「悪いことをしてしまい、逮捕されないか不安で仕方ない」
罪を犯してしまった心当たりがある方は、このような不安にさいなまれて、怯えながら日々を過ごしているのではないでしょうか。
凶悪な人間だけでなく、誰もがちょっとした不注意で、ときには不可抗力によって法に触れる行いに至ってしまうことがあります。
そんなとき、
- 警察はどんな基準で動くのか
- 逮捕される前に事前連絡や前兆はあるのか
- 逮捕されずにすむ方法はあるのか
といったことは非常に気になることだと思います。
また、逮捕されることが避けられそうにない場合は、
- 逮捕後はどうなってしまうのか
- 処分を少しでも軽くするためにはどうすればいいのか
ということをぜひ知っておきたいところです。
そこで今回は、罪を犯してしまった場合に警察が動く基準や逮捕の流れ、逮捕を避けたり処分を軽くするために必要な対処法を解説していきます。
逮捕されないか不安に思っている方は、ぜひ参考にして最善の対処をしていただきたいと思います。
逮捕される人への事前連絡は基本的にない
警察が被疑者を逮捕するときに、「明日、逮捕しに伺いますので準備しておいてください」などと事前連絡することはあり得ません。
事前連絡すれば被疑者が逃亡したり、証拠を隠滅されたりするおそれがあるため、逮捕することを警察が事前連絡することは通常では考えられないのです。
ただ、逮捕する手続にはいくつかのパターンがあり、場合によっては事前連絡がないわけではありません。
そこで、どのような場合に事前連絡があるのかをみていきましょう。
逮捕の事前連絡があるのはこんな場合
逮捕の手続として典型的なのは、被疑者の自宅などに警察がいきなり来て、逮捕状を読みあげて被疑者に手錠をかけるというものです。
しかし、いきなり逮捕するのではなく、警察署への任意同行や任意出頭を求められることもあります。
任意同行を求められる場合は訪問してきた警察官が口頭で伝える場合がほとんどですが、まれに事前連絡が来ることもあります。
任意出頭を求められる場合は、通常は警察からの電話によって伝えられます。電話連絡がとれないときは、ハガキや封書で連絡される場合もあります。
任意同行や任意出頭の後、事情聴取が行われた結果、逮捕された場合は事前連絡の上で逮捕されたことになるでしょう。
警察からの電話で逮捕を予告されることはない
事前連絡の上で任意同行や任意出頭をした結果、逮捕されることはあります。
ただし、事前連絡で警察官が告げるのはあくまでも事情を聞くために「署まで同行してほしい」「署に来てほしい」ということだけです。
「逮捕します」ということは決して告げられません。
警察署で事情聴取を受けるということは「逮捕される可能性もあるな」ということになりますが、逮捕すること自体が事前連絡されることはあり得ないと考えてください。
なお、任意同行や任意出頭の事前連絡があった場合は、絶対ではありませんが、逮捕される可能性は低いということもいえます。
事前連絡をすれば逃亡や証拠隠滅のおそれがあるため、逮捕される場合は事前連絡なしにいきなり逮捕されるか任意同行を求められる場合がほとんどなのです。
その意味で、逮捕の事前連絡は基本的にあり得ないと考えておくべきです。
警察に逮捕される前兆もほとんどない
逮捕の事前連絡が基本的にあり得ないとすれば、他のルートで逮捕される前兆を知りたいと思われることでしょう。
しかし、残念ながら警察に逮捕される前兆をつかめることもほとんどありません。
事件によっては、新聞やニュースなどで「警察が捜査を進めている。容疑が固まり次第、逮捕する方針」と報道されることもあります。
ただ、このように報道されるのは犯罪全体のなかではごくわずかなケースです。
ほとんどの場合、警察は被疑者に知らせないまま捜査を進めて、容疑が固まり次第、逮捕しにやってくることになります。
警察が職場に来ることはほとんどない
逮捕されるときには警察がいきなりやってくるものだとすれば、職場に警察が来るかもしれないと気になる方も多いことでしょう。
しかし、結論として、警察が職場に来ることはほとんどありません。
逮捕というのは人の身体の自由という基本的人権を制限する行為なので、その手続は法律で厳格に定められています。
職場で逮捕してはいけないという法律があるわけではありませんが、警察は被疑者のプライバシーにも配慮して逮捕手続を行います。
そのため、基本的には自宅など被疑者のプライバシー侵害が少ない場所で逮捕が行われます。
ただし、被疑者が警察から逃げ回っているような場合には、やむを得ず職場に警察が来ることもあるので、注意が必要です。
また、職場で行われた犯罪の場合には、職場を捜査しに来た警察官がその場で被疑者を逮捕することもあります。
任意出頭後に逮捕される確率は高くはない
任意同行や任意出頭の後の事情聴取によって逮捕されることがあるのなら、その確率はどのくらいなのかということが気になるでしょう。
逮捕されるかどうかは犯した罪の内容や被害者の損害の大小、警察による証拠の収集状況によって異なるため、逮捕される確率が何%と表すことはできません。
ただ、あらゆるケースを総合して逮捕される確率が高いか低いかでいうと、低いということはいえます。
容疑が明確であっても、すべての事件で被疑者が逮捕されるわけではありません。
最終的な刑事処分が決まるまで身柄を拘束されない場合も数多くあります。
世の中に発生している犯罪を総合的にみると、数の上では逮捕されないままで刑事手続が進められる事件のほうが多いのです。
ただし、犯した罪がそれなりの重罪である場合は逮捕される可能性が高いのが当然なので、ご注意ください。
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逮捕されないか不安な気持ちを解消するために
任意同行や任意出頭の後に逮捕される可能性が高いと思われる場合は、それらを拒否することはできないのかが気になるところでしょう。
逮捕につながるかもしれない警察からの要求を拒否できるのかどうかを知るためには、逮捕の手続を理解しておくことが必要です。
逮捕の手続を知っておこう
警察が誰かを逮捕するためには、裁判官が発布した逮捕状が必要です。
また、実際に逮捕する場面でも、逮捕状を読みあげたり、弁護士に依頼する権利があることを告げるなどの一定の手続があります。
逮捕状が発布される要件や逮捕に至るプロセスについては、こちらの記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
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逮捕状が執行される時間帯と逮捕状の有効期限について
逮捕状が執行される時間帯、つまり実際に逮捕が行われる時間帯に決まりはありませんが、平日の朝に行われることが多い傾向にあります。
これは、平日の朝は被疑者が会社や学校に出かける前で、自宅にいることが多いからだといわれています。
また、警察は被疑者を逮捕した後、限られた時間内に取り調べを行い、検察官に送致するなどの手続を取る必要があります。
そこで、効率的に仕事を進めるために朝一番に逮捕するとも考えられます。
とはいえ、朝だけではなく、あらゆる時間帯に逮捕は行われているので、朝にだけ注意すればいいというものではありません。
逮捕状の有効期限については、発布されてから7日以内と決められています。
期限内に逮捕できないと、警察はその逮捕状を返還しなければなりません。
ただし、その後も警察は改めて逮捕状の発布を受けることができるので、7日間だけ逃げても意味はありません。
「後日逮捕は難しい」というのは本当か
罪を犯しても、すぐに逮捕されなければ後日逮捕は難しいという話をどこかで聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
たしかに、現行犯で逮捕されなかった場合に後日逮捕が難しくなるタイプの犯罪もいくつかはあります。
有名なものとしては万引き、盗撮、覗き、速度違反(道路交通法違反)などが挙げられます。
これらの犯罪は現行犯で逮捕しなければ証拠を確保するのが難しいため、後日逮捕は難しいと言われていたことがありました。
しかし、最近では防犯カメラが普及しているため、万引きはかなりの確率で後日逮捕されます。
盗撮や覗きは万引きに比べると後日逮捕が難しいのは事実です。
ただ、以前よりは監視カメラが普及していることもあり、後日逮捕されるケースは増えています。
速度違反についても、オービスに記録されてしまうと後日逮捕されます。
その他の犯罪でも、すぐに逮捕されないからといって安心するのは禁物です。
警察が何年もかけて地道に捜査した末に逮捕されるケースは多々あります。
「後日逮捕は難しい」という期待は、あまり持たないほうがいいでしょう。
逮捕されないか不安な方は警察が動く基準を知っておこう
逮捕の手続は、法律によって厳格に定められています。
そのため、警察が逮捕に向けて動く基準は、法律に定められた逮捕の要件を満たしたとき、ということになります。
法律では、逮捕の要件として次の2つを定めています。
- 罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があること
- 逮捕の必要性があること
「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があること」というのは、一般人の目から合理的にみて、その人が罪を犯したことが疑わしいといえる場合を意味します。
このような疑いがあって、かつ、逮捕の必要性があって初めて警察が逮捕に向けて動くことになります。
では、この2つの要件について詳しくみていきましょう。
罪を犯した疑いを警察が抱くきっかけ
ある人が罪を犯した疑いを警察が抱くきっかけには、以下のようにさまざまなものがあります。
- 被害者からの被害届
- 被害者からの告訴、第三者からの告発
- 犯人自身による自首
- 職務質問
- テレビや新聞、ネットなどでの報道
ただし、これらのきっかけによって犯罪の発生を警察が知っても、すべてのケースで逮捕に向けた捜査が開始されるわけではありません。
被害届や告訴・告発については警察は受理しなければならないことになっていますが、軽微な事案の場合は本格的には捜査されないこともよくあります。
「まずは当事者同士で話し合ってみてはどうでしょうか」という対応をされることもあります。
また、被害届や自首が虚偽やいたずら目的で行われる場合もあり得ます。
当然、警察は疑いの目を持って事情を聞きますが、一般人の目から合理的にみて、その人が罪を犯したことが疑わしいといえないような場合には警察も動きません。
その他、告訴や告発が義憤にかられて行われたものの、客観的にみれば検挙しなければならないほどの罪ではない場合も少なくありません。
あくまでも、一般人の目から合理的にみて、その人が罪を犯したことが疑わしいといえるレベルの疑いを警察が持った場合に初めて、逮捕に向けて動くことになります。
罪を犯した疑いがあっても必ず逮捕されるわけではない
警察が人を逮捕するためには、罪を犯した疑いがあり、かつ、逮捕の必要性があることが必要です。
逮捕の必要性が認められなければ逮捕状は発布されず、逮捕はされません。
逮捕されるかどうかや、逮捕された後の流れについては、こちらの記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
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そんなときは、弁護士に相談することが有効です。
刑事事件に詳しい弁護士に相談することで、万が一、警察が逮捕しに来たときの対応方法や、逮捕された後の正しい対処法を教えてもらえます。
また、弁護士に依頼すれば、被害者との示談も成立しやすくなります。
必ずしも犯罪に該当しなくても、やましいことがある場合は相手と示談しておきましょう。
そうすることで逮捕される可能性が低くなりますし、損害賠償など民事上の問題も解決することができます。
示談については、こちらの記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
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川越で逮捕が不安な場合は当事務所へご相談ください
これまでご説明してきたように、逮捕された場合や逮捕されるか不安な場合の対応はスピードが命です。
当事務所では、刑事事件に関しては24時間お問い合わせを受け付け、できる限り最速で接見(面会)に伺うようにしております。
また、法律相談は初回の30分まで無料で承っておりますので、逮捕されるか不安な方もぜひご利用ください。
埼玉県川越市で逮捕された場合や、逮捕されるか不安な場合は、少しでも早くご相談いただくことをおすすめします。
詳細はこちらのページで詳しく説明していますので、ご参照ください。
逮捕されないか不安なときは、とにかく弁護士に相談を
逮捕された後に弁護士のサポートを受けることも大切ですが、逮捕される前に弁護士に相談すれば、逮捕されずにすむ場合もあります。
一人で不安に怯えていても、事態は改善しません。不安なときこそ、弁護士に相談して最善の対処法を考えることが重要です。
まずは無料相談を利用してみてはいかがでしょうか。
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