美人局で該当するケースが最も多いのが恐喝罪(刑法第249条)です。

恐喝罪は、相手に対して危害を加えるような言動によって恐怖心を抱かせ、金品を交付させることで成立します。

「痛い目に遭わせる」「殺す」など身体・生命に対する危害だけでなく、「金を払うまで帰さない」「ネットで拡散する」などと自由や名誉に危害を加える言動があった場合にも恐喝罪が成立します。

恐喝罪の刑罰は、10年以下の懲役です。

詐欺罪

恐喝罪の次に該当するケースが多いのは詐欺罪(刑法第246条)です。

詐欺罪とは、相手に嘘をつき、その嘘を信じた相手から金品を交付させる犯罪です。
相手から金品を脅し取るのではなく、だまし取る手口の美人局が詐欺罪に該当します。

夫婦でも恋人でもないのに夫や恋人を名乗ったり、女性が実際には妊娠していないのに妊娠したと告げるのが典型的な詐欺行為です。

詐欺罪の刑罰も、10年以下の懲役です。

強盗罪

美人局によって強盗罪(刑法第236条)が成立するケースもあります。

強盗罪とは、暴行または脅迫によって相手から金品を奪う犯罪です。

恐喝罪は相手に危害を加えることを示すだけで成立しますが、実際に暴行を加えたり、相手の自由意思を抑圧するほどに強い脅迫があった場合は強盗罪が成立します。

強盗罪の刑罰は5年以上の有期懲役と非常に重くなっています。

脅迫罪

美人局ではまれですが、脅迫罪(刑法第222条)に該当する可能性もあります。

脅迫罪とは、相手に対して危害を加えるような言動によって恐怖心を抱かせることによって成立します。

通常、美人局では金品を要求されるため、脅迫罪ではなく恐喝罪が成立するケースが多くなります。

脅迫罪が成立するのは、加害者が何度かに分けて連絡をしてくるケースなどです。

1回目の連絡の際に脅迫されて2回目に金品を要求された場合は、1回目の連絡の段階で脅迫罪が成立し、2回目で恐喝罪が成立することになります。

美人局の被害に対処する前に自分の法的責任を確認しておこう

落ち込んでいる男性美人局の被害に遭うと犯罪の被害者立場となりますが、場合によって自分も何らかの法的責任を負わなければならないこともあります。

被害を受けたからといってすぐに警察に被害届を出すと、自分が逮捕されたりして取り返しがつかないことになりかねません。

女性が18歳未満の場合は青少年保護育成条例違反となる

実際に女性と会って性的な行為をしたとき、その女性が18歳未満の場合は青少年保護育成条例違反として処罰の対象になります。

都道府県によって条例の名称は異なりますが、どの都道府県でも条例で18歳未満の人と性的な行為をすることを禁じ、違反に対する刑罰も定めています。

刑罰も都道府県によって若干異なる場合がありますが、おおむね2年以下の懲役か100万円以下の罰金とされています。

相手の同意がない場合は強制性交等罪や強制わいせつ罪が成立することも

美人局の女性と会うときは相手の女性も性的な行為をすることに同意していることが多いですが、場合によっては注意が必要です。

女性が性交渉そのものや口腔性交など一定の行為を拒否する意思を示していたのに無理やり行為に及ぶ強制わいせつ罪(刑法第176条)や強制性交等罪(刑法第177条)が成立する場合があります。

刑罰は強制わいせつ罪は6か月以上10年以下の懲役ですが、強制性交等罪は5年以上の有期懲役と大変重くなっています。

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女性が妊娠した場合は慰謝料の支払い義務がある

女性と性交渉を持った後に加害者側が「妊娠した」と言ってくるのは美人局の常套的な手段ですが、相手の女性が本当に妊娠した場合は慰謝料を支払う義務を負います。

正当な慰謝料の金額は100万円~200万円程度ですが、避妊具を装備したと嘘をついて避妊具なしで性交したような場合はさらに高額となります。

配偶者に慰謝料を支払う義務がある

性交渉を持った女性の夫と名乗る男性から慰謝料を請求された場合、本当に2人が夫婦であればある程度の慰謝料を支払わなければなりません。

さらに、自分に妻がいる場合は妻からも不貞行為に基づく慰謝料を請求される可能性があります。

ケース別|美人局の被害に遭ったときの対処法

待ち合わせ中の男性ひとことに美人局といってもさまざまなケースがあります。
対処するときはケースに応じて異なる点に注意する必要があります。

特に、警察に相談することは有効なケースもありますが、得策でないケースもあります。

それでは、ケース別に対処法をみていきましょう。

待ち合わせ場所で美人局の被害に遭ったケース

出会い系のサイトや掲示板などで女性と約束した待ち合わせ場所へ行ったところ、女性と事前に共謀した男性が現れて金品を要求されるケースがあります。

この場合、あなたはまだ何もやましいことはしていないので、いかなる意味でも金品を差し出す必要はありません。

金品の要求に対しては、少しでも早くその場から立ち去ることが基本です。
隙を見て逃げ出してでも、その場から離れることを考えましょう。

どうしても逃げられない場合は「警察に通報する」「弁護士に相談する」と告げましょう。

警察や弁護士に連絡されると相手は困るので、それだけで引き下がることもよくあります。

それでも引き下がらずに脅迫されたり、暴力を振るわれそうな場合は無理をせず、身の安全を第一に考えてください。

複数人に取り囲まれたような場合は特に、身の危険を避けることが何よりも大切です。

やむを得ずお金を渡してしまった場合は、立ち去る相手の姿や車のナンバープレートを撮影するなどして可能な限り証拠を確保しましょう。

話し合いに呼び出されたケース

美人局の手口として、女性の性交渉を持った直後ではなく、後日に加害者から電話やメールで話し合いに呼び出されることもあります。

この場合は、連絡を受けた時点で手を打つことができます。

警察に相談するのもいいですが、実害が生じていない場合は動いてもらえないので弁護士に相談するのがいいでしょう。

できれば、弁護士に話し合いに同席してもらえれば安心です。

どうしても1人で話し合いに出向く場合は、人気の少ない場所で会うのは避けるべきです。
人が多いファミレスや、人の往来が多いコンビニやショッピングセンターの駐車場などがいいでしょう。

また、お金は必要最低限の交通費しか持たず、クレジットカードや身分証も持っていかないようにしましょう。

個人情報を知られると悪用されたり、家族や勤務先も被害に巻き込まれるおそれがあります。

さらに、ボイスレコーダーをポケットやバッグに入れておき、やりとりを録音して証拠を残すことも大切です。

性交渉を持った直後に金品を要求されたケース

ホテルや相手の自宅などで女性と性交渉を持ち、終わって外に出たところで美人局の被害に遭った場合も、基本は少しでも早くその場から立ち去ることです。

ただ、この場合は性交渉を持った事実は言い逃れしがたいこともあり、加害者も強圧的になりがちです。
こちらも気まずい場面であるだけに、要求に屈してしまいやすい危険があります。

要求を拒みきれずにお金を渡してしまった場合は、加害者たちの写真を撮るなどして証拠を確保することを忘れないようにしてください。

サイトや掲示板で女性と交わしたやりとりも証拠になりますが、相手が退会してしまうとログが消滅してしまいます。
すぐにスクリーンショットを撮るなどして証拠化しておきましょう。

「妻に手を出した」ことを理由に慰謝料を請求されたケース

口論性交渉を持った女性の夫と名乗る男性から金品を要求された場合は、警察に通報するのが有効です。

たとえ加害者たちが本当に夫婦であっても美人局は犯罪なので、「警察に通報する」と告げるだけで引き下がることもよくあります。

ただ、民事的にはある程度の慰謝料を支払う義務を負う場合もあります。
しかし、相手が要求するとおりの金額を支払う必要はありません。

まずは加害者たちが本当に夫婦かどうかを確認するのが第一です。
夫婦でなければ慰謝料を支払う必要はありません。

本当に夫婦であったとしても、その女性が既婚者であることを知らずに性交に至った場合や、女性から積極的に働きかけてきた場合は慰謝料の請求を拒否できたり減額することができます。

相手が夫婦であることの確認や金額の交渉については弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士には無料で相談することもできます。こちらの記事では無料相談について詳しく解説しているので、ご参照ください。

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しかし、ほとんどの場合、妊娠したというのは虚偽です。したがって、この場合の対処法は妊娠したことの証明を求めることです。

民事的には、あなたとの性交渉によって相手の女性が妊娠したことを証明しない限り慰謝料の請求は認められません。

とはいえ、あなたに心当たりがあり、相手が診断書などで本当に妊娠したことを証明した場合は、弁護士に依頼して示談交渉をするのが得策です。

示談交渉についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ご参照ください。

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たとえ相手の女性が同意していても、青少年保護育成条例違反として処罰の対象となります。

ただ、美人局の場合は実際には18歳以上なのに18歳未満であると嘘をつき、警察に通報されたくなければ金銭を支払うよう要求する手口もあります。

したがって、この場合の対処法も相手の女性が本当に18歳未満かどうかを確認するのが第一です。

相手が提示する身分証は変造されているおそれもあるので、弁護士に依頼して調べてもらうのが望ましいです。

そのうえで、本当に18歳未満だった場合は警察問題にならないよう、示談交渉をするのが得策です。

刑事事件が絡んだ示談交渉は、どんな弁護士でも適切にできるとは限りません。

刑事事件に詳しく、示談交渉の経験が豊富な弁護士を選ぶことが大切です。

弁護士の選び方についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ご参照ください。

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渡してしまったお金は民事手続によって取り戻さなければなりません。

お金の返還請求をする際は弁護士に相談するのがおすすめですが、証拠が必要になります。

相手の女性とやりとりした記録や加害者たちの写真が残っているかを確認しましょう。

相手の氏名も連絡先も分からない場合は、警察の捜査で判明すれば教えてもらえます。
そのため、警察に被害届を出しておくことも大切です。

美人局の被害に遭ったら早めに弁護士に相談しよう

女性と関係を持って美人局の被害に遭ったときは、警察に相談することが第一に思い浮かぶかもしれません。

しかし、警察に相談してもお金が戻ってくるとは限りませんし、相手の女性が18歳未満の場合は自分が逮捕されるおそれもあります。

弁護士に相談すれば、警察に被害届を出すべきかどうかも含めて最善のアドバイスを受けることができます。

一人で悩まず、早めに弁護士に相談してみましょう。

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