離婚・夫婦トラブル

夫がパパ活をしていた!離婚や慰謝料請求ができるか具体的に解説

悲しんでいる女性
夫がパパ活にハマっている
親子ほど年の離れた女性とパパ活をして性交渉があるらしい

昨今、パパ活がブームのように蔓延し、夫のパパ活で悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

パパ活をしている夫と、離婚や慰謝料請求をお考えの方もいるかもしれません。

パパ活は、最近増えた男女の関係で、特段定義があるわけではありません。

女性と食事をしただけで数万円払う場合もあれば、性交渉に至る場合もあります。

しかし、特に性交渉が明らかになった場合、これ以上夫婦関係を維持するのは困難と考える方もいるかと思います。

今回は、夫のパパ活を理由に離婚や慰謝料請求を考えている方向けに、条件ややっておくべき対応などを具体的に解説します。

パパ活する夫と離婚したい場合

チェックリストパパ活をする夫とは離婚したいとお考えの方もいるかと思いますが、パパ活の態様によっては離婚の主張が難しい場合もあります。

パパ活で離婚できる条件や注意点には次のようなものがあります。

離婚するための条件とは

結婚(婚姻)は、夫婦が結婚するという意思を持って行う契約です。

そのため、夫婦の双方が同意すれば、婚姻契約関係の解消としていつでも自由に離婚することができます。

法律で決められた離婚の5つの原因

相手が離婚に応じず、裁判で離婚を争う場合、法律で決められた離婚の原因が必要です。

これを「法定離婚事由」といい、次の5つが定められています(民法770条)

  • 不貞行為(配偶者以外との肉体関係)
  • 悪意の遺棄(突然の家出、生活費を入れないなど)
  • 配偶者の生死が3年以上不明(行方不明でも生存が明らかな場合は除く)
  • 回復の見込みがない強度の精神病(躁うつ病や統合失調症など)
  • その他婚姻を継続しがたい重大な事由

不貞行為とは何か

「不貞行為」とは、配偶者以外の異性と性交渉をすることを言います。

これに対して「不倫・浮気」は一般的な概念です。

たとえば、キスから浮気、デートしたら不倫、と考える夫婦がいても構わないのですが、法律上の離婚原因である「不貞行為」にあたるためには、性交渉がなければなりません。

たとえば、パパ活でよくある次のようなケースは、不貞行為には当たりません。

  • 手をつなぐ
  • ハグする
  • キスをする
  • 高価なレストランでの食事
  • プレゼント

そのためパパ活で、夫が相手の女性とデートしてお手当(金銭)を渡したり、ブランド物をプレゼントしても、それだけでは不貞行為には当たりません。

夫がパパ活相手と性交渉をして初めて不貞行為に該当し、妻側はパパ活を理由に夫と離婚できることになります。

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不貞がなくても離婚できる場合

屋外を歩く親子不貞行為がなくても離婚できるのは、上記のように夫婦の合意がある場合や、「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」がある場合です。

いわゆる性格の不一致や、DV、性的な不一致などがありますが、判断の決め手は「夫婦生活が破綻しているか」という点にあります。

性生活の不満や性的異常はそれだけでは離婚原因として認められにくいですが、夫が性交渉を拒絶し続ける、妻に異常な性癖を強要する、性行為を拒絶する妻に暴力をふるって従わせるなどの状況があり、夫婦生活が破綻していると言えるような場合は、離婚原因と認められやすいです。

パパ活の場合、夫がパパ活にのめりこみ、妻との性交渉を拒絶するなどして、夫婦生活が破綻していると評価できる場合は、「婚姻関係を継続しがたい重大な事由」として離婚原因と認められる可能性があります。

未成年の子どもがいる場合の注意点

パパ活を理由に離婚する場合、夫婦に未成年の子どもがいる場合は、親権者の指定に注意が必要です。

日本では、未成年の子どもがいる場合、離婚するときに親権者を決めることが離婚の条件となっています。

親権者は、子どもの福祉が第一なので、たとえ夫がパパ活にのめり込んだことが離婚理由だとしても、必ず妻が親権を獲得できるとは限りません。

子どもが幼稚園児であるなど幼い場合は、母性を尊重して母親が親権者になる可能性が高いと言われますが、10代も半ばを超えると、子どもの意思も尊重され、子どもが安心・安定して学校生活を送れるかも考慮されます。

パパ活をする夫と離婚を検討中で子どもの親権を獲得したい人は、ご自分に定期的・安定的な収入があるか、離婚後の住居は確保されているかなど、条件を整えておくことが重要です。

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パパ活する夫に慰謝料請求したい場合

慰謝料請求の書類を見せる女性離婚するかどうかは別として、パパ活をする夫に慰謝料を請求したいとお考えの方は多いのではないでしょうか。

しかし慰謝料も、離婚と同様、全てのパパ活の場合に請求できるわけではありません。

慰謝料請求するための条件とは

そもそも、慰謝料とは何でしょうか。

法律では、わざと(故意)またはうっかり(過失)して他人に損害を与えた場合は、その損害を賠償する責任を負うと定められており、これを「不法行為責任」といいます(民法709条)。

そして、夫婦はお互いに「配偶者以外の異性と性交渉をしない」という貞操義務を負っています。

不貞行為をした人は、この義務に違反して、配偶者に精神的苦痛という損害を与えたことになります。

この精神的苦痛に対する損害賠償のことを「慰謝料」といいます。

つまり、慰謝料を請求するには、原則として不貞行為がなければならないのです。

なお、当然のようですが、夫1人ではパパ活も性交渉もできません。

そのため、パパ活で慰謝料を請求する場合、夫と、夫と不貞行為をしたパパ活女子の両方に対して請求することが可能です。

不貞がなくても慰謝料請求できる場合

離婚の場合と同様、不貞行為がなければ全く慰謝料請求が認められないかというとそうではありません。

ただし、そのハードルは決して低くはなく、相手に精神的苦痛を与えた場合や、夫婦生活の平穏を害した場合に限られます。

具体的には、

  • パパ活相手の女性が夫に本気になり、家庭を壊してやると脅してきた場合
  • 夫がパパ活女子に高額なお手当を払うなどして家庭のお金を使い込んだような場合
  • 性交渉はないと主張しつつも泊りがけで旅行に行くなどした場合

が考えられます。

パパ活で慰謝料を請求する場合の相場の目安

裁判所と家族のイメージパパ活をする夫に慰謝料請求をする場合、離婚するかどうかで慰謝料の相場が変わってきます。

また、不貞行為があった期間、男女の年齢差や社会的地位の違いなども慰謝料相場に影響します。

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離婚する場合の慰謝料目安

夫がパパ活相手の女性と不貞行為をするなどして離婚する場合、離婚と一緒に慰謝料を請求することができます。

この場合の慰謝料の目安は、100~500万円が相場と言われています。

金額に差がありますが、不貞行為期間が長い場合、夫の社会的地位が高く収入も多い場合、結婚期間が長い場合、小さい子どもがいる場合などは、慰謝料が高額になる理由になります。

離婚しない場合の慰謝料目安

パパ活をした夫に慰謝料を請求するけれど離婚まではしない場合の慰謝料は、50~200万円が相場と言われます。
離婚する場合に比べて慰謝料額は低くなりがちです。

離婚しない場合、慰謝料の出所が家庭の財布ということもあり得るので、夫の独自の資産から払える金額にすることが多いです。

ただし、再度パパ活をした場合は離婚する、その場合の慰謝料は高額にする、などの条件を付けておくことも、夫婦生活を続ける上での対策の一つになります。

パパ活で離婚や慰謝料請求したい場合妻がやるべきこと

自宅で悩む女性妻が、パパ活をした夫に慰謝料や離婚を請求したい場合、しっかりと準備をしておくことが大切です。

ここでは、実際に請求をする前に準備しておく対策について解説します。

不貞の証拠を集める

パパ活で不貞行為をした夫やパパ活女子に対して慰謝料や離婚請求をする場合、話し合いで相手が応じるなら証拠は何でも構いません。

しかし、相手が応じない場合を想定すると、裁判でも認められるだけの証拠を集めておく必要があります。

証拠になりやすい具体例

不貞の証拠として認められやすいものとしては、以下のように性交渉があったことを示すものが挙げられます。

  • ラブホテルに一緒に出入りする写真や動画
  • 夫とパパ活女子が性交渉中の写真や動画
  • 性交渉中の音声や、性交渉があったことを認める会話の録音
  • 性交渉があったことを認めるSNSやメールの文面
  • ラブホテルの領収書
  • 探偵の報告書

なお、それらしいやり取りがあるからと言って、SNSやメールのデータを全てコピーするような行為は、相手の権利を侵害しているとして、不貞行為があったことを示すものだとしても証拠として認められない場合があります。

証拠収集の方法としては、SNSの画面を写真に撮るなどにとどめるようにご注意ください。

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証拠になりにくい具体例

反対に、以下のようなものは性交渉があったと断言しにくいので、証拠として認められにくいです。

  • シティホテルに一緒に出入りする写真や動画
  • 食事や買物を一緒にする写真や動画
  • お手当のやり取りを示すSNSやメールの文面
  • ラブホテル以外の領収書

これらの証拠も、他の証拠と一緒になることで不貞の証拠として利用できる場合もあるので、発見した場合は保存しておきましょう。

財産の状況を確認する

電卓と現金慰謝料額を算定したり、離婚の際の財産分与(離婚時に、夫婦で築いた財産を原則として折半する制度)をする際は、夫婦に財産がどれだけあるか把握しておくことが重要です。

夫側が、妻が慰謝料請求や離婚を考えていると知ると、本来夫婦で築いた財産を個人口座に移すなどして隠すリスクもあるので、夫に話を持ち出す前に状況を把握しておくことが大切です。

預貯金の額や、持ち家がある場合は不動産の価格とローンの残高、株などの資産についても、できるだけ調べておくようにしましょう。

離婚後・慰謝料請求後の生活のプランを立てる

特に専業主婦の生活が長い方は、離婚後自身で働いて収入を得るのは大変です。

まして、小さい子どもがいて親権を取りたい場合は、居住場所と収入を確保することは必須の条件となります。

離婚する場合は、シングルマザーが受けられる支援などを確認するために、まずは市区町村の生活課などを訪れて条件を聞いておきましょう。

離婚せず慰謝料請求をする場合も、今後の夫婦生活をどう送るか、検討が必要です。

上述したように、慰謝料請求をする際に、再度パパ活をした場合のペナルティを決めておくなど、今後の対策も検討しておくことをお勧めします。

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思っていたよりも離婚や慰謝料を請求できる条件が厳しいと感じた方、今すぐ行動を起こそうと思った方、いろいろだと思います。

ただ、不貞の証拠と言っても、実際に集めるのは難しかったり、証拠になると思っても裁判では認められにくいものだったり、慰謝料額の目安が定まらなかったりと、離婚や慰謝料請求を実際に行うのは大変です。

夫のパパ活が判明しショックを受けている状況で、証拠集めやその後の対策にはとても気が回らないという方もいるかもしれません。

このように夫のパパ活でお悩みの方は、お気軽に弁護士にご相談ください。

弁護士であれば、離婚なのか慰謝料なのか、ご希望に沿った対応や、適切な証拠かどうかのチェック、証拠集めの方法をアドバイスできますし、もし実際に請求する場合は代理人として全て任せることも可能です。

夫のパパ活が心配な方は、1人で悩まず、弁護士にまずはお早めにご相談ください。

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